トップページ社会ニュース一覧警戒区域見直し 3市町村も来月以降
ニュース詳細

警戒区域見直し 3市町村も来月以降
3月23日 23時5分

原発事故による福島県内の避難区域の見直しについて、自治体と国の協議が23日も行われ、南相馬市と飯舘村、それに浪江町でも、実際に区域が見直される時期は、来月以降にずれ込む見通しとなりました。

福島県内の警戒区域や計画的避難区域について、政府は、今月末をめどに、放射線量に応じて3つの区域に見直す考えで、各自治体と個別に協議を進めていて、23日は3つの市町村との協議を行いました。
このうち南相馬市の桜井勝延市長との協議では、国から、市内の警戒区域と計画的避難区域の合わせて4151世帯を3つの区域に見直す案が示されたということです。
案では、全体の9割ほどが住民の早期の帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」に、小高区の一部の地区が引き続き避難を求める「居住制限区域」に、浪江町に近い地区の数世帯が長期にわたって居住を制限する「帰還困難区域」になるということです。
国は区域の見直しが今月末に行えることを伝えたということですが、桜井市長は、すぐに立ち入り禁止が解除され、人が出入りできるようになると、防犯上問題があるとして、防犯体制が整うまでは見直しの実施を遅らせるよう要望したということです。
協議のあと、桜井市長は「一歩前進と言えるが、一方で、区域の解除と賠償は別の問題であり、解除によって賠償が終わるというようなことがあってはいけない」と話していました。
一方、飯舘村との協議では、村の「コミュニティーを維持したい」という要望を考慮し、区域の見直しをするうえで行政区などを分割しない形での区割りも認める考えが、国から示されました。
これに対して村は、来月上旬以降に住民説明会を開いて検討する考えを伝えました。
飯舘村の菅野典雄村長は、「避難区域の見直しが進まないと除染も実施できないので、説明会などを通じて住民の意向を聞きながら、できるだけ早く見直しを行いたい」と話していました。
また、3つの区域に見直される見通しの浪江町との協議では、町側が賠償やインフラの復旧、住民の生活支援の在り方などについて、包括的なビジョンが示されていないと訴え、具体的な議論は進みませんでした。
浪江町の馬場有町長は、「住民が安心して暮らせるようになるために、より具体的なビジョンが出てこないかぎりは、区域見直しの議論には応じられない」と話していました。
これによって、3つの市町村の区域が実際に見直されるのは、いずれも来月以降にずれ込む見通しとなりました。

[関連ニュース]
このページの先頭へ