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2012年03月21日

バンダジェフスキー氏 このような形で情報を隠し続ければ、数十年後には日本人という国民が本当にわずかになってしまう

 昨日もご紹介したバンダジェフスキー氏の

バンダジェフスキー博士院内講演会


Video streaming by Ustream

書き起こしは、解剖でセシウムが心臓に蓄積する事を証明したユーリ・バンダジェフスキー博士会見3/18(動画・内容書き出し)から
私は研究の中で、放射性物質が体の中に入り込むというのが、非常に人の健康に悪いという事が分かりました。
体内に入ると本当に危険な放射性物質、
その放射性物質というのは、数1000人なのか、それとも数100万人なのか
多くの方々が影響を受けることになると思います。
今後も福島で原発が爆発したという事で、数多くの方がこれによって影響を受けております。

今の状況を是非、皆様には客観的に評価していただきたいと思います。
そして、以前にソ連の政府の首脳が、またそれ以後ソ連が無くなってさまざまな国になりましたが、
そこにいる政権についている人たちの間違いを繰り返していただきたくないと思っています。

チェルノブイリの原発事故の後、政治が取った対策によって、
実を言いますとこの地域では出生率よりも死亡率の方が非常に多く上回っています。
どんどん、どんどん、この地域に住んでいる人々が、
特に若い人々が、重い病気によって死んでいっている状況があります。

週刊東洋経済:
日本での内部被ばくの深刻度についてですが、
「福島の事故について大変心配している」とおっしゃいましたが、
日本に来られてお話しを聞かれたり、調べられたりして、
どのような件に非常に深刻度が見られるかどうか、お考えなのか、
もし、具体的に何かありましたら教えていただきたい。

バンダジェフスキー博士:
残念ながら現在のところ情報が少ないんです。
自分たちで情報を隠しているんです。
もしも、このような形で情報を隠し続ければ、
数10年後には日本人という国民が本当にわずかになってしまう

この悲劇を小さな事故だと思ってはいけません。
安心したいのは分かります。でも厳しいんです。
しかし、世界にとっても、福島から多くの放射性核種を受けるという事で、大変な問題なんですが、
特に大きな問題は日本がその放射性核種を、
今はビジネスのことを考える必要はないと思います。
日本の国民を救うこと。
皆さんは汚染地域の地図がありますがこれをどうやって調べるか分かりますか?
非常に大きな汚染です。高い汚染です。
多分放射性核種は人々の体内にもう、入りこんでいるんではないでしょうか。
でもそれを測っていませんよね、誰も。
なんかみなさん何は何でも知ってて、何でもできると、そんな感じを持っているのではないでしょうか?

私は日本のお医者さん、そして学者の方で、チェルノブイリを研究された方の研究成果も知っております。
ゴメリの医科大学で1994年に国際シンポジウムを開きました。そこにも来て下さいました。

その中で私達が発表した、「セシウムは心臓に非常に危険だ」ということについても、日本の学者の方々は深い理解を示しておられました。

しかしながら、そういう経験があるにもかかわらずその経験が生かされていないのが理解できません。

このような形で、何も見えない状況、そして情報がない状態で、どうやって人々への手助けができるでしょうか?なんにも出来ないと思います。

結局、「黙っている」という政策がウクライナやベラルーそまた、ロシアの地域に非常に状況を??させておりまして、これは人口を、統計上本当に悲惨な状況です。

私がレクチャーで使った資料をこれから改めてお見せしてもいいんですけど、結局私達が経験したことをもう一度みなさん方が繰り返そうとしているように思えるんです
今やらなければそういう事が起きてしまいます。

日本の場合人口密度が高いです。
ですから、密度が高い分多くの人がこれで被害を受けるわけです。

結局津波の後のがれきが散乱しています。これは放射性物質の源でもあります。

そういう放射性物質の汚染源を早く排除しなければなりません、そういうものを日本全国にばらまく必要はないわけです。


このような黙っているという政策が、昔独裁政権であったソ連の共産党政権、この中で行われたなら分かりますけど、この21世紀に暮らしている文明社会である日本でも、そういう事が行われる事が理解できません。


 このバンダジェフスキー氏が話していることには、きちんとした裏付けがあります。
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 チェルノブイリ事故は1985年−もはや人口増加ではなく、人口減少のグラフです。チェルノブイリよりも放射能は少ないから大丈夫と思っていませんか?そもそも、チェルノブイリは1週間足らずで、大規模な放射能拡散は止めています。チェルノブイリは、100万キロワットの原子炉1基のみの事故であるのに対して、フクシマは、1−4号機の合計280万キロワット+使用済燃料プールですから、はるかに規模は大きいのです。実際、次のような記事があります。

政府、汚染の深刻さを未だ理解せず松本市長 菅谷 昭 氏
――国に現場の声を拾う姿勢があまりにも乏しい…。
菅谷 政府が対策委員会を開いても、結局、メンバーの中に放射能災害の現場が分かっている人がいなければ話は前に進まない。実際に参考人として招致される学者の先生方は、ほとんどが本当の事故現場を知っている訳ではなく、机上の空論だ。そして、目下、出てくる情報は予想を遥かに超えて汚染が酷い。8月末に文部科学省が一般公開したセシウムの汚染マップ(※図1)は、それだけを見ても普通の人ではわからないが、今回私が特別に作成したチェルノブイリ事故10年目の放射能汚染図(※図2)と比較すればいかに酷いかが分かるだろう。今回の事故で放出された放射性物質はチェノブイル事故の時の10分の1〜2程度と言われていたが、この図を見ると、むしろ福島の方が汚染度合いは高い。事故当初に米国が80Km圏内を避難区域としたのも当たっていたと言える。結局、政府はこういった事実を知らず、若しくは知ってはいても何も分からないまま、すべての判断をしていた訳だ。私は、この図で青色に塗られた地域に関しては、せめて子どもたちだけでも避難させたほうが良いと思う。実際に、こういった真実が徐々に住民に伝わり始めたことで、最近では自主的に福島から移住する人たちが増えてきている。チェルノブイリの低染量被曝地で起こっていることを知れば、それは当然の選択だろう。

――一方で、川内村では帰村宣言が出されたが…。

菅谷 村長さんの気持ちも分からないではない。福島県では昨年、約30人の方々(村長も参加)がベラルーシとウクライナを視察されたようだが、そこで誰もいなくなった汚染地域の町や村を目の当たりにして、絶対に自分の村をそのような状態にしたくないとお考えになったのだろう。そして、野田総理も住民の帰還を復興の重要課題に掲げ、除染を早く終えて、軽度の汚染地域には住民を戻すように指示している。しかし、それは汚染の深刻さが全く分かっていない行動だ。ベラルーシでは原発から90km地点の軽度汚染地域と指定されているモーズリ(私も住んでいた地域)でも、子どもたちの免疫機能が落ち、風邪が治りにくくなったり、非常に疲れやすくなったり、貧血になるといった、いわゆるチェルノブイリエイズの症状が出ている。併せて、早産、未熟児等の周産期異常も増加している。そこで福島でモーズリに相当する汚染地域をこの図で比較してみると、福島市や郡山市も含まれていることがわかる。すこし大袈裟と言われるかもしれないが、この辺りに住み続けた子どもが、将来チェルノブイリエイズと同じような症状を発症する可能性も否定できないということだ


図1
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図2
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 私が311以降、一番危惧していることを両氏がずばっと切り込んでくれました。放射能ガレキを全国拡散してしまいますと、本当に日本民族で将来まともな人間が本当にいなくなります。今までの廃棄物とは全く違います。少しでも汚染されていれば、それを少量取り込んでしまうだけで、子々孫々にいわゆるたたりとなって、影響が現れることでしょう。

