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【大リーグ】

岩隈、皮肉な好投 OP戦初0封も中継ぎ適正見せちゃった

2012年3月22日 紙面から

レッズ戦の6回、川崎に声をかけられ笑うマリナーズの岩隈=グッドイヤーで(社英夫撮影)

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 【グッドイヤー(米アリゾナ州)穐村賢】先発か中継ぎか、マリナーズの岩隈久志投手(30)が20日(日本時間21日)、“岐路”に立たされた。岩隈はこの日、当地でのレッズ戦に6回から2番手で登板。3イニングを無失点に抑え、オープン(OP)戦登板4試合目にして初の0封を記録。及第点未満だった過去3戦から復権したかにみえたが、マ軍のウェッジ監督は試合後、「ブルペンとしての役割も見てみたかった」と発言。中3日での好投が、結果として中継ぎとしての適性を示してしまったことになりかねず、先発ローテ入り即“当確”とはいかなくなった。

 はにかんだ笑顔から本来の投球を取り戻した自信がにじみ出た。岩隈は「ストライクが欲しいときとか、打ち取るときに腕を振れたのがよかった。こういった経験をプラスにしたい」。5安打を打たれながらもOP戦初の無失点。自然と白い歯がこぼれた。

 圧巻だったのは3イニング目の8回。ヒット2本で無死一、三塁のピンチを招いたが、まずはカイロを空振り三振に仕留めると、次打者フレージャーは、低めに制球されたフォークボールで注文通りの併殺打に打ち取った。打球を処理した川崎が岩隈に駆け寄ると、岩隈は充実の笑顔を見せ、グラブタッチで返した。

 ドタバタの末の登板だった。スケジュールが急きょ変更され、中3日での登板が言い渡されたのは登板2日前。経験のない中継ぎ待機にブルペンでは肩をつくるタイミングを間違え、投球練習を2度行うはめになった。それでも「行くしかない」と腹をくくり、好投につなげた。

 しかし、皮肉なことに中継ぎとして好投したことが首脳陣の頭を悩ませる要素となってしまった。この日、先発したマイナー契約のミルウッドが好投し、先発ローテ入り候補として急浮上。ウェッジ監督はこの日の岩隈の登板について「賢い投球だった。こういった投球をしてくれるとありがたい」と称賛を送りつつ、「ブルペンとしての役割も見てみたかった」と意味深発言も…。先発陣に残るのか、ブルペンに回るかは、不透明な状況となったが、岩隈にできることは与えられた場所で結果を出し続けることだけだ。

 

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