金
23
3月
2012
以下、最初にご注意ですが、以下の文章は、現在書店に流通しておりますミュージックマガジン誌(以下「MM」)の「菊地成孔特集」を読んでからお読みください。まあ、最近は内実知らずに伝聞の上っ面だけで真剣にキレてしまうという病が蔓延っている世の中ですから、ソースにあたり、総てインプットする等という面倒はなかなか難しいとは思うのですが、公正を期するためにも。とかいう以前に、シンプルに言ってMM実際に読んでからの方が、以下の文章は遥かに面白いです。要するに、広告してあげている訳ですね(自分の特集して頂いたので&もう出ないので・笑)我ながら凄い律儀!!(笑)
という訳で、ここ何年も読んでいないので現状がどうなのかは知りませんが、少なくともワタシの記憶では、90年代までは大変に権威のある素晴らしい雑誌だった訳ですし、後述しますが、高橋修さんが指揮を執られたK-POP特集は、K-POファンの一人として、掛け値無しに素晴らしいと思います。そうした、音楽専門誌面(以下「音専誌」)としてのMMの過去の伝統と威光に敬意を表した上で徹底的にやりたいと思います。「数分間流出版」とは、大意は同じなれど、別バージョンですのでお楽しみください(いくつかの、事実関係の確認/修正があったので)。
まず第一にこれを申し上げなくては行けません、皆様御存知、「グリー」のブリトニーのヌード映像が流出してしまった訳ですが、彼女はこうコメントしました「誰が出したかも解ってるけど、あの写真は美しいからぜんぜん問題にしてないわ」と。
「え、え、じゃああと50枚ぐらい出てしまうのでは。。。ど、ど、ど動画とか。。」と、いけない垂涎が止まらなく成りそうなグリークスの一人として、ワタシのコメントはブリトニーとまったく同じである。即ち、誰が書いたかは知ってるけど、ワタシの作品(CD、ライブ、著作、ラジオ番組、ブログなど総て)は美しいからぜんぜん問題にしてないわ。なのですが、とはいえあるのは自信だけではなく愛着もでして、可愛い我が子に(というか、なんか基本的にあの特集は、ワタシ一個人しか相手にしていない様な所がありますが、どのバンドも、メンバーもワタシもスタッフも高見Pも、プライドを持ってやっている大切なチームなのです)、気持ち悪い(後述しますが、ちょっと可愛くもあるのですが・笑)男女にウンコなすりつけられるような事があれば立ち上がりますし、それ以前に、気持ち悪い男女が辺り構わずウンコをなすり付けて、それに特定の意義でもあるならともかく(スカトロに崇高な意味を見いだしているスカとロ雑誌であるとか)、善くも悪くも、特に何の意義も持たないまま、つまり、「純粋ウンコなすりつけ」を永々とMMがウォークしている状態はどうにも不健康だと思います。
これはあくまで推測に成りますが、これまでMMは、細かい抗議はちょいちょい受けて来たと思います、しかし、慣れっこ、特にダレた人間のそれは恐ろしいもので、こう何か、小さい記事に、事務的に小さく抗議をしてもMMはポリポリほっぺた掻いて終わり。という感じだったと思われます。
しかし、発売中の、しかも自らがやると買って出た特集の、特集されている、表紙にも出ている音楽家に、発売直後にヤラれる。という事はMM史上初でしょう(あったかも知れないが、大した数ではないと思われます)から、シカト出来ない様にしなくてはと思います。事をただす。等と正義の味方みたいな事は申しませんが、「ウンコやばいですよ」ぐらいのお声がけになればと。
イメージだけでものを言う人々に、ワタシは漠然と毒舌家と思われている節がありますけれども、仔細にご覧頂ければお解りの通り、ワタシは基本的に褒め屋さんであり、実際にチャカ引くのは数年に一度です、しかしその際には、毎回、大変な野次による被害があるだろう事は承知の上でやっております。今回も、異論がある方も多かろうと思いますが、なるべくなら。としますけれども、そういう方はご面倒でもワタシに直接メールでお送りください。逃げも隠れもしませんので。