 日本が世界でこれだけ力を持つのは、資源はなくとも勤勉な民がいるからです。その一番の力の源を抹殺するような政策をとるとは、一体だれのための政治なのでしょうか。

 今週号のゴルゴ13に「権力者の決めたルールに従うのは、弱者のみだ」とありました。我々は、自分の命を守るために声を上げなければなりません。

◆関連ブログ
子どものタンパク尿検査を−バンダジェフスキー氏の講演会から2012年03月20日
死の灰の正体−無脳児、単眼児の出産も2012年03月16日
フクシマの今−韓国テレビと投稿から2012年03月12日
福島はまるで別世界・・グリーンピース2011年08月09日
posted by いんちょう at 21:41 | Comment(1) | 原子力

2012年03月20日

子どものタンパク尿検査を−バンダジェフスキー氏の講演会から

 3月18日にバンダジェフスキー氏の医師向けセミナーに参加させていただきました。

ユーリ・バンダジェフスキー
1957年1月9日にベラルーシ(Belarus)フロドナ州(Grodno)で生まれた。1978年、小児科医であるガリーナ・バンダジェフスキー(Galina Bandazhevskaja)と結婚。1980年、国立フロドナ医科大学を卒業、臨床研修を終え病理解剖学の専門家となる。1989年、ベラルーシの中央科学研究所所長(The Central Laboratory of Scientific Research)に就任。ベラルーシコムソモール賞、アルバート・シュバイツァーのゴールドメダル、ポーランド医学アカデミーのゴールドスターを授与される[2]。1990年、ゴメリ(Gomel)医科大学を創設、初代学長・病理学部長を務める[3] 。ゴメリ医科大学では1986年のチェルノブイリ原発事故以来、セシウム137の人体への影響を明らかにするために、被曝して死亡した患者の病理解剖と臓器別の放射線測定や、放射能汚染地域住民の大規模な健康調査、汚染食料を用いた動物飼育実験、などの研究に取り組む[4] 。この研究は、セシウムなどの放射性同位元素が体内に取り込まれたときの現象と病理学的プロセスを解明するとともに、旧ソ連時代からの放射線防護基準を改訂することに寄与した。ゴメリ医科大学ではバンダジェフスキーの指導のもと、30の博士論文が作成され、200篇の文献が作成された。研究成果は、定期的にベラルーシ国内の新聞、ラジオ、テレビ、および国会で報告されていた
 著作の日本語訳も出ています。


言葉は通訳をとおしてでしたけれど、その真摯で熱い思いは我々に直接伝わってきました。 公演中殆どたち続け、身振り手振りで話される博士の情熱にまた、希望の光が見えてきた気がします。素晴らしい人です。ベラルーシ政府により投獄されながらも、決して信念を曲げず、弟子をたくさん育てたとお話しされておられました。

 内部被曝の影響を調べるのに誰にでもできて簡便な方法はないか。私なりに情報アンテナを巡らしてきました

・成長曲線(こどもの身長、体重をプロットしたグラフ)必須
http://www.pediatric-world.com/teikyou/seicho.html
http://ghw.pfizer.co.jp/gh/c_down/index.html

 柱に紙か何かを貼って、身長と体重を記録しておけば、すぐに異常に気がつけます。甲状腺機能低下などを血液検査なしに早期に見つけられるでしょう。1ヶ月に1回程度は、記録しましょう。

・血圧
 セシウム被曝により、血管が硬化するのでしょうか?原因は不明だと思いますが、上昇するようです。

・蛋白尿
バンダジェフスキー氏の病理標本から
チェルノブイリ事故による放射性物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非ガン性疾患 Y・バンダシェフスキー教授 Non-cancer illnesses and conditions in areas of Belarus contaminated by radioactivity from the Chernobyl Accident: Prof. Yuri Bandashevsky から
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図2.17 900Bq/kgの放射性セシウムが検出されたシロネズミの病理組織切片。糸球体の壊死と断裂と空砲形成。尿細管上皮の壊死と、ヒアリン滴変形。HE染色 ×250倍
腎臓は、放射性セシウムの体内からの排泄過程を司る重要な器官である。V.Zhuravlev(1990)によると、Cs-137の尿排泄は、糞便からの排泄の6−9倍である。Cs-137はネフロンの糸球体と尿細管の血管構造に影響を与える。腎臓の構造的かつ機能的要素の中でも、真っ先に糸球体が破壊された場合、「溶けた氷柱」と呼ばれる、特徴のある組織学的所見として表れる。この臓器の組織にはかなりの濃度のCs-137が計測された。

 日本の病理医もいろいろと解説しておりますが、腎臓に関しても放射能による特異的な所見は診られないというのが実際の話だと思います。腎臓の組織で特異的な変化が見られるのであれば、ABCCの膨大な解剖症例から、必ずや成果として蓄積されているはずです。

 博士との質疑応答の際に腎臓専門医から「ネフローゼの病態にはならないのですか?」との質問が出た際に、「ベラルーシの汚染地区では、すべての子どもから蛋白尿が出た。採取のミスも考えたが、ほぼ全員の尿から出た。これは、溶けた氷柱現象だろう」との解答がありました。

 尿検査は非常に簡便に自宅で安価にできます。

テルモ 尿試験紙 新ウリエースBT 50枚入り
UA-P2BT5Nb(検査薬)【第2類医薬品】
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2類医薬品は、法改正のため通信販売は許可されていないようです。近くの薬局でお求めください。

・いつの尿でも構わない。(朝一番の尿である必要はない)
・コップに取らずに、直接尿をつける(もちろんコップにとっても構いませんが、面倒)
・週1回程度の頻度
・尿タンパク陽性になったら、翌日も再検査。そして、その時も陽性ならば病院を受診する

 蛋白尿は、特に子どもにとっては学校保険法で年一回の検査が定められているとおり、非常に重要視されています。腎不全を早めに見つけるもっともよい方法だからです。

 もし、尿タンパクの陽性が見つかり、翌日も陽性だった場合には、かかりつけの先生のところを受診しましょう。よく、大きな病院なら安心だろうと、大学病院を直接受診される方もおられますが、大病院ほど医者の人数は多く、技量にも差があります。近くの先生に専門医を紹介してもらう方が確実です。きっと、適切な先生を紹介してくれることでしょう。
 なお、その際に「これは、放射能の影響ではないですか。」とくれぐれも質問されないように。蛋白尿については、放射能かどうかの区別はありませんし、現代医学を勉強した医師に放射能の影響かどうかを聞くのは、全く持って無駄なことです。むしろ、反感を持たれてしまうのがオチですから、黙っておきましょう。
 蛋白尿が見つかったという事実だけで、適切な検査、治療が受けられるのですから。

◆関連ブログ
お子さんの甲状腺機能検査を2011年10月18日
放射能と人体(6)病理組織から見る内部被(200万アクセス)2011年12月04日
posted by いんちょう at 23:59 | Comment(4) | 原子力

2012年03月16日

死の灰の正体−無脳児、単眼児の出産も



 以前、奇形動植物で今回の事故による影響が疑われる動植物を紹介し、その後もコツコツと追加しております。最初は、この冒頭に紹介されているみみなしウサギで大騒ぎになったのですが、もはや当たり前といった感があります。

世界は恐怖する 死の灰の正体 4/6 をご紹介します。


 この中から双頭の金魚(1000レントゲン = 10Sv)照射
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実は同じ双頭の鮭の稚魚が京都府福知山で報告されています。
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 京都府で10Svの被曝があるはずはありませんから、この稚魚は内部被曝の怖さを如実に表していると思います。ところが、放射線(筆者注:放射能ではありません)の専門家に言わせると、「10Svの被曝をしたはずがないから、これは放射能の影響ではない」と言い切れるわけです。なぜ、理論が先に立って、現実の現象から理論を組み立てる気が一切ないのでしょうか。これは、中世における宗教裁判と全く同じ理論です。

