セントラルコースト−名古屋 前半、先制ゴールを決め、石櫃(23)らと喜ぶ名古屋・闘莉王(右から2人目)=ゴスフォードで(共同)
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【ゴスフォード(豪州)木村尚公】サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は21日、各地で1次リーグ第2戦を行い、G組の名古屋グランパスは敵地でセントラルコースト(オーストラリア)と1−1で引き分けた。両チームとも通算2分けで勝ち点2。グランパスは前半に闘莉王のゴールで先制したが追い付かれ、後半はともに決め手を欠いた。H組で昨季J1王者の柏は日立柏サッカー場で昨季ACL準優勝の全北(韓国)を5−1で下し、通算1勝1敗とした。1次リーグは32チームが8組に分かれ、各組2位までが決勝トーナメントに進む。
ゴール裏に海が広がる風光明媚(めいび)なスタジアムで、グランパスが新境地を開拓した。豪州リーグで首位を走るセントラルコースト相手に、ストイコビッチ監督は新加入のDFダニエルと石櫃(いしびつ)をそろって公式戦初先発に起用。過密日程を考慮したうえで、先発選手を使い分ける「ターンオーバー制」を実質的に導入し、アウェーでの勝ち点1と戦力的な広がりを手に入れた。
敵地のスタンドに何度も悲鳴を上げさせたのが石櫃だ。丸刈りで異彩を放つ風貌から、繰り返し右サイドを突進。同じサイドのMF金崎とのコンビでチャンスをつくった。「海外での公式戦は初めて。サイドをどんどん突破してやろうと思った」と言う。
ダニエルは超人的なフィジカルでアピール。屈強なMFダニルソンでさえセントラルコーストの大男にははじき飛ばされていたが、ダニエルは逆にはじき返す強さを見せつけた。「自分のすべてを出そうと思った」と機を見て攻め上がる器用さも披露した。
右サイドバックとセンターバックには昨季J1で34試合フル出場の田中隼と、33試合の増川という不動のレギュラーがいるが、“有事”の際のバックアップがやや不安だった。「これは一つのテストだ」と試合前に語っていたのはストイコビッチ監督。90分フル出場したダニエルと石櫃に戦力としてめどがついたことは、長い戦いを見据えれば大きな収穫だ。
ベテランFWの玉田は「2人ともいい選手。もっとフィットしてくればチームはさらに強くなる」と感触を語る。新戦力が本格デビューを飾った豪州遠征。「この引き分けは悪くない」(ストイコビッチ監督)という手応えとともに、チームは帰国の途につく。 (木村尚公)
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