書く理由はもうひとつあります。これはMMに限らず、さまざまな媒体にて毎度毎度仕方ない事ですが、アーティスト(この場合ワタシですが)の音楽に移入されている方で、怒り狂っている方々がかなりいらっしゃって、怒りというものは適度かつ正当なものであらば健康によろしいですが、あろうことかワタシに移入して、MM(ていうか、ほとんどが松尾さんなのですが・笑)に怒り狂う。というのは、若干不健康だと思われます。しかも、特に今回は、ラジオで初めてワタシを知り、あまつさえ初めて松尾さんのレビューに触れる。という、免疫ゼロの方が多く(笑)、そちらを鎮静するという目的もあります。あんまり興奮されると、ワタシの足下にも火がつきかねませんので(笑)。
ですので、そういう方にまず、ワタシ自身の気持ちを一言で申し上げるならば「マガジンしっかりもうー」という感じに尽きます。
これは勿論「貶されたから」といったシンプルヘッドではありません(何せ右脳と左脳が通常よりも数センチ離れている訳でして形からしてシンプルではない訳です)、貶されるのは、極言すれば現代に於いては我々芸術家の仕事の一部ですし、愛情と技術がある批判は本当に有り難いものです。古来うまい毒舌はカタルシスがあり、特にネットによって素人さんまでがビクビクしているような警戒社会では、大変な浄化をもたらすメディスンであると言えるでしょう(というか、ワタシがMMにボコボコに貶されるのは、なにも今回が初めてではありません)。
しかし現在のMMはスキルも愛情も何も無く、前述した様に、何の意義も効用もない純粋な悪罵も糞ミソ一緒に掲載しますので、当人であるワタシも、読者も皆イライラします(喜んでいる読者も大勢いると思いますが、彼等の興奮をも、イライラを主原料にしている筈です)
これは、ライターの皆さんがどうのというより、MM編集部の不甲斐なさと構造的なハンパさに依拠すると思っています。編集部は集団主義なのか個人主義なのか、おそらく自分たちも判然としないまま出版を続けており、書くほうも腰が引ける傾向が生じている筈です。
何せ、誰もが一読にてご理解出来る様に、第一にMMはミルフイユ形式で、全体統括のアティテュードがなく、各セクションのライターが書いたものの方向性がバラバラのままそのまま出すので、一族郎党を一刀両断にする事が出来ません。
<中程度の大きさの店で、大変な老舗だと楽しみに入ったら、入り口で普通に挨拶があって迎えられ、なんとなあく温い料理を食っていると、帰り際にいきなりとんでもない人が出て来てテーブルの上でウンコをし、「うわー何だ今のは」と言っても「渋谷のジャズバーのマスターらしいよ」以外、誰も答えてくれない。というような、風変わりなお化け屋敷みたいな事に成っており、誰に文句を言えば良いのか、当の店自体も解っていない>と、あくまで音楽家主体で見ると、ですが、大体こういった塩梅なのですね。
MM的には「提灯広告だけではない、批評としての絶妙のバランス」と誇りに思っているのかも知れませんが、もしそうだとしたら、音専誌というメディア全体の末期性と別個に、MM独自の末期性に関わるので、とにかく適正な治療を受ける事を勧めますし、おそらくこの勧めは、ワタシからだけではないと思われます。それでも、世になかなか頑固に医者に行かない人。はいます。
松尾さんの話からさせて頂きます。最後に出て来てウンコするのが松尾史朗さんなので、勢い怒りの対象に成りがちなのですが、松尾さんは、今様に言うとツンデレという奴で(余談ですがワタシこの言葉、08年の慶応の講義――「アフロディズニー」になったやつーーで知りまして、いやはや便利ですなあ)、愛でも苦言でもなく、気が狂った様に物凄く口汚く悪罵なさるので「うわあ、こんなん言われたら2点とか3点だな。故・中村とうよう先生譲りの、伝説の0点が出るかも知れない」と指の間からこわごわ見てみると6点とかそこそこ良い数字なので(笑)、ありゃーと思う訳ですね。