 まあ、専門家ではない人の書いたサイトですが、例えば、正しい放射能情報を【見つけるため】のサイトこちらには、こんなトンデモ文章があります。
次に遺伝的影響ですが、精子や卵子の遺伝子が放射線によって変化してそれが子や孫に伝えられると、障害をもつ子ができる可能性があります。そのようなことが起きるのは動物実験では確かめられ ていますが、人間の場合、広島・長崎の被ばく者の調査をはじめそのほかの調査でも、遺伝への影響は認められていません
 動物実験で確かめられているのに、人間で遺伝するとは認められていないと言い切れるとは・・・こんな学問あり得るのでしょうか。そうだとすれば、全ての動物実験が無意味となってしまいますけど。

 では、遺伝的影響はなかったのか。認められていないのか。私が以前、長崎原爆の犠牲となった方の話を聞きますと、その方は「奇形が生まれたことは、一切なかった」と明言されていました。なぜ、断言できるのでしょうか。
ABCCは何をしたか から
2.岡村ヒサさんの証言
 私は昭和20年当時、尾長町で産院を開業していました。41歳でした。その頃はまだ家庭分娩が多うございましたが、だんだん少なくなりまして、昭和30年頃には、皆産院に吸収されました。
 何も記録は持っていませんが、奇形がたくさん出ました。当時はABCCへ、みな報告しなくてはいけないシステムになっていました。奇形が出ましても、報告するのを嫌う人もございましたので、しなかったこともあります。


今回ご紹介したフィルムの中に奇形児の写真が出てきます。今ならば隠蔽してしまい表には決して出てこないでしょう。おそらく,今回ご紹介したフィルムもしばらく経ったら消されるでしょう。

シャム双生児 昭和27年6月生まれ ヒロシマ爆心地から2キロ 40歳母親
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無脳児 昭和26年生まれ
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無脳児 昭和28年生まれ
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人間の形をしていない物体 昭和26年 長崎 1480m 三菱工場あと
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単眼男子
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目を背けたくなるような奇形です。そして、無脳児については木下黄太氏のブログで今回の事故後に紹介されています。
「無脳症」の報告がまた増えました。二十代後半の沼津市内の女性が、震災後に妊娠が発覚し、順調と言われていたのですが、無脳児とわかり、堕胎しました。その沼津の総合病院では、一年に一例も無脳症はないそうです。

 このようなことを書くと、無脳児は通常でも起こりうる。不安をあおるだけだという非難の言葉が出てきます。そして、ヒロシマ・ナガサキでは統計的に有意ではなかったと証拠を挙げて反論する人もいるかもしれません。このような奇形児は、岡村ヒサさんの証言で示しましたように必ず隠されます。現在はエコー検査が発達しているので、出産まで至ることはもちろんないでしょう。

 そのような事態になっても、産業医科大学は、次のようなスライドを作って、説明してくれます。
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 このような奇形児は、母体がストレスを感じたために生じたと強弁するのでしょうか。

放射能で子どもに奇形が生じる。当たり前のことです。内部被曝の怖さをもう一度考えましょう。

◆関連ブログ
奇形動植物のまとめ2011年08月07日
フィルムバッジを持つということ(放射線管理の長い手)2011年06月25日
タグ:奇形
posted by いんちょう at 15:43 | Comment(26) | 原子力

2012年03月14日

「安全な国土を」と願われた陛下と参加者10万人を超える各地のデモ

東京都千代田区の国立劇場で行われた東日本大震災1周年追悼式(天皇陛下のお言葉)


 東日本大震災から1周年、ここに一同と共に、震災により失われた多くの人々に深く哀悼の意を表します。

 1年前の今日(こんにち)、思いも掛けない巨大地震と津波に襲われ、ほぼ2万に及ぶ死者、行方不明者が生じました。その中には消防団員をはじめ、危険を顧みず、人々の救助や防災活動に従事して命を落とした多くの人々が含まれていることを忘れることができません。

 さらにこの震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています。

 この度の大震災に当たっては、国や地方公共団体の関係者や、多くのボランティアが被災地へ足を踏み入れ、被災者のためにさまざまな支援活動を行ってきました。このような活動は厳しい避難生活の中で、避難者の心を和ませ、未来へ向かう気持ちを引き立ててきたことと思います。この機会に、被災者や被災地のために働いてきた人々、また、原発事故に対応するべく働いてきた人々の尽力を、深くねぎらいたく思います。

 また、諸外国の救助隊をはじめ、多くの人々が被災者のためさまざまに心を尽くしてくれました。外国元首からのお見舞いの中にも、日本の被災者が厳しい状況の中で互いに絆を大切にして復興に向かって歩んでいく姿に印象付けられたと記されているものがあります。世界各地の人々から大震災に当たって示された厚情に深く感謝しています。

 被災地の今後の復興の道のりには多くの困難があることと予想されます。国民皆が被災者に心を寄せ、被災地の状況が改善されていくようたゆみなく努力を続けていくよう期待しています。そしてこの大震災の記憶を忘れることなく、子孫に伝え、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を目指して進んでいくことが大切と思います。

 今後、人々が安心して生活できる国土が築かれていくことを一同と共に願い、御霊(みたま)への追悼の言葉といたします。


 私には「安全な国土」が心に残りました。安全な国土を作るには、どうしたらいいのでしょう。私には、一つのしっかりとした道筋が見えます。また、はっきりと正面から「放射能」について触れられています。言及すらしない首相は、この場で話すことで「風評被害」をもたらすと、未だに言うのでしょうか。

 このブログに紹介する気さえ起こりませんので、リンクを示しておきます。

野田首相の言葉 動画
 ご自分の目でなんと言っているか、ご覧になってください。原稿のみにしか目を向けず、御霊に対する経緯のようなものは私には一切感じられませんでした。この首相が、放射能瓦礫に反対する日本国民を絆がないと非難するのは、なぜでしょうか。あなたにそんなことを言う資格があるのですか?

 さて、同じ日に全国各地で原発に対する抗議集会が行われました。私は熊本市の集会に参加。主催者発表で1500名。ところが、新聞報道は殆どありません。一体全国でどれだけの人数が参加したのかさえ、私が調べたところでは見あたりません。全国に支社をもつ新聞社がどうして、翌日の新聞でまとめた表を作らないのでしょう。中国のデモであれば50人程度でも喜んで紙面を作る新聞社、テレビ会社なのに・・ちょっとまとめただけで、全国あわせると10万人以上が参加しています。なぜ、マスコミはこんな簡単な表さえ作らないのですか。
 日本人はバカではありません。

熊本市 1500名(主催者発表)


