現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 北朝鮮関連
  5. 記事

韓国ミサイル射程延長へ 李大統領「米と協議」

2012年3月22日6時41分

 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は21日、大統領府で朝日新聞などと会見した。李大統領は北朝鮮が衛星の打ち上げとしてミサイル発射を予告した問題に関連し、制限されている韓国の弾道ミサイルの射程を延ばす方向で米国と協議に入っていることを初めて明らかにした。

 旧日本軍慰安婦問題では、「法律問題より人道的な問題として解決すべきだ」と述べた。日韓の間では元慰安婦が賠償などの請求権を持つかどうか法的な解釈に違いがあるが、こうした違いにこだわらず、人道的見地での解決を日本側に呼びかけたものだ。

 ソウルで今月26、27の両日、核保安サミットが開催されるのを前に、朝日新聞のほか韓国の東亜日報など6社と共同会見し、書面でも回答を寄せた。

 韓国の弾道ミサイルは、「米韓ミサイル指針」により、射程が300キロに制限されている。だが、北朝鮮は射程300〜500キロのスカッドに加え、同1300キロのノドンを実戦配備。長距離弾道ミサイルの発射も繰り返している。このため、韓国で射程制限の緩和を求める声が出ていた。

 李大統領は「北の核攻撃やミサイルの脅威に備えるため、米との共同戦略上、適切な射程に延ばす協議をしている。近い将来、一致できるだろう」と語った。具体的な射程には言及しなかったが、「北のミサイルは(韓国南部の)済州島まで来る」とし、北朝鮮の大部分に届く距離が必要との認識を示した。

 慰安婦問題では韓国憲法裁判所が昨年、個人請求権の問題を韓国政府が解決しようとしないのは「不作為で違憲」としたことを受け、韓国が日本に協議を呼びかけているが、日本側は「請求権問題は解決済み」として応じていない。

 李大統領は、日本政府の立場の根拠になっている1965年の日韓請求権協定の締結時には「慰安婦問題は明らかになっていなかった」としつつ、元慰安婦らの人道支援を最優先にすべきだとの認識を初めて示した。「(日本政府は)法的な問題に発展しないかと考えているようだが、それは自らを縛ることだ。勇気ある決断をすべきだ」とも述べた。(ソウル=箱田哲也)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介