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社会

旅する神大生“芸人”ゴール 自転車で日本一周 

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全国各地から届いた応援メッセージを手にゴールを喜ぶ高橋惇さん=神戸市灘区永手町1

全国各地から届いた応援メッセージを手にゴールを喜ぶ高橋惇さん=神戸市灘区永手町1

 プロのお笑い芸人になるため、自転車で全国を巡り、笑いの腕を磨いてきた神戸大4年、高橋惇(じゅん)さん(22)が21日夜、約1年間の旅を終え、神戸に戻った。47都道府県を制覇し、走った距離は計8840キロ。この間、東日本大震災の被災地に届ける笑顔の写真とメッセージを集めながら、被災地でボランティア活動にも力を注いだ。23日には大学を卒業し、本格的にプロへの一歩を踏み出す。(岡西篤志)

 幼少時からお笑いが好きだった高橋さんは大学卒業後、芸人の養成学校へ進もうと考えていた。だが「今のままではプロにはなれない」と、「旅する芸人」として“お笑い行脚”に出ることを決意。旅の準備をしていた昨年3月、東日本大震災が起きた。腕を磨きながら、被災地に笑顔を贈るため、写真とメッセージを集めることにした。

 昨年4月、住んでいた家を引き払い、神戸を出発。自転車、野宿、長旅と、慣れないことの連続に最初は楽しむ余裕もなかったが、走り続け、ネタを披露し続けるうち、食料や宿を提供してくれる人が増えていった。

 8月には被災地入り。悲惨な状況に圧倒されながら、がれき処理や避難所でネタを披露するなど2カ月以上、汗を流した。年末には卒業論文の作成のため神戸に戻り、2月に再出発。九州、四国を走り、3月21日夜、仲間に迎えられ、ゴールした。

 旅で出会った人は1万人を超え、撮影したメッセージ入りの写真は約400人分に上る。近く本にまとめ、世話になった人や被災地に届けるつもりだ。高橋さんは「1年間でお笑いの難しさを痛感したが、自信もついた。背中を押してくれた多くの人のためにも必ずプロの芸人になる」と意気込んでいる。

(2012/03/22 07:30)

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