がん手術後の体調不良のため、来年2月まで指揮活動を休止すると今月7日に発表した指揮者の小澤征爾さん(76)が、23日夕、京都市の京都コンサートホールで開かれた音楽セミナーで、指揮者の卵たちを指導した。このレッスンもキャンセルが決まっていたが、小澤さんの強い意向で急きょ実現した。
セミナーは音楽財団「ロームミュージックファンデーション」が主催。プロの指揮者を目指す4人が、ドボルザークの交響曲「新世界より」などを題材に、オーケストラを指揮した。オケの中に座って耳を傾けていた小澤さんは、時折、指揮台に歩み寄り、「音楽の方向が大事」「楽器ごとの息づかいを考えて」などと身ぶり手ぶりをまじえてアドバイス。約1時間、熱心に指導した。セミナーは公開され、約600人が見学した。