あー、『アリス×クロス』終わっちゃうのか。
　これで、ブシロードのＴＣＧで終ったタイトルは『ジュエルペットＴＣＧ』、『サンデーvsマガジンＴＣＧ』（※）、『カオスオンライン』と続けて４本目です。
　それに、この件はブシロードの総合サイトのヘッドラインや、木谷社長や他のtwitterでは全く触れてないんだよなぁ……。
　隠してるとは言わないけれど、しっかり告知するほど責任持ってるわけでは無い。
　これは、カオスオンライン閉鎖や他の時もそうでしたな。
　これ自体は普通の事だけど、革新的な会社であるはずのブシロードなのに普通の会社と同じ事をやってるから失望すると言うか。　
　「いつ打ちきられるか分からないのでは安心して買えない」のじゃ無かったのかと。

（※　システム的にはヴィクトリースパークに継承されましたが。
　展開終了時、「『ヴィクトリースパーク』になってもサンデーやマガジンのキャラをもっと出したい」とかおっしゃっていましたが、今現在見ると売れそうなのつまみ食いした結果としてそれらに触れる事がある程度で、全然ですな。
　往年の、女の子がメインじゃない作品とかのカードは夢のまた夢）

　これまでに終った分は色々と言い訳できる口実（※）のあったタイトルでしたが、完璧に紙のＴＣＧで終ったタイトルは始めて。
　そして、今回に限らず、今まで商品を買って突っ込んできたユーザーへのフォローは無し。（※２）
　これはちょっとショックです。
　ブシロードのタイトルもずっと続くもんじゃないんだなぁ。
　なんだかこれに限らず、最近のブシロードは普通のＴＣＧ会社、気骨のない会社になってしまったように見えて非常に残念です。
　カードゲームショップに優しいブシロードと言っていたのも、ヴァンガードが売れてきだすと平気でコンビニや量販店とかに流通に出すようになり、量販店で安く商品を買ったプレイヤーがショップを大会やプレイスペースを使うためだけに利用するフリーライダー現象が続発する。
　これじゃ、カードゲームショップに優しいんじゃなくて、大手に相手されない間だけカードゲームショップを利用していただけであって、もっとランクアップして大手売り場との付き合いが出来れば捨てたようなもんじゃ無いですか。
　むしろ、仕入れ値はかなり高い――と言うか、遊戯王を抜くと一番高い――そうですし、そもそもヴァンガード以外の商品値段は高め（※３）な方です。

（※　『ヴィクトリースパーク』は続くから……紙の『カオスＴＣＧ』は続くから……ジュエルペットはノーカウントで……。
　でも『アリスクロス』打ちきるならこちらもその内終わりそうな……）

（※２　今までに買ったゲームが終わっても自己責任なんてのは普通っちゃ普通。
　なのですが、そうしてしまうとブシロードらしさが失われてしまうというか、それじゃバンダイやコナミのキャラゲーとどう違うのかと。
　今までブシロードが言ってきた事はなんだったのかと。
　リアルで今まであつめたカードを買い取れとは言わないが、せめてカオスオンラインは最終前にパック価格を投げ売りモードにするとか、大会やるとかしてほしかったなぁ。
　結局平常運転のまんまで対戦相手がほとんどいないまま――居ても定番デッキでぶっとばされる――フェードアウトだったし）

（※３　版権料金上乗せするわけですし）

　twitterで見る木谷社長は『アリスクロス』終了なんてお首にも出さずに今とても楽しそう――プロレス関係で神のように崇め奉られて――なだけに、そういったブシロードの変質が残念です。
　会社の理念よりも、チヤホヤされて、無茶な言い訳してまでプロレスのオーナーになる方が良いんだ……。
　それとも、素晴らしい理念は最初からただの空疎なお題目であったのだろうか。
　そも、『アリスクロス』って女子にもＴＣＧを広めるための、道を開くための事業なんじゃないのかと。
　会社である以上は採算を取れない事は出来ないと言うのはそうなんでしょうけれど、それってバンダイの「ユーザーの熱意があれば企画は続く（※）」と同じ、商業理論の上にのっています。
　もちろん、売れない、採算が取れない企画が続けられないと言うのは普通の事ですが、ブシロードには普通の会社では出来ないことをするという期待があったからこそ失望なのです。
　この調子で、ＴＣＧの一般化とかもお題目だけの形骸化しちゃうのかなぁ……。