大変恥ずかしながら昔はワタシも(松尾さんも)若造で、どうやら同い年らしき、正体不明のオッサン(松尾さんすんません・笑)相手に、訳が解らずいちいち御丁寧にもキレていたのですが、知れば知るほど「あ、そうかこの人馬鹿の上に権威主義の上にツンデレだ。。。。ひょっとして可愛い。。。。のでわ」と気がつき、以後、噛み付かれるとなんだか照れる様に成り(変態)、何と言いましょうか「なんだよう史朗、またあ、ばかあ(ぽ)」みたいな事に成っておりまして(もし本当に相手を傷つけたい悪魔たれば、松尾さんとは逆に、コメントは慇懃に良さそうな事を書いて、点数を2点とかにすべきですから)、移入で怒っている皆様に於かれましても、まずこの点を共有できると落ち着きよろしいかなと思います。
それでも、ツンデレである事に気がつくのはワタシも随分と時間がかかりましたし、とにかく血気盛んな若い読者(彼等が、MMの将来も我々の将来も担っている訳ですし)が「なんなんすかあいつ。菊地さんに私怨でもあるんすか」といったメールを送って来るのは、こらもう当然ですので(古くからのファンで「菊地さん、また派手にやられてますね松尾茶屋にww」みたいなのは大変結構な訳です)、ごくごく軽くプロファイリングしますが、松尾さんは渋谷の「メアリージェーン」というジャズ喫茶のマスターさんです。
ジャズ評論家というのは極めて大雑把に、ジャズ喫茶のマスターさん兼業とそうでない方。に別れます。ビギナーの方、まずこれを押さえて下さい。
そして、ワタシが知る限り、ですが、前者は基本的には大変な、屈折した権威主義者です。客に威張り散らす。講釈を垂れる。壁面がまるまる偉大なるレコード棚。自らを主とする城に閉じこもる、そして点数を付けて金をもらう。といったファクター群は総て屈折した権威主義の、けっこう明け透けな物質/行動化でありまして、吉祥寺「メグ」の寺島靖国先生など、名前に靖国なんちゃってもう命名された段階で権威主義なので、ワタシと大谷君の「東京大学のアルバート・アイラー」が出たときに、顔を真っ赤かにされ「東大と言えば誰もが頭を垂れるとでも言うのか!!アルバート・アイラーと言えば誰もが恐れひれ伏すとでも思うのだろうか!!」と、乙女の様に純真な権威主義で激怒されましたし(笑)、四谷「い~ぐる」の後藤先生は、数年前ワタシとネット上で揉め、ワタシにかなわないと見るや、ワタシではなく、ワタシのマネージャーに「自分に楯突くと全国のジャズ喫茶のマスターにハブられるから気をつけるんだな」という、ヤクザ紛いの(やべえ「ジャズ喫茶ヤクザ」出た・笑)恫喝を送って来ました。お陰さまでワタシは現在、後藤先生が束ねられる、全国のジャズ喫茶のマスターの皆様から出入り禁止となり、地方でライブが出来ません(舌ペロ)。後藤先生、土下座して謝りますのでどうかお許し下さい。地方の方々がワタシのライブを待っています。
松尾さんの今回のレビューを一読頂ければお解りの通り、「インパルス!」の権威に、もっとも恐れひれ伏しているのは他ならぬ松尾さんご本人で、はっきり言って今回のお得意の罵倒は、「権威主義」だの「妄想で淀み、濁っている」だとか「膨大な引用が総て薄っぺらい」とか、誰もが「それぜんぶオマエだろー!(笑)」とツッコむ以外ない(ワタシがインパルス!との契約に関し、どう考えているかは、コチラご覧ください)鏡面トークもしくは、「そんなもん言ったら元も子もないでしょうが」といった事ばかりで、移入するに(自分を罵倒する相手にも移入しないといけないので、やりあいというのは大変です)ちょっと苦しそうであり、お持ちのレコード枚数に比して何も読み取れない音痴の苦しさ、酷評して来たミュージシャンが大好きな権威と繋がった権威主義者としての恐怖も相まって、ツンデレとはいえ大変お気の毒です。お望み通り冷たくせずにわざわざ反撃さしあげたのですから、次のアルバムには2点とか頂きたいです(後述しますが、もうそれも叶わぬのですけれども。嗚呼)。変なバランスなど取らなくて結構ですから。