以下、私なりにまとめてみました。補足いただけますと幸いです。
都道府県 都市 参加人数
北海道 札幌市 2,500
青森県 青森市 1,700
岩手県
宮城県 仙台市
秋田県 大館市 200
山形県 山形市 300
福島県 郡山市 16,000
茨城県 つくば市 300
栃木県 宇都宮市 50
群馬県 高崎市 2,500
埼玉県 川越市 140
千葉県 千葉市 1,000
東京都 日比谷公園 10,000
井の頭公園 8,000
 板橋区 600 
町田市 500
神奈川県      川崎市 1,200
横浜市 1,500
相模原市 800
 葉山  
 逗子  
 鎌倉 650
 藤沢  
 茅ヶ崎  
新潟県 新潟市 250
富山県 富山市 450
石川県 金沢市 250
福井県 敦賀市 1,200
舞鶴市 1,200
山梨県  甲府市 400
 北杜市 200 
長野県   松本市 1,800
佐久市 600
伊那市 600
岡谷市 150
長野市 1000
大町市 120
岐阜県 岐阜市 800
静岡県  静岡市 1,100
 浜松市 130 
愛知県  名古屋市 5,000
 豊橋市 500 
三重県 伊勢市 180
滋賀県 大津市 1000
京都府 京都市 6,000
大阪府 大阪市 10,000
兵庫県 神戸市 2,500
奈良県 奈良市 500
和歌山県 和歌山市 1,500
鳥取県 境港市 70
島根県 松江市 400
岡山県 岡山市 600
広島県 広島市 2,000
山口県 柳井市 1,200
徳島県 徳島市 100
香川県 高松市 100
愛媛県 新居浜市 160
高知県 高知市 1,100
福岡県 福岡市 5,000
北九州市 3,000
佐賀県 佐賀市 400
長崎県 長崎市 1,000
熊本県  熊本市 1,500
水俣市 250
八代市 150 
大分県 大分市 1,000
宮崎県 宮崎市 450
鹿児島県 鹿児島市 2,000
沖縄県 那覇市 200
合計 100,630
韓国 1,000
台湾 10,000
フランス 60,000
ドイツ 24,000
スイス 10,000
ベルギー 1,000
イギリス 800
 スペイン  マドリード  200
アメリカ ニューヨーク 400
 カリフォルニア 200
オーストラリア メルボルン 300

 これ以外にご存じの方がおられましたら、
1.都道府県名
2.都市名
3.参考リンク
4.参加人数
をコメント欄にお書きください。この表に反映いたします。

参考資料
東日本大震災:福島では1万6000人集結…原発反対集会
日本や世界で「脱原発」を訴えるデモや集会が歴史的な動員数に、なぜ既存メディアは大きく報じないのか

◆関連ブログ
脱原発6万人超のデモ−新聞各社の朝刊一面2011年09月20日
posted by いんちょう at 21:06 | Comment(9) | 原子力

2012年03月13日

震災の瓦礫−作られた世論(絆)で放射能拡散を企てる政府



 瓦礫問題が、ますます注目を浴びるようになってきました。国会答弁などを見ますと75%の国民が賛成しているらしいのですが、本当でしょうか。

まず、北九州市議会
北九州市長、震災がれき受け入れに前向き
 東日本大震災で発生したがれきについて、北九州市議会が市に受け入れを求める決議を全会一致で可決したことを受け、北橋健治市長は12日、「復興のため、国民が力を合わせて応援しなければならないとの思いを行政も共有したい」と述べ、前向きに検討する姿勢を示した。
 野田首相が岩手、宮城、福島3県を除く都道府県に文書で協力を要請する考えを表明したことにも言及し、「首相から要請することは(受け入れの可否を判断する)一つの節目になると思う」と語った。
 決議案は、自民党系、民主・社民党系、公明党、共産党の4会派が共同で提出。科学的知見による放射能の影響の検証と放射線量の測定などの態勢整備を条件に、放射性物質の濃度が通常の廃棄物相当と判断されるものについて受け入れを求めた。
 北橋市長はこれまで、「科学的知見に基づいて受け入れの可否を判断する」などと述べ、慎重な姿勢を示していた。
(2012年3月13日 読売新聞)

 改めてみると、社民、共産も賛成しているのですね。驚きました。この北九州では、震災当初より関東方面の瓦礫受け入れを行っているらしく、枯れたツツジと鼻血を出す生徒たち−北九州からのレポートで、放射能の影響を否定し得ない健康被害が表れています。この市議たちは、子どもたちの健康を一体どう考えているのでしょうか。自分たちの住んでいるところの健康が守れずに、政治家をやっている意味がありますか。

 ブログにはこのようなコメントも寄せられました。
都内では、子供を産むことを諦め、女も働く選択肢を選ぶ人が増えました。
汚染食品と瓦礫の拡散で、地方も、東京のような状態が生まれれば、未来はありません。
子供は、安全といわれた瓦礫に反応しています。
避難して、ここまできましたが、瓦礫処理拡散で再度避難するお金は、もうどこにもありません

なぜ、この心からの叫びが全く心に届かないのでしょうか。政治を司っている人には、人としての心がないのですか。

細野大臣は安全だと称していますが、安全の根拠は、次の写真です。
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 悪役そろい踏みといったところでしょう。瓦礫の放射能測定をするのに、去年だったらこの写真で十分みんなをだませたことでしょう。残念です、細野大臣。今の我々の知識では500Bq/kgの汚染がこのシンチで測れないことなど常識なのですよ。あなたは、そのちんけな測定器で放射能がなければ、この瓦礫は汚染されていないとみんなをだませると思っているのでしょうかね。

 住民は賛成し、自治体もどんどんと賛成決議を全会一致でやっていきます。マスコミも大賛成。それなら、スムーズに行くはずですが、本日の熊日の記事
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 ガレキ処理が進まない現状について「政治の取り組みが問われかねない」(政府関係者)ときいう認識はあるが、首相周辺も「国民世論が頼み」と頭を抱える
 環境省幹部は「いくつかの自治体がまとまって動き出せば、『隣の市がやるならうちも』と踏み出すはず」と、行政の横並び意識に期待する。
 市民が測定
 静岡県島田市は12日、岩手県からの瓦礫受け入れに向け、試験焼却などを経て放射性物質に関する安全基準を全てクリアしたと公表した。
 同市の男性(28)は、「一方的にデータを出されて『安心してください』といわれても納得できない。」と反発。市民からは「市長は住民を無視して薦めている。利権が絡んでいるのでは」という声すら上がり、桜井勝郎市長は「被災地を助けたいという思いだ」と懸命に理解を求める

 なかなかよく切り込んだ文章です。瓦礫の受け入れキャンペーンは、なんと30億円の血税が大盤振る舞いされているそうです。これだけの金額をマスコミにばらまいて、世論を誘導しようとする行政。一体目的は何かを本当に考えているのでしょうか。そして、期待しているのは横並び意識。完全になめられてしまっています。
 そして、以前もご紹介しましたように島田市の市長は、産廃会社の元社長。利権ではなくて、なんのために瓦礫を受け入れるというのでしょうか。みんな知っていることをここまできちんと記事に書いて、この共同通信の記者。大丈夫かとみんな心配するはずです。それだけ、おかしな社会になっています。

 野田首相は、「広域処理で国は一歩も二歩も前に出て行かなければならない。日本人の国民性が試されている」と発言しましたが、本当に日本の国民性が試されています。水俣病、AIDS、その他様々な公害で日本政府が最初からまともな判断をしたことがあったでしょうか。国が安全性を認めたからといって、なんの補償もなく、そして、被害が出てもほおっかむりをし、甚大な被害が出て、初めて認めるという愚を何度も繰り返しています。放射能の内部被曝を全く考えないこの瓦礫拡散は、本当に日本の息の根を止める可能性を秘めています。
 しかも、この瓦礫の安全基準をきめた責任者の名前は、全くはっきりしません。役人は、専門家会議で決めてもらったと責任を負わないでしょうし、政治家は選挙で落ちれば責任を取りたくても取れません。専門家と称する人たちは、会議で決めたとだれも責任を取らないどころか、こんどはその健康被害に対しても、素知らぬ顔を決め込んで口を出してくることでしょう。

