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西海事件 被害届受けず旅行

千葉県に住んでいた女性にストーカー行為をしていた男が去年、西海市で女性の母親と祖母を殺害した事件で、女性の父親が千葉県の習志野警察署に被害届を出そうとした際、警察署は「1週間待ってほしい」と伝えていましたが、その2日後に担当者を含む10人あまりが2泊3日の北海道旅行に行っていたことがわかりました。
この事件は、去年12月、三重県桑名市の筒井郷太容疑者(27)が千葉県で以前交際していた女性の母親と祖母の2人を、西海市の実家で殺害したとして逮捕されたものです。
女性の父親は事件の10日前、女性が住んでいた千葉県の習志野警察署を訪れ、被害届を出そうとしましたが警察署は「1週間待ってほしい」と伝えてすぐには受理しませんでした。
理由について、千葉県警察本部は「ほかの事件の捜査を優先したため」と説明していますが、この2日後の木曜日から土曜日にかけて、生活安全課と刑事課で事件を担当していた署員を含む10人あまりが署内のレクリエーションで2泊3日の北海道旅行に行っていたことが警察への取材でわかりました。旅行中には、筒井容疑者が女性のマンションの周りをうろついているという連絡が父親から警察署に入りましたが、習志野警察署はこの時点でも被害届を受理せず捜査を始めることはありませんでした。事件の対応を検証した千葉県警察本部は「もっと早く対応すべきだった」としていますが旅行のことは検証の内容には含まれていませんでした。
千葉県警察本部は「旅行は被害届の提出を待ってほしいと伝えた直接の理由ではなかった。しかし、結果的に、切迫感がなかったと言わざるをえない」と話しています。これについて遺族の男性は「警察が検証結果の説明に来たときは旅行の話には全く触れていなかった。ほかの事件で手が空いていなかったという説明だったのに、慰安旅行に行っていたとはあきれて物が言えない。検証結果自体が信じられず、改めて警察は信用ならないと思った」と話しています。
この問題で、警察庁の片桐長官は「危機意識が欠如していたことの現れと言われてもやむを得ない」と述べ、事実関係を詳しく調査する考えを示しました。
片桐長官は記者会見で、今回の旅行について警察庁には報告がなかったことを明らかにした上で、「千葉県警は『被害届の提出を待ってもらったのはこれが理由ではない』と説明しているようだが危機意識が欠如していたことの現れだと言われてもやむを得ない」と述べました。
その上で▼千葉県警察本部がどこまで事実を把握していたのかや▼なぜ事件の検証の議題に上がっていなかったのかなど、詳しい事実関係を調査する考えを示しました。

03月22日 12時04分

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