ハエも振られるとやけ酒?――交尾ができない状況に置かれたショウジョウバエのオスは、そうでないオスに比べて、アルコール入りの食物を多く取ることを米国のチームが明らかにした。欲求不満によるストレスが行動に関係しているという。米科学誌サイエンスに発表した。
実験では、メスに振られたオスは満足感が高いときに脳内で増える神経伝達物質の量が少なく、アルコールの摂取量が多かった。交尾できるオスは、神経伝達物質が多く、アルコール摂取は少なかった。交尾ができず、この物質が不足した状態がつづくと、脳に満足感を与えるアルコールに依存するようになるらしい。
哺乳類にも同様の物質があり、研究成果はアルコール依存症の仕組みの解明につながる可能性があるという。(竹石涼子)