野田内閣は23日、江利川毅・人事院総裁を4月7日の任期満了で退任させることを決めた。人事院の人事官を兼務する江利川氏の後任人事官に、吉田耕三・人事院事務総長(61)を起用する国会同意人事案を、23日に衆参両院の議院運営委員会理事会に示した。
後任の人事院総裁は、人事官3人の中から内閣が任命する。元厚生労働事務次官の江利川氏は、国家公務員給与を平均7.8%削減する内閣の方針に「人事院勧告を尊重しない憲法違反だ」と反対してきた。内閣が江利川氏の再任を認めない背景には、こうした対立があったとの見方もある。
内閣は、吉田氏を含む4機関8人の同意人事案を提示。日本銀行審議委員には河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト(47)を起用する案を示した。4月4日に任期満了となる中村清次審議委員の後任で、任期5年。河野氏は第一生命経済研究所などを経て現職。行政刷新会議の「民間仕分け人」も務めている。