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近畿運輸局、なにわ筋線検討で難波ルートの2ケースが比較的良好
近畿運輸局は、大阪ビジネス拠点から関西国際空港への鉄道アクセス「なにわ筋線」について検討する「第6回高速交通ネットワークへの鉄道アクセス改善方策に関する検討会」(座長・斎藤峻彦近畿大学経営学部教授)が21日に大阪市中央区の大阪合同庁舎第4号館で開かれた。コスト縮減等及び関西国際空港アクセス時間の短縮(既設道路の改良)を前提とした検討を行い、JR難波・南海難波ルート・なにわ筋線内中間駅ノンストップケースとJR難波・南海難波ルート・なにわ筋線内全駅停車・中間駅ノンストップ複合ケースの2ケースを比較的良好とした。
なにわ筋線は、新大阪駅から東海道支線の新駅となる(仮称)北梅田駅から延伸してJR難波・南海難波とJR難波・南海汐見橋を結ぶ2つのルートで計画。中間駅は乗換動線を考慮し中津付近(地下鉄御堂筋線、阪急神戸線・宝塚線)、福島付近(阪神本線、JR東西線)、中之島付近(京阪中之島線)、西本町付近(地下鉄中央線)、西大橋付近(地下鉄長堀鶴見緑地線)の5か所が想定されている。概算建設費は約1900億円〜約3900億円と試算している。
今回、JR東海道支線地下化の線形精査を踏まえた深度化、中之島駅付近の浅深度化、西大橋駅の配線見直しによる駅規模の縮小化と南海難波駅を新設し配置の変更等のコスト縮減等を図る検討を行った。概算建設費は約1800億円〜約2300億円となり、コスト縮減は最大約700億円と試算した。
関西国際空港へのアクセス時間の短縮について、JR阪和線の天王寺駅〜鳳駅の線路増設等と南海本線の速度向上にあたり軌道改良や高性能車両(車体傾斜装置付き車両)の導入を検討した。
なにわ筋線の需要予測、費用便益分析等にあたって、JR阪和線、南海本線等の既設他路線における停車駅を前提として、需要予測は約14万人/日〜約21万人/日、費用便益比(B/C)は0・76〜2・17、収支採算性については、都市鉄道利便増進事業費を活用した場合、最短20年目に累積資金収支が黒字転換可能という結果となった。
需要予測・費用便益分析・収支採算性等のケース別試算の30ケースのうち、費用便益比、収支採算性等を踏まえJR難波・南海難波ルート・なにわ筋線内中間駅ノンストップケースとJR難波・南海難波ルート・なにわ筋線内全駅停車・中間駅ノンストップ複合ケースの2ケースを比較的良好とした。
なにわ筋線整備に向けた具体的な検討にあたって、今回の調査結果等を踏まえ、地方自治体が連携して関係の鉄道事業者等との調整を進め、事業化に向けた運行主体・運行形態等の検討を行い、具体化を目指すことが期待されるとした。