（※　オーラバトラーＨＧのアレ）

　あと、システム的にも殴り合いじゃ無い独特のシステムでしたが、アレもいけ無かったのかなぁ。
　しかし、殴りあいバトルしかない（※）と言う状況からＴＣＧが抜け出せない事と言うのは、これらがずっと男の子の遊び（※２）の延長線でしかありえない、自ら可能性を狭めているのではないかとも思うのだ。

（※　取り合えず生きてるのは）

（※２　そして、常に１対１で明確に勝者・敗者が分かれるためにシステム的にプレイヤーは勝つことを求められる。
　ヴァイスシュヴァルツやヴァンガードの運要素を飽和させることも、結局の所「運が悪かったから負けただけ」と言う不健全な言い訳と思考停止の溜まり場になってしまった）


　それにプロレスのネットカードダス。
　あれにもちょっとガッカリしました。
　直接、アレらがカードゲームショップに不利益を与えたりはしないと思います（※）が、長期的なＴＣＧへの失望が根付くと思うのです。
　バンダイがアーケードでやってるデータカードダスもそうですが、大体ユーザーが飽きるよりも先に短期の２〜３年の間でゲーム自体の展開が終わってしまう事が多く、そうじゃなくても年が変わるとデータが変わって、最新のカードでないと勝てないってなるものばかりです。
　こういうネットカードダスと実際のＴＣＧは“似ているけれど違っている”物です。
　でも、一般のユーザー、ネットカードダスしかし無いようなユーザーはネットカードダスだけ見て、ＴＣＧ全般をこんなもんだと、“”短期でカードが使えなくなる、今までの投資が紙屑になるゲーム”だと言うイメージを擦り付ける事になる。
　これって、ちょっとした焼畑産業ですわな。
　普通の志のない会社がそれをやるのならまぁしょうが無い訳ですが、ＴＣＧ振興をとなえる（※２）ブシロードがやると言うのはちょっとした矛盾ではないかと思うのです。
　
（※　元々、オンラインＴＣＧとリアルでＴＣＧをやる層は“似ているけれど、違っている”。
　そして、『サイバーワン』や『オーナーズリーグ』どれも同期型ではないタイプで明らかにプレイ感触は紙のＴＣＧとは違っており、どちらかがもう片方の代替にはなりえない。
　一方でリアルタイム同期型のＴＣＧはよほど有力なタイトル――遊戯王やＭＴＧのオンライン――対戦相手の確保にも事欠く有様で、さらにそこで有料で買わなきゃカードが増えないとなると、一番ユーザーが集まる時間でも１００人以下とかざら。
　つーか、カオスオンラインがいつもユーザー数が数人〜数十人だったような……かといって、あれは２００人越えるとカードゲームなのにラグるというすげぇ状況でしたが）

（※２　そういや、ヴァンガードのシンガポール版をニコニコにアップする事は“社会貢献”だそうです。
　カナダの会社にローカライズを頼んだって事は、４kidsからのアメリカ進出の流れはないのかなぁ……）

　ブシロードは最近非常に儲かっているようですが、その利益が志を捨てることで生まれているのなら、ブシロードである必要はどこにあるんだろう？
　宣伝しまくって売りまくると言うのがブシロードの特徴？
　……そう言えば社名の元になり、会社の最終目的でもある『熱風海陸ブシロード』のアニメ化はどーなったんでしょうか。
　それこそ吉田直さんどんだけ心残りなんだか。

　『アリスクロス』のニッチ、女子向けのタイトルフォローはプリズムコネクトが拾うと言う感じなのかなぁ。
　『アリスクロス』がダメなら、『カオスＴＣＧ』とか『ヴィクトリースパーク』は継続できるだけ売れてるんだろか。
　『ヴァンガード』も入りやすいのは最初だけで、どんどんカード資産差や、クラン格差が広がって、楽しいだけ好きなだけじゃやっていけないしなぁ……２年目になってそれが改善されるかっていうと、むしろ悪化しそうなんだよなぁ。