また、インタビューにノー調査で来てしまった松山晋也さんも、誌面上ではーー何せSIMI LABやTBSラジオの名誉に関わる事ですからーー抗議こそしましたが、鎌倉にお住まいでラジオはお持ちに成らず、日本のアンダーグラウンドには最初から興味の無い方ですから、これはもういつもの松山さんがSIMI LABも何も知らずにワタシに目隠しプレイをし、それによってワタシの全体像を浮かび上がらせようという、新譜置いてけぼりのルーズな無茶をしただけで(明らかに無茶だと思いますが、これは編集者が何とかすべきだったと思いますが、この事は後述します)、松山さんご本人は何の失策も犯してはいないと思っています(岸野さん、村井さん、岡村さん、大和田さん等に関しては言うまでもなく、感謝以外何もありません)。
ですので、イカンのは兎にも角にも編集部と、ペペの紹介記事を書いた変なオバさんで、これにはさしものワタシも、余りに怒りに完全に脱力しています(ネットの文字遊びは慣れていないのですがorzでしたか。そういう感じです。ペペのファンの皆様には、是非読んで頂きたい記事です)、しかもこの方なーんとですね、過去ワタシの事務所に来た事があるんですが(笑・マガジンの取材で!)、忖度するに、あれは(松尾さんの如く)はっきりと貶しているのではなく、書き手の主観上は、むしろ褒めているぐらいの事だと思うのですが、あれだけ好きな事をお書きに成っているのだからして、追っかけワタシも好きな事を書かせて頂きますが、メンタリティからスキルからオーラから何から気—持ち悪いし図々しいし薄—汚いし、中南米音楽をちょこっと齧っただけの、しかもよくいる、出来ないのに自信満々の人で、ああした同人誌クオリティの原稿を(同人誌が悪いと言っているのではありません。特集記事の、バンドの紹介文に「まあ、嫌いじゃないんですけどね。あたし」といった、気色の悪いスーパー上からのメンタリティが同人誌的だと思う訳です)、堂々と金を貰って書いて、マガジンでそこそこの地位にいる。というとんでもない物件です。
こういう輩のズルズル起用(よくあの原稿通したな。と思います。しかもワタシ、皆様が今お読みに成っているコレ、関係者全員に送信した所、MMの斉木さんからメールが来まして、他の部分はともかくも、この女性ライターに関する部分だけ
「記事内容と関係ない批判になってしまっています。雑誌として公表した文章や内容への批判や論評は、編集者としてはそれを差し止めるべきものではないと思いますが、「変なオバさん」のところは、その域を超えてしまっているように思います。できれば削除(あるいは修正)をお願いします」
とあったので、
斉木さんへ
この部分ですが、因にこれはユニバーサルからも同様の指摘を受けています。ユニバーサルからのものは、事の真偽よりも、ワタシの品位が落ちる事を懸念しているという側面が強いと思われます。
が、
一切まったく受け入れられません。ので、このままアップします。(菊地注*ちょっと削りました・笑)
根拠を申し上げます。
「ここは記事と関係ある」とか「それを越えている」とか、一方的に規定しておられますが、では一体、書かれる側の「これは紹介記事になっている」「これはなっていない」といった枠組み、並びに「この書かれ方は気持ち悪い」「これはそうではない」といった線引きは一切許されないのでしょうか?
というか、斉木さん、この段階で一度マジで伺いますが、あれ、許すの?本当に?本気で?
