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ペー族火把節を見て温泉に遊ぶ

 昆明市中心部からわずか20km北西の山間盆地に、ペー族村、沙朗郷がある。私は、5年前に初訪問してから4回目、2007年の農暦6月24日に当たる8月6日に、又、峠を越えて行ってみた。

 関心を持った理由は、大理ペー族自治州が本拠のペー族が、東に500kmも離れた昆明市郊外にいる不思議さで、最初はそこに惹かれた。歴史上、元代のフビライ・ハンによる雲南征伐の際、その同盟軍として、漢民族宋朝出先の昆明城を攻める先兵になったのが彼ら沙朗ペー族で、屯田村として13世紀に定置開村した、と言い伝えられている。
 盆地の南西山腰の村には、本主廟、土主廟の下に、200戸余りの農家と広い田園地帯が広がっている。豊かな農家は、最近、新改装したもので、ペー族古風の白壁式3~4階建て四合院が並び、民族意識の強さを思わせる。
 又、村の中心部近くの盆地の南部に、2つ同時に湧出する清水と温泉を活用した温泉農家楽休養村(農村風保養施設)が展開され、昆明市民の自然休養地として、徐々に有名になっている。但し、未だ観光地としては大PRをしていないためか、日本人観光客、留学生はおろか、昆明人にもあまり知られていないようで、逆に、市・村政府は、観光立村に注力するか、迷っている様子を感じる。元来、新昆明の計画でも、開発の基本は東西線と南北線が基軸で、北西にそれた山間地は置き去られる(落後の)可能性もある。

 そんな小さな村の祭りを見ることができた。
 村で一、二番のホテルが会場になると聞き、宿をそこに取り、夜8時半の開演を待った。村の中心部まで歩いてみると、途中、薄暮れの街道沿いに100近くの小露店が出て、火把(たいまつ、松木の細い束)が1束3~5元で売られていた。初めて見たのは、松脂粉(小袋1元)で、火力を強める用途とのこと。この時間でも若い男性グループと家族連れが多く、主人公の若いペー族女性が少なかったのは残念だった。
 開演前にホテルの門口(入り口)に臨時検票所ができ、村民からも10元の入場料を取り、厳しく入場チェックをしていた。さらに政府や警察のエライさん10人近くが最前列に座っており、開演の挨拶、紹介に、15分以上の時間をかけているのにはウンザリした。本来、ペー族村民の祭りに何故?
 ペー族歌舞の表演では、最初の1回と最後だけは昆明から派遣のプロが5人出場し、あとの全ては地元中年女性によるもので、10時半終演後、地元民交代によるノド自慢が11時半まで続いた。
 真っ暗な門の外では、小グループの火把が街道上の各所で見られ、随時、松脂粉を投げ込んだ炎が噴き上がっている。投げ込む対象をよく見ると、女性、それも若い子が狙われていて、嬌声を楽しんでいる若者が多く、私も若者に戻った。同行の12歳と21歳の女性も主要対象となり、ガードするのに緊張したが、ついに眉毛に達する火で泣き出す始末。ケンカも2ヶ所で見かけた。
 街道上の3ヶ所で、円陣の村民のペー族踊りも夜中12時頃まで見かけたが、残念なことに、若い男女の対歌(掛け合い恋歌)も、その後のカップル成功も、見られなかった。
 真夜中に戻って入ったホテルの風呂は、加熱温泉水43℃で快適。

 翌朝一番、隣のホテルで9時から入った室内温泉プールは、39℃。清潔で2時間も浸かっていた。久しぶりに長辺25mをクロールで泳いでみたが、息苦しさは、標高2,000mの空気の薄さによるものか?屋外プールは清掃中で入れなかったが、冬でも泳げるとのこと。元来、龍池と呼ばれる温泉水が、プールに張った底石の間からアブクと共に湧き出ている風情は秀逸。効能は、アルカリ泉で皮膚がキレイになるので、若い女性客も多い。
 このホテル名は『西翥温泉田庄』。ここは先の国営官庁系ホテルより広い面積で、隠れたリゾート地としておすすめ。1泊朝食付、プール代も込みで50元(夏は100元)はお得。
 食事は外の向かいに並ぶペー族料理屋で3食とも取った。ロバ肉の鍋物と煮物はクセがあるが、食通は喜ぶだろう。

 沙朗村への交通は、面包車(ミニバス)で1人10~20元。行きは渋滞で2時間掛かった(一部道路工事が2年前からまだ続いていて、道路公安官の整理の不手際。)が、帰りはスイスイ20分で昆明市内に帰着した。

 沙朗は、少数民族の今昔を見られる、好きな山の向こうの村である。

(追補)
1.大理ペー族との火把節の違い
 大理では松脂粉は使わず、上に掲げて振り回しながら、村中を歩き回る。特に各家の門口に巡訪した後、村の廟広場に集まって、歌舞をする。
                 -大理ペー族自治州北部辛屯鎮出身者の話-

2.中国の温泉で貴重な温泉とは?
 道教の影響と思われるが、温泉と清水が近く並んで湧出する地。「陽・陰」、「男性・女性」、「熱・冷」が一対になって、吉祥を表す。
 当地では、龍池(今は温泉プール)の西隣に鳳凰池(清水)が残されていた。

(文=樋口 兼昭、写真=雲南科技国際旅行社)

⇒昆明市の概要




 

     
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