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(13時間41分前に更新) |
【石垣・南城】北朝鮮のミサイルに対処する名目で、沖縄本島と石垣島に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が持ち込まれる。降って湧いたようなきな臭い動きに、地元では21日、戸惑いが広がった。識者からは「本当にミサイルなのか」と根本的な疑問も出され、自衛隊先島配備に向けた国の「自作自演」の可能性も残る。
PAC3の石垣市内への配備について中山義隆市長は「国からは正式な話は来ていない」と述べ、「北朝鮮のミサイル精度が一番心配だ。島の上を通る可能性があるなら、国はあらゆる外交的手段を使って、発射を中止するよう対応してもらいたい」と要望した。
PAC3は民間フェリーで運ばれる。八重山地区労の波照間忠議長は「万が一、港で爆発したら港湾の機能も動かなくなる。そもそも石垣まで来なくても対応できるのではないか」と疑問視。「与那国など先島への自衛隊配備を見越し、武器に対して市民の目を慣らす目的も感じる」と指摘した。
「寝耳に水」。空自知念分屯基地がある南城市の古謝景春市長も驚いた。「北朝鮮は動きの読めない国だ。しかし、公道を使った装備搬入や基地機能強化で市民の生命が危険にさらされないよう、判断には慎重を期してほしい」と求めた。
沖縄平和運動センターは2006年、米軍のPAC3配備に座り込みで抵抗した。山城博治事務局長は「報復されるのは沖縄。おもちゃの鉄砲を持った子どものような、稚拙な政治の犠牲になるのはごめんだ」と憤った。今月末に検討されている田中直紀防衛相の来県に合わせ、本島と石垣で抗議集会を計画する。