マガジンに特集されるのは構いません。全部のバンドを網羅するのも、特集なのだからそうなるのも当然かと思われます。
ひょっとしたらご存じないかも知れないので、改めてご教示さし上げますが、ペペトルメンとアスカラールはワタシもメンバーもスタッフも高見君もみんなプライド持ってやってる、大切なオルケスタなんです。遊びでチャラくやっている訳ではありません。
というか斉木さん。どの口で「その域を超えてしまっているように思います。」なんて仰るのですか(笑)。マガジンが設定する「その粋」って、どの粋なんですか?「記事内容と関係ない批判」って、あなた正気で言ってるんですか?「音楽内容と関係ない批判になってしまっています」「紹介記事の枠内を越えてしまっています」と言われたら、あなた返す言葉あるんですか?「記事内容と関係ない批判」ってあなた(笑)、あのババアは一体何と「ちゃんと関係して」書いてるんですか?斉木さん、しっかりしてください(笑)。
あの気持ち悪いババアの書いた事は、何の粋を守ってるんですか?その「粋」とやらを教えて下さい。具体的に。あなた編集者として、あの気持ち悪いババアに、どの粋内で原稿を書かせ、どの域内でオーケーしたんですか?教えて下さいよ。メンバー全員の前で教えて下さい。スケジューリングして待ってますよ。
ワタシの判断では、そんな枠組み、とっくにないんですよ。だからこっちも好きに書いてるんです。何の権利で、誰の言論を塞ごうというのですか。いつの時代のコーションですか?っつうか、いつの時代の雑誌の、いつの時代の原稿ですか?(笑)、今が仁義なき世であり、マガジンが仁義なき雑誌なのは(そして、その事がもう止められない事は)斉木さん、あなた御存知でしょう?カマトトは困りますよ(笑)。
あのババアは思った事好きに書いて、こっちも思った事好きに書いて、それだけでしょう。「記事と関係ある」だの「枠を越えている」とか、もう一回申し上げますが、どの口で言いますかね?荒野の学級員みたいな事言わないで下さいよ。科学論文のディベートしてるんじゃないんですよ。単なる音楽と、それのルーズな感想文のやりあいでしょ?一方的にルール設けて相手を黙らせようって訳ですか?言ったら言われるんですよ。あいつに教えてやりゃあ良いじゃないですか。
今後はNG媒体として一切の作品を引き上げさせて頂きますし、もし名誉毀損であのババア個人、もしくはマガジンがオレを訴えるなら、好きに訴えて下さい。名誉毀損の比べっこしますか?法廷で?いつでも構いません。
という訳で、あのババア以外の部分を若干修正してアップします。あとの措置はお好きな様にして下さい。
と書いて送り、うちうちにしたかったであろうこの部分をこうして公開しています(笑)。
——も含め、正直もう編集部ダメだと思います。編集に最も大切であるバランス感覚が完全に失調していると思われますがどうでしょうか?(川勝さん亡き後にこんな事を書いているだけで寂寞たる感覚に襲われますが、おそらく川勝さんも面白がられているだろう。と考える事にします)老舗の看板が重いのはルパン三世の音楽監督としてよく解りますし(笑)、細かい事情も存じ上げませんが、とにかく編集部に於かれましては、ワタシがここに書いた事に反論があらば、24時間いつでも受け付けます。メールアドレスは当サイトのファンメール宛でよろしく。マネージャーを介する必要は全くありません。
ワタシの見えない所で書き込んだりとかなさらず、公開でやりましょう。腹を空かした趣味の悪いのが大いに喜び、ダーティーダズンに慣れていない草食形の人々がゲンナリするでしょう。言うまでもありませんが、念のため強調させて頂くならば、ワタシがここに書いた事は、ユニバーサル・ジャズ並びにインパルス!レーベルの意向とは一文字たりとも全く無関係です。いつものようにワタクシ常に徒手空拳、ビュロー菊地の文責のみで、自分の身に賭けて書いておりますので御見知りおきを。もう一度申し上げます。反論はこのワタシ宛にどうぞ。あ、法廷でも構いません。この場合、名誉毀損の立証の攻防になるでしょう。とても良いですね(笑)。
とはいえMMの名誉の為に厳密を期するならば、ダメなのは<少なくとも「菊地成孔を扱う」という意味では>とさせて頂きます。レディオヘッドを扱う分には世界最高峰なのかも知れませんし、次号は小沢健二さんの特集。大変充実した内容に成るのではないでしょうか。
ワタシ何度も他の雑誌で特集組まれてますが、愚痴一つ言った事はありません。もしワタシを特集し、ワタシにディスられた、というか、気分の一つも悪くした。という編集者の方がいらっしゃったら、挙手願います。何がワタシをこれほど狂犬にさせたか、MMには5分間で良いからお考え頂きたいです。
