基礎的財政収支:20年度の黒字化困難 内閣府が試算提出

2012年1月24日 12時27分 更新:1月24日 14時6分

基礎的財政収支赤字の政府試算
基礎的財政収支赤字の政府試算

 内閣府は24日の閣議に「経済財政の中長期試算」を提出した。消費税率を15年10月に10%に引き上げても、財政健全化の指標である「基礎的財政収支」(国と地方の合計)の赤字幅は、15年度に16.8兆円と、名目国内総生産(GDP)の3.3%、20年度で16.6兆円(同3%)となる。政府は「15年度の赤字を10年度(同6.4%)から半減し、20年度に黒字化する」と約束しているが、守れなくなりそうだ。

 基礎的財政収支は、社会保障などの行政サービスを、新たな国債発行に頼らず賄えるかを示す指標。試算は、20年度までの実質成長率が1%強にとどまるとの前提(慎重シナリオ)。昨年8月に試算した時は、15年度の赤字幅を3%に抑えられた。当時は、15年4月に消費税率を10%に引き上げると想定したが、民主党内の増税反対論への配慮から増税を10月に先送りし、半年分の増収がなくなった。

 一方、20年度に黒字化するには、消費税率をさらに7%引き上げる規模の財源が必要だ。実質2%成長を想定した「成長戦略シナリオ」でも、20年度時点で8.9兆円の赤字が残る見通しだ。【赤間清広】

top
文字サイズ変更
このエントリーをはてなブックマークに追加
Check
この記事を印刷

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

中小企業の皆さま必見! KDDIスマートバリューfor Business

4月1日サービス開始 最大2年間月額1480円割引!

コスト削減でビジネス拡大を支援

東海大学:東日本大震災から1年。地震はいつ来るのか。

難しいといわれる地震予知に挑む、

地震予知研究センター長、長尾教授に聞く。

知ってほしい 岩手・宮城のガレキのいま ~1日も早い復興を目指して~ 写真展

岩手県・宮城県に残る災害廃棄物の現状とそこで暮らす人々のいまを伝える写真展を開催中。