『まるで浮草のように』

離婚歴があり、子どもも育てている同級生くん。
アーティストと家庭の維持を両方こなすことは、並大抵の努力ではないはずです。

だからこそ、時には息抜きも必要なんだろうな。。
こんな、一夜限りのお遊びでもしないと やってらんないんだろうな。。

でもワタシがかたくなにその先を拒んだので、きっとシラケちゃっただろうな。。


なんてふうに思いながら、次の日、ひとりで買い物していると、その同級生くんから電話。


前夜が楽しかったというお礼と、時間があれば自分のギャラリーを案内したい…という申し出でした。


一瞬躊躇したものの、彼のアーティストと言う正面の顔をちゃんと知っておきたいと思い、彼の迎えの車を待ちました。

車を路肩に停めるだけでなく、すぐに降りてきて笑顔でさり気なくワタシの荷物を受け取り。。
助手席のドアを開けて乗り込むまでのエスコート。


手慣れているのかもしれませんが、なんてスマート！

…て言うか。
これまでこんな男性と付き合った事がないもので(笑)
始終どぎまぎしっぱなしでした。


でも彼のギャラリーで目にしたのは、生半可な作品ではなくて…。
圧倒されて声が出ないほど。

口下手なので、ただ「凄いね」としか言えなかったのが悔しい。。


ワタシが特に気に入った作品を、思わぬプレゼントしてもらって、ここ最近で一番テンションがあがってしまいました。


ほんの１時間ほどだったけど、もう一度会って良かった。
次のワタシの用事の場所まで送ってもらって、いつになるかわからない再会を約束して別れました。


あー ダメだ。
こんなのは反則だ。
このパターンは一番危ない。

この距離感が、逆に気持ちを悶々とさせて火がついてしまうのが、いつものワタシのパターンだから。

ダメだダメだ…と、必死で湧き上がりそうになる感情を抑えています。


小崎さんとの距離をとったと思ったらこんな事になるなんて。

益々、自分の行き先が分からなくて混乱しています。