得手不得手は誰にでもあります。最近ワタシを知ったビギナー編集者ならさておき、今更ワタシを「様々な要素がごっちゃに成ったトリックスター。彼は我々を惑わせ続ける」だの「饒舌」だの扱いするのもなんつうか10年ぐらい古いというか、まあ、ずっとワタシになど興味が無かったのだと思いますし、何らかの急用(トイレとか)でもあってそれどころでなかったのかと思いますが、今は一般リスナーの方が遥かに解っており、褒められるにせよ貶されるにせよ、市井のブロガーさんの方が鋭いなと思う物件に当たる確率が遥かに高い世の中です。
いかに帝王たらんと、民にも道化にも<黙れ>という令は、これこの通り伝わらないのです(この点は、大変僭越ながら、中山先生にも申し上げねかればなりません。「黙れ」は例えばフランス語ならば「セ・デ・ブ」と言いますが、命がけでならば発言しても良い言葉の一つです。忌々しい奴に黙れと言って黙ってもらえる、というのはユートピアです)。
長い間MMは、MMが取り上げてくれるのだから、それは凄い事なのだから、ウンコなすりつけられても我慢するのだといった漠然とした我慢の集積に依ってここまで来ました。しかし現在、少なくともワタシにとっては。と慎ましく申し上げますが、MMで褒められたら売れるとか、MMで褒められたらリスナーの世論が傾くとか、あるいはその逆、といった実効力はMMに全くありません。ワタシの視点からは、MMはこうして、なんの実効力もないまま、温く特集したり、ウンコなすり付けたりして、楽しく毎日暮らしている訳です。
死ねといった若々しい感情もありませんし、シカトといった無効な賢者ぶりも行使しません。プロフェッショナルなライター、力のある音専誌というものの存在意義を、マジで考え直した方が良い時代だと思います。ワタシも頑張りますので、あなた方も頑張って下さい。老婆心ながら、まずはとにかく、面白い文章を書く練習から始められるのが良いと思います。
(後注)
この文章は、特に根拠もなく、特集の担当者を編集長の高橋修さんによるものだと思い込んでいました。高橋さんもワタシの音楽の事が解りゃしないのに無茶して扱い、それはまあ良いとして、苦し紛れに嘲笑するからです。勿論、ワタシの音楽が分からない=馬鹿=ワタシの音楽は難解で交渉=偉い。とかでは全くありませんよ(よくそう思われ、つまり相手のコンプレックスに着火して、嫌われるのですが・笑・そうした誤解は経年に依ってほとんど晴れます)。無茶してはいけないという話です。繰り返しますが、高橋さんのK-POP愛と理解は本当に素晴らしいと思います。
なのですが、前述の斉木さんからのメール中「ペペの紹介記事の部分は、斉木が担当していましたので、この部分についてのみ、担当者としてのメールとご理解ください。長沼さんにはお伝えしていたのですが、インタビューが栗原担当、ディスクガイドと、大和田さんのところが、斉木担当です」とう説明があり、何と言うか、だから何なのだろうか?責任は誰にあるのだろうか?という感じで、最初に書いた通り、編集が100人居る訳ではないでしょう。個人主義の雑誌?それって同人誌なんじゃないの?と思うばかりなのですが、とにかくMMの「絶賛/適当/侮辱」といった三本柱のバランスは、誰に対してどう有効なのか、さっぱり解りません。音専誌の熱心な読者、とかではないので、勘所が解らないのかもしれません。何方かに御教示頂きたいです。
いずれにせよワタシは、せっかくですのでこれを期にMMをNG媒体とさせて頂きます(ですので、以後、ワタシの音源がMMに乗った場合は、「向こうが勝手にやっている」とご判断ください。まずは6月にルパン三世のサントラが出ますが、サンプルは送りません)、後にも先にも、ワタシがここまで強硬に成るのはここだけです。今回、「SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN」のプロモの為に、数多くの媒体の方にお世話になりましたが、スパイを放って頂いても構いません、ワタシは他誌、他紙に対して愚痴ひとつこぼしておらず、大喜びです。こんな場を借りてお礼というのは酷すぎるので(笑)それは稿を改めて。とさせて頂きます。
サンプル盤は、松尾さんのレビュー用のためだけと指定して送るようにしたいのですが(アレだけはやって頂きたいので)、どうやらそうした複雑な話は通りそうもありませんし、ワタシの作品を、MMが交渉してでも載せたいと思う筈もないでしょうから(いくらワタシが自作に関する自信家とて、それぐらいは解ります)、以後ワタシの作品は、音楽と言わず書籍と言わず、一切MMの誌面に乗らなく成ります。特に斉木さんには、大変お世話になりました。
というか、これを読んで「え?NG媒体って何?書かれたくなかったら、拒否出来る訳?」とびっくりしているような音楽家の方もいらっしゃると思います(音楽家はそういうところが無知ですし)。そういう方々に一言。出来るんですよ(笑)。