古里原発停電:発電機稼働不能の状態で核燃料を移動か

安全な状態で行うべき作業を、事故を隠蔽するために強行

福島第一原発と同じ「炉心溶融」が起こっていた可能性も

■韓水原、IAEAの安全点検を受けることに

 停電の原因となった非常用発電機は、空気を供給するバルブが故障していたことが分かった。原子力安全委員会は問題のバルブを他社製品に交換し、事故に備えて予備のバルブまで設置しようとした。さらに移動用のディーゼル発電機を4月までに追加で設置し、来年3月までには非常用発電機全てを新しいものに交換する計画だ。パク・ユンウォン院長は「古里1号機の使用期間を延長する試験を行ったとき、非常用ディーゼル発電機は正常に稼働したため引き続き使用したが、(今回の事故を考えると)老朽化した非常用ディーゼル発電機を修理するよりも、新品に交換した方がよいだろう」「今年いっぱいで寿命となる月城1号機の非常用発電機も、同じ理由で交換されるのではないか」と述べた。

 原子力安全委員会は今後、事故が発生したときに発電所の作業員が隠蔽できないようにするため、韓国水力原子力(韓水原)や安全を管理する機関に、24時間の遠隔監視が可能なシステムを設置することにした。また、原発の点検項目も現在の57項目から100項目に増やし、原発に常駐する作業員の数も現在の20人から100人に増やす計画だ。原子力安全委員会安全政策局のユ・グクヒ局長は「韓水原本社と発電所は、IAEAの安全文化評価レビューチームによる検査を受けることにした」と発表した。

 一部で取り沙汰されている老朽化した原発の廃棄問題について、原子力安全委員会の姜昌淳(カン・チャンスン)委員長は「古里1号機を閉鎖する考えはまったくない。安全性を徹底して検証し、何の問題もないことが確認されれば、再稼働に踏み切る」と述べた。

 これに対し、原子力安全委員会のある非常任委員は「たとえ監視の仕組みを強化しても、人間が規則を守らなければ、同じような問題はまた発生するかもしれない。原発に問題があれば閉鎖もいとわないという考えを持たなければ、しっかりとした監視はできないはずだ」と批判した。

李永完(イ・ヨンワン)記者
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