大震災1年:がれき受け入れ「国に不信感、説明必要」 県、改めて慎重姿勢 /徳島
 野田佳彦首相が、岩手、宮城両県で出た「震災がれき」の処理を法律に基づいて被災地以外の都道府県に要請する意向を示したことに関連し、県は12日の県議会特別委員会で、受け入れに慎重な姿勢を改めて示した。県は、国からの受け入れ基準などの説明が不十分とした上で「国への不信感が徹底的にある」などと理由を説明した。
 県議が、野田首相の発言を受けて県の姿勢をただしたのに対し、坂東敏行・環境総局長は、当初、福島県内だけを対象とした処理基準が全国にも転用されたことや、県の大半の処分場が、放射性物質に汚染されたがれきの処理には適さない海面埋め立て型であることなどを挙げ、「国からきちんと説明を受けなければいけない」と述べた。
 また、広域処理の対象外の福島県内で、がれき処理が進まないことを指摘し、「国の復興事業が遅れている責任を各都道府県に転嫁しているようだ」と不快感をあらわにした。
 県内の24市町村とごみを処理する広域事務組合は昨年、国のアンケートに「受け入れを考えていない」と回答している。【阿部弘賢】
 

 まさしく正論です。未だに一桁しか片付いていないのは、今までの国の無策に他なりません。それを日本人の絆がないから、瓦礫が片付かないというのは、国が都道府県に責任転嫁をしている構図です。そもそも、復興というのは、瓦礫を片付けることではなく、被災地の方の職業、インフラ、産業の復興が目的なはず。今の内閣は、瓦礫を片付けることしか考えていないのではありませんか。瓦礫を片付けたあとは何をするのか、ちゃんと計画はあるのですよね。まさか,「部屋が綺麗になれば、勉強ができるようになるという子ども」のようなことはないですよね?
 国会答弁では、3年以内に瓦礫を片付けるという勇ましい言葉以外に何も見えませんが。。。
◆関連ブログ
枯れたツツジと鼻血を出す生徒たち−北九州からのレポート2012年02月07日
ガレキ処理に住民の了解は必要ない−日本民主主義人民共和国のショーグン達2012年03月01日
静岡−島田市のガレキ試験受け入れとその背景2012年02月16日
震災ガレキ−「絆」−に対抗するための科学的・法律的基礎知識2012年03月04日
タグ:瓦礫 島田市
posted by いんちょう at 21:13 | Comment(34) | 原子力

2012年03月12日

フクシマの今−韓国テレビと投稿から



先日のブログで、子どもの屋外活動は、30分以内(福島県郡山市)と紹介いたしました。ガレキガレキと報道するにもかかわらず、日本のマスコミではこの郡山の現状を報告している画像は一切見ません。ともすれば、この被害を忘れない。といった感じです。風化どころか、今現在この状況であるのに、なぜ復興をたやすく口にできるのでしょう。
 政府・東電が放射能被害を隠すのは、まだわかりますが、マスコミが報道しないのは一体なぜでしょうかね。

 なお、このような制限が行われているのは郡山市のみのようです。この記事のコメントから
郡山市が独自の時間制限を設けたのは、市長が原発事故直後に「直ちに健康に影響はない」という政府の発表を垂れ流す一方で、自分の孫はいろんな理由をつけて関西にいち早く避難させたことを市民から追求されそうになったからです。
 なるほど、色々な背景があるようですね。ニュースバリューとしてはピカ一なのに、なぜ黙っているんでしょう。

 私は九州に住んでいますので、まわりにこの話をしますと郡山がどこにあるのかわからないというもっともな突っ込みがありました。早川先生の汚染地図(6訂版)で示しておきます。
2012031201.jpg
 実は、郡山市は、あの駅伝が行われた福島市よりも線量は低いのです。あんな、全面マスク領域で駅伝なんかして、責任は一体だれが取るんでしょうか。

 郡山については、韓国テレビが報道してくれています。日本のテレビ関係者は一体何をしているんでしょうか。なぜ、真実を告げることすらできないのでしょう。

本当の絆は、このような方々をどこに移住してもらい、どう生活を成り立たせていくかを考えることなのではないでしょうか。東北のガレキももちろん大事ですが、それと同じか、いやそれ以上に悲惨な状況である福島県の郡山のことが一切ででこない「絆」報道に大きな違和感を覚えます。

 次は、とある方から送られてきました福島県の実情です。(以降の資料は印刷して配布していただいて構いません。書かれた方もできるだけたくさんの方に知って欲しいという願いから私のところに投書されたのだと思います)
2012031211.jpg
 ここで特に驚いたのは、「教室の移動の時には廊下を走りましょう」の標語です。こんな状況に、福島県は今でもありますし、今後、将来もずっとそのままでしょう。
 次は歌
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 哀しい歌です。これが、福島の実情でしょう。広報によれば、もう福島は復興したとありますが、その実情はこのような状況なのです。

 以下、お送りいただいた資料をコメントなしでご紹介します。資料送付ありがとうございました。
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既出ですが、西ドイツ放送局の死の地域に生きるを紹介しておきます。


◆関連ブログ
子どもの屋外活動は、30分以内(福島県郡山市)2012年03月03日
東日本女子駅伝参加者は、全面マスクの着用を!!2011年11月07日
福島の状況−再生を高らかにうたうが、セシウムは樹木の内部まで浸透2012年01月25日
福島はまるで別世界・・グリーンピース2011年08月09日
【西ドイツ放送】死の地域に生きる−フクシマの真実2011年10月24日
タグ:P
posted by いんちょう at 20:56 | Comment(10) | 原子力

2012年03月11日

311−フクシマ を振り返る



 昨年の今日、地震とともに大きな津波が起き、フクシマが世界中に知れ渡ることになりました。
 何ごとも突然は起きません。その前振りとなる事態が起きて、猶予が与えられたあとに本番がやってきます。
東日本大地震から約1年前(今回の予言?)−重要2011年04月26日記事より
(311の約1年前に起きたチリ沖津波に対して、私がSNSに書いた内容)
2010年03月01日09:08津波
 以前、某電力の原子力発電所安全関係を担当していたことがあるのですが、この際に想定される津波の大きさが数十センチでした・・だったと思う。(今回のとおなじ 1960年のチリ沖津波の実測値らしい)
 正直、この程度でよいのかと思ったのですが、これでもどうにか安全性を保たれる程度でした。
1・津波の引き波の際に大量の冷却水が取水できなくなる
2・津波により、海水冷却棟が水につかってしまう
2になると、冷却設備がすべて起動不能になりますので、メルトダウンの可能性が出てくると思われます。
今、探してみても具体的な数値はネット上にはのってませんでした。
太平洋沿岸にも、3メートルの津波が押し寄せると聞いて、果たして大丈夫だろうかと、昨日は心配してました。
柏崎の地震の際も気になりましたし、地震、台風、津波の時は、これからもずっと心配してしまうと思います。
原子力発電所は、発電を停止してからが勝負。崩壊熱が数パーセント残りますので、この除去に苦労することになります。原子力発電所は、自動で停止しました。(スクラムといいますが)の報道に安心されませんよう。


 私が東電を辞めたのは1995年のことです。以降、この業界とは一切つながりがありませんから、私の知識は当時のまま(というよりも、経年劣化しています)ですから、まともな人間ならば、評価するまでもなく、無理だとわかっていた話です。単に、人間の浅知恵でそのような津波は起きるはずはないと評価していたに過ぎません。

 では、実際に起きてどうなったか。当時のことをきちんと残されたJVJAの録画があります。東大の関村をはじめとして、御用学者、NHKがウソばかり言っていることは、今ならだれの目にも明らかでしょう。

震災時の原発周辺動画から。他の動画も紹介していますので、リンクを是非

 どうでしょうか?今なら、取材記者の話とラジオの報道の意味がしっかりとわかることと思います。私はこの時には、一睡もできませんでした。

 当時の私は、ブログの読者は1日30名ほど、ツイッターはやっておらず、情報の発信方法がわかりませんでした。SNSで、情報発信はしています。以前、BLOGでも紹介してはいますが、再度私の分析を紹介いたします。

