劇団ヘロヘロQカムパニーからのお知らせとお詫び


日頃より劇団ヘロヘロQカムパニーを応援していただき、誠にありがとうございます。

劇団ヘロヘロQカムパニー第26回公演として上演いたしました、伊福部崇氏の脚本作品「ホタエナッ!!〜Who Killed Ryoma?〜」ですが、「探偵映画」(我孫子武丸先生 著) の設定を流用しているのではないかとのご指摘を一部のお客様よりいただきました。

台本打ち合わせの際に、脚本家の伊福部氏より、この設定を参考に書いてみたいと「探偵映画」のお名前を伺い、原作本もいただいておりました。が、当劇団では伊福部氏にすべてをお任せしていたため、原作小説の内容の把握・確認ができておりませんでした。大変申し訳ございません。

作家の伊福部氏は以前から我孫子先生の大ファンでおられ、作品の設定を参考にして書いているとのことはご自身のラジオでも謳われていましたので劇団としましても、隠していたわけではございません。ただ、この経緯を劇団から発表が出来ていなかったことにつきましては、深く反省しております。

今回、お客様よりご指摘をいただき、設定や内容を確認しましたところ思った以上に設定が似ており、事の重大さに気が付きまして我孫子先生に直接ご連絡させていただき、作品DVDをご覧いただきました。ご覧いただいた上で、参考にさせていただいた事について承諾をいただきましたので、先生のお言葉を合わせまして、ご紹介させていただきます。

我孫子先生の作品のファンの皆様には、劇団の不十分な確認でご不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございませんでした。我孫子先生からの寛大なお言葉をいただき、大変有り難く思っております。今後は、内容の把握、また確認作業を怠らないようにしっかりと引き締めて、皆様に楽しんでいただける作品を作れるよう劇団員一同精進してまいります。今後とも劇団ヘロヘロQカムパニーをどうぞ、よろしくお願いいたします。

2012年1月
劇団ヘロヘロQカムパニー

皆さん初めまして、我孫子武丸と申します。

関座長よりご連絡があって初めて今回の件を知り、上記のような経緯の説明と真摯な謝罪をいただきました。

そもそも小説とお芝居では表現形式があまりに異なるため、特に問題視する気はなかったのですが、とにかく中身を拝見した方がよいだろうと『ホタエナッ!』の録画を観させていただくことにしました。

拙著『探偵映画』を参考にしました、と伺った上で拝見する分には、ミステリというよりはコメディ寄りであり、龍馬暗殺という独自色も盛り込んであるし、2時間半の演劇として文句なく楽しめる作品に仕上がっていると思いました。

ぼくが楽しめるのですから、恐らくはどこかに<参考:『探偵映画』>程度の表記があれば、奇特にもぼくの本を読んでくださっている方も安心して楽しめたことでしょう。

小説や映画、演劇などの創作は、過去作の焼き直し、バリエーション、アレンジの歴史でもあります。ぼく自身も過去の作品、自分が影響を受けた作品から完全に逃れることなどできません。

ただ、余りにも明確に特定の作品や作者からのインスパイアが感じられるだろうものについては、読者(観客)に対して、「今回の創作の元にはこういうものがありますよ」とお知らせしておきたい。

作者にというよりもお客様に対する説明の方が重要ではないかと思っています。

幸い、関座長も同じご意見でしたので、皆様に経緯をお伝えするべくこの場をお借りすることとなった次第です。


今後とも、劇団ヘロヘロQカムパニーを応援するとともに、ついでに「我孫子武丸」と書いてある本とかゲームとか漫画とか(色々やっているのです)見かけたら手に取っていただければ幸いです。幸いです。

2012年1月
我孫子武丸

日頃より、劇団ヘロヘロQカムパニー及び、劇団ヘロヘロQカムパニーを応援されている皆様にお世話になっております。伊福部崇です。この度の件につきまして、我孫子武丸先生、並びに作品のファンの皆様に大変ご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。

はじめに劇団ヘロヘロQカムパニー様より、脚本執筆のご依頼をいただいた際に、以前より愛読させていただいていた我孫子武丸先生の小説「探偵映画」をお渡しして、これを参考にした作品を執筆したい旨を、劇団の代表者様にお伝えして執筆に入りました。

今作の上演前に、私がパーソナリティーを務めさせていただいているラジオ番組において、「この作品は、敬愛する我孫子武丸先生の著書「探偵映画」を元にコメディとして展開させたいと思っている」という旨の発言もさせていただいていたとおり、私自身は、元よりこの「ホタエナッ!!〜Who Killed Ryoma?〜」が「探偵映画」を参考にしている事実を隠蔽するつもりは全くないどころか、僕個人の見解としては、観客の皆さんには、それを知った上で作品を楽しんでいただきたいという気持ちでありました。

しかし、脚本を完成に導いていく過程の中で、稿を重ねるうちに、当初の予定していた内容以上に「探偵映画」に近づいてしまったことは事実であり、また、私も各所への確認作業を怠っていたため、結果としてこのような事態を生み、我孫子武丸先生や劇団ヘロヘロQカムパニーの皆様に大変なご迷惑をおかけしてしまいました。

その後、ファンの方からのご指摘を受け、ヘロヘロQカムパニーの関智一座長を通じて、我孫子武丸先生ご本人と連絡が付き、寛大なお言葉をいただいたとの連絡を受け、大変有り難く思うと共に、自らの不徳が生んだ事態であると深く反省している次第でございます。

今後とも、舞台脚本やメディア作品など様々な作品に関わらせていただく機会もあると思いますが、こういったことのないように気を引き締めて、皆様に喜んでいただける新たな作品作りに励んでいきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

2012年1月
伊福部崇

© 2012 劇団ヘロヘロQカムパニー All rights reserved.