原発事故 健康影響に長期間注意を3月19日 22時49分
26年前に事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所の関係者が、19日、国会の原発事故調査委員会に出席し、原発事故のあとに生まれた子どもの中には、健康に異常が見られるケースも出ているとして、国は、放射性物質の健康への影響に、長期にわたって注意を払う必要があると訴えました。
国会の原発事故調査委員会には、ウクライナ非常事態省のホローシャ・チェルノブイリ立入禁止区域管理庁長官ら3人が参考人として招かれました。
この中でホローシャ氏らは「チェルノブイリ原発事故の発生当時、子どもだった人が親になり、生まれた子どもの中には、健康に異常が見られるケースもある。国は、真剣に向き合う必要がある」と述べ、国は、放射性物質の健康への影響に、長期にわたって注意を払う必要があると訴えました。
また、ホローシャ氏らは「ウクライナでは、子どもたちや住民を社会心理学的な面からサポートするセンターを設置している。また、放射能汚染からどう身を守るかなどについて、子どもたちへの教育に力を入れている」と述べました。
原発事故調査委員会の黒川委員長は、記者会見で「チェルノブイリの事故では、子どもの被ばくが多く見つかり、甲状腺の病気が多く出た。甲状腺以外にも、人間のすべての臓器に影響があるのではないかということも指摘があった。事故が住民の健康や環境に与えた被害が26年たった今も続いていることを改めて認識したので、被ばくの健康管理は、留意していかないといけない」と述べました。
国会の原発事故調査委員会では、来月、ウクライナなどを視察し、チェルノブイリ原発事故の影響などをより詳しく調査することにしています。
[関連リンク] |
|