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3県警が連携不足を遺族に謝罪、危機意識欠いた長崎県西海市のストーカー殺人事件について、千葉、長崎、三重の3県警は5日、山下誠さん(58)が、三女(23)のストーカー被害の相談をしていた警察署の動きが鈍かったことや、3県警間の連携不足を認める検証結果を遺族に説明し、謝罪した。警察庁は、暴力に発展する恐れのある男女のトラブルに関する全相談と110番について警察本部と署長が把握して指揮することなどを、全国の警察に通達で指示した。 山下さんは昨年10月29日、筒井郷太容疑者(27)(殺人容疑などで逮捕、鑑定留置中)の三女への暴行について、地元の長崎県警西海署に相談。その後、三女の居住地を担当していた千葉県警習志野署や、筒井容疑者の実家が管内の三重県警桑名署にも取り締まるよう要請していた。 検証結果がまず問題としたのは、重大事件に発展するという危機意識の不足だ。 山下さんが昨年11月21日、習志野と西海、桑名の3署に相談した際、筒井容疑者から三女の知人らに脅迫メールが届いていることを伝えたのに、どの署も内容を確認していなかった点を指摘。その上で、「内容を確認すれば、切迫性があると判断し、早期の事件化を図れた」とした。 また、同10月30日、三女が習志野市のマンションを借りたまま帰郷したことで、習志野、西海両署がいずれも「管内のことではない」と考え、ストーカー規制法を積極的に適用しなかったことも反省点とした。 とりわけ、習志野署については、「もう一歩踏み込んだ取り調べなどにより、警告、検挙などを図るべきだった」と指摘した。 筒井容疑者は山下さんの妻と母を殺害する2日前に行方不明になったが、この情報を習志野署が西海署へ伝えなかったことも連携不足とした。 再発防止策も挙げ、男女間トラブルが重大事件に発展することの周知や、組織的対応の徹底などを図るとした。 3県警は4日から5日にかけ、山下さんら遺族に検証結果を報告。その後、3県警の幹部がそろって長崎県警本部で記者会見した。 千葉県警生活安全総務課の安達泉己(いずみ)課長は「今回の対応は、危機意識の不足、3県警の連携の不備など多くの問題点をはらんでいる。このような痛ましい事件が二度と起きないよう努めます」と述べた。 山下さんは代理人弁護士を通じ、「再発防止策が全国で運用されることを強く望んでいます」との手記を公表した。 (2012年3月6日 読売新聞)
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