【オーランド(米フロリダ州)レイ・デイビス】石川遼(20)=パナソニック=がアジア進出に意欲を見せた。米男子ゴルフのPGAツアーは19日、遼が今季の特別一時会員になったと発表。これで今季の主催者推薦による出場試合数に制限がなくなった。来季のシード権獲得への大きな一歩だが、遼は合わせて今季後半のアジアツアーへの参戦も示唆。欧米も注目するタイ、中国へ進出し、世界のゴルフ人気向上に一役買う。
大きく夢が広がった。プエルトリコ・オープンの2位で今季の賞金が58万ドルを超え、特別一時会員の資格を獲得。米ツアーのシード権に前進したが、遼はさらにその視界の幅を広げていた。
「アジアにも行ってみたいですね。今はアジアがすごく注目されている。まだ細かく決めてないけど、チャンスがあれば試合に出たい」
アメリカにとどまらない世界構想。進出の理由の1つは高まるアジアのゴルフ熱だ。中国をはじめ、欧米が注目するアジアのゴルフ市場。遼自身も昨年末にタイ選手権に出場し、「タイでのゴルフは日本よりメジャー」と実感した。日本ゴルフツアー機構も今年、ワンアジアツアーと初の共催試合を開催。まだ環境面は整っていないが、世界の潮流に遼も「発展途上だからこそ期待されている」と今後に着目する。
もちろん、当面は目前に迫った米ツアーのシード権獲得が最優先。条件となる今季終了時点での賞金ランク125位まで、目安はあと約10万ドル。遠くない数字だけに、遼も今週のアーノルド・パーマー招待とマスターズの2試合で「できれば安全圏に入りたい」と早期決着をもくろむ。
この日はアーノルド・パーマー招待のプロアマ戦に出場。バンカーからの練習も繰り返し、「調子? めちゃくちゃいい」とうなずいた。先日はマスターズ主催者から「アジアの注目が高まる」と特別招待を受けた20歳。「日本、アジアを背負ってやる。気合は入っている」。自身の活躍が、きっとアジアの急成長を後押しする。
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