2011年03月11日15:35 宮城で震度7
 大地震が起きました。
私は、福島の原子力発電所に勤めていたのですが、その時の評価で、70センチ以上の津波にはどうにも仕方がないという結論でした。
 地震で原子力発電所は、自動的に停止はしますが、崩壊熱が数パーセント残ります。しかも、長期間。
1100MW x 3 x 数パーセント
でも、たいがいの熱量で、海の水で熱交換をしないと炉心の冷却が維持できません。
今回の津波では、5メートル近くになりそうなので、こういった海側のポンプのある建物が、水没してしまったような感じを受けます。
 運転停止だけではなく、その後数週間の監視が必要です。
大丈夫でしょうか。心配です

2011年03月11日20:20
2: 小野 俊一 削除する
非常事態宣言が出されましたね。
私がいるときにはなかった法律です。
あとは、RCICという緊急炉心冷却装置で冷やすしかないと思うのですが、これは数日(あんまり記憶なし)くらいしかもちません。(炉心の蒸気で回すので、電力が必要ありません)
それまでに、どうやって非常用発電機を復旧させるかでしょう。
 まだ、働いていたら、死んでいたでしょうね。。。

2011年03月11日20:23
3: 小野 俊一 削除する
政府、原子力緊急事態宣言を発令
2011.3.11 20:09
 枝野幸男官房長官は11日午後7時40すぎから記者会見し、菅直人首相と全閣僚出席の原子力に関する会議で、東京電力福島第1原子力発電所で原子力対策特別措置法に基づき、「原子力緊急事態宣言」を発令したと発表した。
 ただ枝野氏は「放射能が施設外に漏れている状態ではない。あわてて避難することはなく、落ち着いて情報を得るようにしてほしい」と、付近住民らに冷静な対応を呼びかけた。
 私が今現地にいたら、家族は避難させるでしょう。
現地で働いている知り合いも多いので、心配です。

2011年03月11日21:18
4: xx xx 削除する
原子炉って怖いですね。エリツィン政権の時に港に停泊していた原子力潜水艦が炉心の冷却のための電気料金を滞納したために発電所からの送電を停止されて、海軍の特殊部隊が発電所を占拠して送電を再開させた事件を思い出しました。

2011年03月11日21:39
5: 小野 俊一 削除する
避難勧告が出されました。この大熊町は、医師の方々は、全員記憶があるであおう胎盤早期剥離の産婦人科の事件が起きたところです。
 原子力発電で、私の生きている間に避難勧告が出されるなんて、想像だにしていませんでした。
 自体はかなり緊迫しています。炉心から、水がなくなりますと、いわゆるチャイナ・シンドロームと成り得ます。
 今後の原発新規増設は中止は当然としても、今減算輝度している発電所をどうして行くか、大きな問題がつきつけられました。

2011年03月12日11:05
6: 小野 俊一 削除する
私の勤めていた福島第二原子力発電所でも非常事態宣言。
噂では、重油タンクも流されたとありますので、海水系のポンプが全てお釈迦になり、冷却できない状況と思われます。
福島第一原子力発電所の放射線量を見ますと、
午前3時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    10分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    20分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    30分  正門     68 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    50分  正門     64 nGy/h  0.001μSv/h未満
午前4時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門    866 nGy/h    −
    50分  正門   1002 nGy/h    −
午前5時00分  正門   1307 nGy/h    −
    10分  正門   1590 nGy/h  0.001μSv/h未満
4時30分くらいに何か起きたようです。

2011年03月12日12:41
7: 小野 俊一 削除する
最悪の事態です。
この格納容器放出弁は、当初設計にはついておらず、シビアアクシデント対策として、私がやめる寸前に増設が決まった弁。いくら何でも、手動と言うことはないでしょうから、電源がいかれたままなのでしょう。
1000年に一度の地震なので、想定外もやむを得ないのでしょう。

2011年03月12日12:59
8: xx xx 削除する
スリーマイル島みたいになっちゃうと怖いですね。。。

2011年03月12日13:21
9: 小野 俊一 削除する
スリーマイルよりひどいと思います。
電源喪失、設備喪失でまともな機器がほとんどなさそうです。
スリーマイルの教訓で作ったシビアアクシデント対策ですが・・・この設備を使うのも想定外。
海からの写真を見せてもらうと、被害の状況がある程度類推できるのですが、どの動画も山側から。
原子力発電所に何かあるときは、地震か津波だろうと思っていましたが、20年たって現実の物になってしまいました。。。

2011年03月12日20:40
10: 小野 俊一 削除する
私が生きている間には、起きないであろうと思っていた事故です。


 事故当初から、公開されている情報と設備の知識だけで、メルトダウンはわかりました。

さらに別の書き込み

2011年03月12日17:04 メルトダウン
 以前務めていた発電所ですので、、、
情報を総合しますと、メルトダウンはすでに起きていると思われます。
まず、非常用発電機の同時故障は、普通はありえません。炉心冷却に重要な機器ですので、確か毎週試運転をしていたはず。
おそらく想定を越える津波で、すべて水没し、使えなくなったものと思われます。
また、最終的に熱交換を行うのは、海水建屋ですので、それも損傷。最終的な熱の除去ができない状況に陥っていると考えるのが妥当でしょう。
非常用電源車をいくら持って行っても、設備がないのですからどうしようもありません。
福島第一1号機は、東京電力が初めて導入した沸騰水型原子炉で、460MWeの今では小型の旧式原子炉です。GEからターンキー(すべてセットされた状態)式で購入。購入当初から、トラブル続きだったと聞きます(まあ、それでその後の改良があるわけですが)
想定津波は1メートル以下ですので、今回のように10メートルを越える津波にはそもそも対応できません。
原子炉の燃料が外部に出ており、(これだけでスリーマイル島の冷却材消失事故と同じ)外部にセシウムも出ているとのことですから、メルトダウンしています。
モニタリングポストも
福島第一原子力発電所の放射線量を見ますと、
午前3時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    10分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    20分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    30分  正門     68 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    50分  正門     64 nGy/h  0.001μSv/h未満
午前4時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門    866 nGy/h    −
    50分  正門   1002 nGy/h    −
午前5時00分  正門   1307 nGy/h    −
    10分  正門   1590 nGy/h  0.001μSv/h未満
4時30分くらいが、冷却材消失となったと推定。(不自然に報告がずれています)
燃料棒1本でもわずかでも水の外から出ると、そのへんにいる人は即死するレベルの放射能が出ていると言われました。
今は、電源車を消防用ポンプを使って、おそらく海水を格納容器に注入していると思われますが、これが一体いつまで続くか。
 周りで作業している人は、死を覚悟して作業されていると思います。

2011年03月12日17:09
1: onodekita
福島第二発電所(ここに勤務していました)は、海水建屋が海のすぐ近くにあり、海抜はおそらく数メートル
最終的な熱交換器がすべて破損しており、復旧の見込みはありません。
残留熱除去装置、燃料プールの熱除去もできなくなっており、おそらく水を沸騰させて気化熱で熱を取るしかないと思います。幸い、比較的新しいプラントですので、炉心冷却材は喪失はしていないが、蒸気のため格納容器の圧力が上昇し、このため格納容器ベントを初めているとみます。
おそらく数ヶ月といった時間がかかりますので、これも見通しは良くありません。
 私がまだ勤務中でしたら、生命保険を確認して、妻と子供を実家に(九州や西日本)直ちに帰すでしょう。

2011年03月12日17:13
2: **
一号機建家の外壁が見えなくなっているという報道中。

2011年03月12日17:16
3: onodekita
あれは、原子炉格納容器のある建物そのものです。
メルトダウンして、水蒸気爆発してしまったのでしょう。最悪の原子力事故です。
シムシティが本当に起きてしまった・・・

