九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町の岸本英雄町長による交際費接待問題で、昨年4~5月に古川康知事や九電幹部に町産のイチゴや高級牛肉「佐賀牛」などを贈っていたことが分かった。当時は玄海原発2、3号機の再稼働を巡り、知事や九電の動向が注目されていた。
町によると、古川知事には昨年4月20日、イチゴ「さがほのか」(6パック・4725円)を訪問時の手土産として町長交際費から支出したほか、5月26日には「佐賀牛ロース」(1パック・8320円)と「本生ハンバーグ」(4パック・1680円)を郵送代950円と合わせて同様に支出した。
また九電幹部には5月30日、九電訪問時に「佐賀牛ロース肉詰め合わせ」(2万5600円)を土産として購入し贈った。贈った理由はいずれも「玄海町等の特産品のPRのため」としている。
岸本町長は知事への公費での贈り物について「覚えていないが、知事が県産品の輸出に意欲的だったので(町の産品を)知ってもらわなくてはいけないと考えたのだろう」と述べ「原発再稼働の話などしていない」と強調した。古川知事は「いただいたかどうか覚えていない。プレゼントというより宣伝のツールとしてお持ちになっておられると思っている」と話した。九電社長室報道グループは「事実関係を確認している」としている。【原田哲郎、竹花周】
毎日新聞 2012年3月22日 8時41分(最終更新 3月22日 9時58分)