高速道路の自動料金収受システム(ETC)を大型二輪ですり抜けたとして道路整備特別措置法違反(高速道路の不正通行)罪に問われた京都市左京区聖護院(しょうごいん)東町、真宗大谷派泉徳寺僧侶、柳山信(りゅうざん・まこと)被告(64)に対し、京都簡裁(佐々木章人裁判官)は23日、無罪(求刑・罰金200万円)を言い渡した。
柳山さんは公判で「ETC車載器にカードの裏表を逆に挿入し、気付かずに通過した」と主張。佐々木裁判官は「同法は故意犯のみを処罰すると解される」としたうえで、「誤ったカードの挿入方法を正しいと思い込んでいたと言える。故意があったと認定するには合理的な疑いが残る」と認めた。
起訴状では、10年8月~11年1月、同市伏見区の阪神高速京都線などの料金所でETCレーンを計42回、正しい手続きをせずに通過したとされた。
判決によると、柳山さんは毎回、開閉バーの隙間(すきま)(約1.5メートル)をすり抜けていた。10年8月には、料金所職員に止められたのに「盆の時期で忙しい」と言い残して走り去ったが、判決は「職員からカードの挿入方法の間違いを指摘されたことはうかがえない」とした。また、750CCバイクと袈裟(けさ)という目立つ姿で運転していたことも故意の無さを示すものとして認定した。【成田有佳】
毎日新聞 2012年3月23日 13時31分(最終更新 3月23日 17時04分)
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