2011年03月12日17:26
4: onodekita
地震があったというので、地盤沈下もしれません。(これも想定外)
燃料プールの上の部分が全部吹き飛んだと思われます。
チェルノブイリのような石棺を作る必要があるでしょう。。。。。。

2011年03月12日18:09
5: onodekita
骨組みは、6階以上です。横からの写真があるとよくわかるのですが、残念ながら報道がありません。
 保安院の説明も要領を得ません。専門家と称する大学教授たちが、現場の判断を引き伸ばして、後出し後出しとなっている印象です。
 そこだけで直下地震が起きることは考えにくいので、やはり爆発が一番考えられるでしょうか。

2011年03月12日18:53
6:****o
すでにメルトダウンしている・・・か!これを国民が知ったらさらに大混乱は必至。だとしても、被爆ということに一番敏感な国であれば政府の強い指導は必要ですね。今回に事故で多くの教訓を得るでしょうが、犠牲は最小限であってほしい。

2011年03月12日19:05
7: *****ン
あわてて地図を確認しました。
本当に恐ろしいことです。
日本にはリーダーシップを取れる人はいないのでしょうか。

2011年03月12日19:38
8: *****っち
現場の作業の方々は本当に大変ですね。
頑張ってほしいが
消防ポンプだけで冷やしきれるのでしょうか。

2011年03月12日20:04
9: **
1.5km離れた地点で1050mSv/hrと言ってました。

2011年03月12日20:14
10: onodekita
原子力内部に入るときの最低単位が、0.01mSvでした。(最初は、remを使ってました)
運転中のタービン建家の最高値で、10-100mSv/hrですから、1050mSv/hrなんて、とんでもない数字です。私は1mSvなんて、あびたことなんてありません。
噂では、菅総理が1.5km圏内に入り、放射線量はr2に反比例しますから、もはや命は覚悟しての行動だと思います。(もちろん、従業員もですが)
消防ポンプ(これは想像です)だけでは無理なので、炉心溶融、爆発となったのだと思います。


これだけでは、情報が拡散しませんので、次のサイトにも投稿しました。私が当時使えたのは、この情報伝達手段でした。The Voice of Japan | 2011-3-12 09:19の投稿
2012031101.jpg

 予測が甘いところもありますが、おおむね間違っていないとは思います。ですから、官邸にいる御用学者は省くとしても、東電の本店技術者がわからないはずはないはずです。事実、メルトダウンは、初日からわかっていたと先日発表しています。
2012031102.jpg

 そして、最悪のシナリオも3月下旬には作っています。
福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描
 すでにこの最悪事態として想定した被害は、もう既に起きてしまっていると私は評価しています。

 これを知った上で、原発再稼働。許されない話です。

◆関連ブログ
東日本大地震から約1年前(今回の予言?)−重要2011年04月26日
震災時の原発周辺動画2011年11月19日
3月11日のSNS(当時の私的予測内容)2011年05月03日
3月12日の分析(とあるSNSでの私的分析)2011年05月05日
タグ:事故 1F
posted by いんちょう at 21:37 | Comment(3) | 日記

2012年03月10日

原発再稼働は責任の所在、使用済燃料プール、避難経路、テロ対策を立てたあとに政治判断せよ


美浜町長 「政治判断」に疑問呈す 原発再稼働の安全基準で 福井2012.3.7 02:11
 美浜町の山口治太郎町長は6日の定例記者会見で、関西電力の美浜原発3基の再稼働について「暫定的な安全基準と避難道路が前提条件だ」と改めて示した。また、経済産業省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官が5日の県議会全員協議会で原発の再稼働の判断材料となる安全基準は「政治レベルで判断される」と発言した点に関し、「政治的に決められるものではない」と疑問を呈した。

 政治判断で再稼働。その前に、道路をよこせと美浜の町長は話しています。まあ、道路利権が頭に湧いているんでしょう。

 この美浜は、ひどい日本の原発の中でももっともとんでもない立地点です。日本の原発立地状況から
2012031002.jpg
原発と企業棟が橋一本でつながっているだけ。緊急の場合に、どう対応するんでしょう。迂回路を取っているような余裕はとてもありませんけどね。是非ともシビアアクシデント時の対応方法をお教えいただきたいものです。橋が落ちたら、モーターボートで機材を搬入するとでも言うんでしょうか。

 まず、立地自治体、そして、電力会社に聞きたいことは、事故が起きた場合に、一体だれが責任を取るのかと言うことです。原発事故で、責任を取れる企業、国家はありません。先日、私は福井県に電話をして、東京電力が現在の状況をなんと言っているかを説明しました。

(東電の主張)
・原発事故の当事者、原因者ではあることは認めるが、放射能の加害者ではない。
・飛散した放射能は無主物であって、当社が除染をする必要などは認めない。
・除染については、ボランティアで行ってあげている
・電気料金を値上げするのは、事業者としての権利

東電の賠償電話対応マニュアル 「相手が興奮したら保留ボタンを押す」を見ていただき、実際に東電に電話してみると、上記の記述がウソではないことがわかるでしょう。そして、このことを福井県の担当者は全く知りませんでした。今度原発事故を電力会社が、想定外だった、自分には責任はないとは決して言わせてはいけません。経営陣の私有財産まで没収させてでも、賠償金を支払うように、今のうちに約束させておいてください。今のままだと、必ず東電と同じことを主張するに決まっています。

 この再稼働問題では、原子炉本体の安全性しか話されていませんが、本当に問題なのは使用済燃料プールの問題です。以前、詳細に分析しましたが、福島3号機の核爆発は、使用済燃料プールに起因します。あえて、どの規制機関もマスコミも問題にしていませんが、この使用済燃料プールに燃料をたっぷり入れたままで、運転させては決してなりません。なぜ、マスコミはこのプールの問題を指摘しないのでしょうか。私に言わせれば、本体の安全性評価以前の問題です。

 現在でもこのような状態なのにもかかわらず、昨年の夏に「再稼働論」が相次いでいたと本日報道されました。

原発再稼働「泥かぶっても道筋を」自見氏
 政府は9日、「電力需給に関する検討会合」の議事概要を公表した。昨年7月の会合で閣僚から原発停止による電力不足に強い危機感が示され、政治判断で再稼働を急ぐべきだとの発言が続出。原発の安全性より電力供給の確保を優先する意見が政府内にあったことが鮮明になった。

 東日本大震災を受けて設置された15の対策会議のうち10会議の議事録が作成されていなかった問題で、政府は同日、検討会合を含む「原子力災害対策本部」「緊急災害対策本部」などの議事概要、議事録の作成が完了したとして公表した。

 検討会合に関しては、前身で東日本大震災直後にできた「電力需給緊急対策本部」を含む計9回の会合議事録。
 検討会合は東京、東北の両電力管内で電力制限を発動後の昨年7月20日、関西電力管内での10%以上の節電要請を決めた。この会合で、大畠章宏国土交通相(当時)は「原発が次々と停止し、政治の責任としてこれで良いのか」と訴えた。
 自見庄三郎金融担当相も「どうすれば原発が再起動できるのか、びしびしと道筋を付けてほしい。泥をかぶってでもやる話だ」と強調した。
 九州電力玄海原発の運転再開を菅直人首相(当時)に反対されていた海江田万里経済産業相(同)は「ありがたい言葉」と発言した。この日の会合には菅氏は出席しておらず、再稼働に反対する意見は概要には記載されていない。
 自見氏は冬の節電策を決めた11月の会合でも「過度のポピュリズム(大衆迎合)に陥ることなく、再稼働について断固として対応してほしい」と述べた。
 東京電力の計画停電を了承した昨年3月13日の初会合、翌14日の会合の議事録は当時作られなかった。関係者が後に議事概要を作成したが、内容が乏しく、混乱抑止に向け閣内の議論が十分だったかどうか検証できない。(共同)
 [2012年3月9日23時50分]

