
少し前のことになりますが…
2月27日のレスキューストックヤード・きずな館。
テーブルの上には、鉛筆書きの家の間取り図。
「ここに米蔵があってね。馬も飼っていたの」
間取り図を指差しゆっくり話し始めたのは、
震災による津波で家を無くした方。きずな工房の利用者Cさんです。

聞き手は、
NPO法人伝統木構造の会の
北茂紀さんと、
被災地NGO協働センターの
法化図(ほけず)知子さんのお二人。
「ここに玄関があって、ここが廊下…」
「けっこうお客さんが来るうちだったの?」
北さんはやさしく語りかけながらメモを取っていきます。

お二人が取り組んでいるのは『
家の似顔絵』。
震災で家を失った方から家にまつわる思い出話を聞き、
修正を加えながら、その間取りを図面に起こします。
また、家の一室もイラストにして一緒にご本人に差し上げています。
この日が『家の似顔絵』の初めての活動になりました。
長い間住み続けてきた家の記憶。
今ならまだはっきりしている、かつての自分の居場所。
思い出がいっぱいの家の記憶を残したい。
図面に残しておけば、新しい家を建てるときの手がかりにもなる。
「やっと実現するということで東京からやってきました」と法化図さん。
昨年10月頃から、建築士である北さんが提案していましたが、
なかなか実現できずにいたそうです。