切り餅をきれいに焼くための「切り込み」をめぐる特許を侵害されたとして、業界2位の「越後製菓」(新潟県長岡市)が、「サトウの切り餅」で知られる同1位の「佐藤食品工業」(新潟市)を訴えた裁判の控訴審判決が22日、知財高裁であった。飯村敏明裁判長は特許権の侵害を認め、約8億円の賠償や製造・販売の差し止めを佐藤食品に命じた。
切り込みは、餅が膨張して噴き出すのを防ぐ効果がある。越後製菓は2002年、側面だけに切り込みを入れた餅の特許を出願。佐藤食品は上下面にも切り込みを加えて03年に出願し、それぞれ販売していた。
判決は「上下面の切り込みも越後製菓の特許に含まれる」としたうえで、佐藤食品の売上高や利益率と、切り込みの貢献割合を考慮して損害額を計算した。在庫品と製造装置の廃棄も命じた。