高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
347:由紀さおりの次は増位山だ!
<2011年12月=東スポ携帯サイトより>
このところ訃報が相次いだため、書く機会を逸していたのだが、12月13日の午後8時からNHK総合で放送された「NHK歌謡コンサート」の「特選!きらめくネオン歌謡」という回を見て、その〝濃すぎる内容〟にうならされてしまった。
番組の冒頭から、豪華絢爛なマハラジャ衣装(?)の松平健が、華やかなダンサーをバックに「マツケン・マハラジャ」を歌い踊れば、番組中盤には歌番組への出演は本当に久々となる元大関・増位山(三保ヶ関親方=日本相撲協会副理事)が「そんな女のひとりごと」を歌い、相変わらずの歌唱力を見せつけた。
番組の途中、ゲスト席ではマハラジャ衣装の松平健と、シンプルなスーツ姿の増位山が座って談笑している。冷静に見るとすごい絵だ。
シンプル・イズ・ベスト――。分かりやすいモノこそが〝是〟とされ、日本文化を知らない外国人にも簡単に説明できるモノほど、良いとされてしまう昨今。
ともに「ちょんまげ&着物姿」こそを正装とする松平健(時代劇スター)と、増位山(元大相撲力士)が歌番組のひな壇にて、片やインドの民族衣装、もう片方は日本の平均的サラリーマンの格好で談笑している場面を、外国人にどのように説明すれば良いのだ? しばし頭を抱え込んでしまった次第。もちろん、そんな機会はないのだけれど…。
増位山(芸能活動では、三保ヶ関親方ではなく現役時代の増位山名義で出演しているみたいだ)の歌の巧さは、昔から定評があった。久々にテレビで「そんな女のひとりごと」を歌う増位山を見て、改めて「この人、本当に歌が巧いなぁ」と聴きほれてしまった次第。
真樹さんの紹介だったり、ユミさんが来なかったり、奈美さんに叱られたり、ママさんのいい人だったりするこの曲。昭和52年の発売当時130万枚も売れたミリオンヒットなのだ。
しかし冷静に考えてみると、日本国における強さ、五穀豊穣のシンボルたる大相撲の力士が「夜の女の切ない心情を切々と歌う」ってのも、これまた外国人には説明しづらい現象だ。
単純に考えれば「スモーレスラーが歌う曲」なのだからもっと勇ましい感じの歌でいい気もするのだが、なぜか力士が歌う曲ってのは昔から〝夜の女系〟ってのが定番だ。
「そんな女のひとりごと」「そんなナイト・パブ」と並んで、「増位山・そんな三部作」の第一号作品にあたる「そんな夕子にほれました」(作詞・海老名香葉子)に至っては、これまた外国人に説明する場合「オーゼキ・スモーレスラーが、ジャパンでモストポピュラーなラクゴ・コメディアンのワイフが作詞した、ユーコという女について歌ったナイスソングだ」とでも説明しなければならないのだろうか?
ややこしいったりゃ、ありゃしない…。
「J―POP」なんて、媚びた単語が流通し始めてからというもの、衰退が叫ばれる歌謡曲の世界。
だが、2011年は由紀さおりがピンク・マルティーニと吹き込んだアルバム「1969」が、欧米を中心に世界的ヒットを飛ばすなど、世界を舞台に日本の歌謡曲復権の兆しが見られた1年だった。
由紀さおりの次はぜひ、増位山の楽曲を「和製シナトラ」とか「歌うスモーレスラー」なんてキャッチコピーとともに、全世界に向けて発信して欲しいも
のだ。
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プロフィル
高木圭介のプロフィル
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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