 呆れ果てますね。本当に。

“100万人一斉避難は不可能”3月5日 22時15分
茨城県の橋本知事は、東海第二原子力発電所から30キロ圏内の市町村に住むおよそ100万人の避難について、茨城県内のバスをすべて動員しても、1回では24万人しか乗れず、全住民を一斉に避難させるのは不可能とする試算を初めて示しました。

これは5日に開かれた茨城県議会の代表質問で、東海第二原発での事故を想定した周辺住民の避難について橋本知事が答えたものです。
この中で、東海第二原発から30キロ圏内の市町村に住む106万人の避難についての試算結果を初めて示し、「県内にあるバスを総動員しても、1回では24万人しか乗れないため、一斉に106万人を避難させるのは不可能だ」と述べました。
この試算は、東京電力福島第一原発事故を受けて、国が、原発からおおむね30キロ圏内を対象に、避難などの地域防災計画策定を求めていることに対応して行ったものです。
マイカーでの避難は、渋滞を引き起こすため、茨城県内の路線バスや通園・通学用のバス合わせて7080台をすべて動員したと想定して試算したということです。
原発30キロ圏内の人口は、東海第二原発が全国で最も多く、橋本知事は「今後、国が原発から30キロ圏内を対象に具体的にどのような防災対策を示すのか注目したいが、避難の方法などは最も深刻な課題になる」と指摘しました。


 再稼働の場合には、一体どこにどのような手段で、避難させるのか、もちろんこういった内容をきちんと詰めておかなければなりません。事故は起きないでは済まされないのです。

 四国電力は、地元自治体に次のように述べています。放射能−飛んで来るまでに拡散するし、強風の場合は通過するこれが、電力会社の正体です。

 さて、使用済燃料プールの問題が片付いた、避難経路ができた(日本に逃げる場所など、もう残っていないとは思いますけどね)、その次に大きな問題はテロ対策。
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 日本でテロが起こらないとは言えないでしょうから、これは非常に重要な任務です。

ここまで、対策を取った上で、事故に対する賠償費用の担保も電力会社に出させて(固定資産はなんの価値もありません。放射能汚染されるんですから)、それでも原発を経営したいとなれば、もうその電力会社には市場から出て行ってもらいたいと私は思います。なぜ、これほどまでにして、毒物工場を稼働させるのですか。
 子どもに、「まだ、毒を作っているの?」と言われて、大人はなんと答えればいいのでしょうか。

最後になりますが、わたしが昨年の4月1日に書いた原発安全指針をご覧ください。今でも、これはただしいと思っています。

◆関連ブログ
「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。」2011年11月25日
「除染はボランティア」「値上げは権利」・・東電社長2011年12月23日
3号機の爆発−どう考えても核?(50万アクセス)
原子炉より危険なプール2011年06月20日
放射能−飛んで来るまでに拡散するし、強風の場合は通過する2011年07月14日
原子力発電所 安全基準(私案)☆☆☆!2011年04月01日
日本の原発立地状況2012年01月03日
タグ:再稼働
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2012年03月09日

4月からの食品の新基準とそれに反対する勢力


 今年の4月から、ゆるゆるだった食品の放射能基準がすこしだけ厳しくなります。

食品中セシウム 厳格基準を正式決定 2012年2月24日 夕刊
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 食品中の放射性セシウムの新基準値を話し合う厚生労働省の薬事・食品衛生審議会が二十四日開かれ、魚や野菜など「一般食品」の一キログラム当たり一〇〇ベクレルなど、現行の暫定規制値から四分の一〜二十分の一に大幅に厳格化する内容が正式に決まった。コメや牛肉、加工食品など一部を除き四月一日から適用する。

 新基準値は一般食品のほか、「牛乳」と、粉ミルクや市販のベビーフードなど新設する「乳児用食品」が一キログラム当たり五〇ベクレル、「飲料水」が同一〇ベクレル。

 暫定規制値は「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」が同五〇〇ベクレル、「牛乳・乳製品」「飲料水」が同二〇〇ベクレル。

 厚労省は、市場や消費者の混乱を避けるため一部食品に経過措置を設けた。コメは、二〇一一年産は暫定値とし、一二年産の収穫・流通が始まる時期に合わせて十月一日から新基準値とする。牛肉も冷凍保存されているものがあるため、十月一日から適用する。

 加工食品は三月三十一日までに製造、加工、輸入されたものは賞味期限まで現行の暫定規制値を適用。四月一日以降に製造、加工、輸入されたものは新基準値とする。

 茶や乾物などの基準値適用のルールも決めた。茶は原材料の状態では基準値の適用対象とせず、茶葉をお湯に入れた状態でセシウムの濃度を検査し、飲料水の基準値を適用する。乾燥シイタケなどは、原材料と、水戻しした状態の両方で調べ、一般食品として扱う。

 審議会では、厚労省が、子どもへの内部被ばくの健康影響を特に配慮した点や、新基準値の算出根拠をあらためて説明。昨年十〜十二月に各自治体などが行った検査で、新基準値を超えた食品は福島県で9・25%、福島県以外では1・13%だったことも報告した。

 新基準値をめぐっては、厚労省の諮問を受けた文部科学省の放射線審議会が二月十六日、了承する答申を出したが、乳児用食品などについて「厳しすぎる」と異例の注文も付けていた


 この異例の注文の記事は、こちらです。


【食品新基準で依頼メール】反対意見を「投稿要請」か 「福島の農漁業に影響」  放射線審の前会長
 食品に含まれる放射性セシウムの新基準値案について厚生労働省が実施していた意見公募に対し、案の妥当性について厚労省から諮問を受けた文部科学省放射線審議会の前会長、中村尚司(なかむら・たかし)東北大名誉教授が「(厳しい基準は)福島県の農漁業に甚大な影響を与える」などとして、公募期間中に「反対意見の投稿要請」とも受け取れる依頼を関係学会の会員らにメールで送っていたことが16日、分かった。

 メールには丹羽太貫(にわ・おおつら)現会長の名前も出していた。中村氏は「反対意見の投稿を要請したつもりはない」と話しているが、審議会前会長の立場で影響力を行使したとの批判も起こりそうだ。
 中村氏によると、1月20日前後に日本原子力学会の関係者を通じて学会下部組織の会員らに依頼文をメールで送った。実際、何人に送られたかは不明。
 メールでは新基準値案をめぐる同審議会の議論について「安全性の評価、社会的影響に関する検討がなされていなく紛糾している」とし「本案が施行されると福島県産の農産物、海産物が売れなくなる」「(福島)県民の感情を無視したもの」と指摘。意見提出の要領などを記載した、総務省が運営するインターネットサイトの宛先を添付した上で「ぜひ対応して頂くようお願いいたします」としていた。
 中村氏は「それぞれで考えて意見を出してほしいという趣旨だった」と説明。前会長の立場での依頼については「すでに会長を辞めており審議会にもタッチしていない」と話した。
 厚労省によると、意見公募は1月6日から今月4日まで実施。これまでに約1700件の意見が寄せられ、もっと厳しくすべきだとの意見は約1400件、厳しすぎるとの意見は約40件だった。
 中村氏は2007年3月から昨年2月まで放射線審議会会長を務めた。

◎投稿要請を厚労相が批判 文科相は容認

 文部科学省の放射線審議会前会長が、食品中の放射性セシウムの新基準値に対するパブリックコメントに、反対意見の投稿を要請するような内容のメールを関係学会の会員に送っていた問題について、小宮山洋子厚生労働相は17日の記者会見で「あってはならないこと。(反対意見の動員は)パブコメの本来の趣旨に反する」と批判した。

 一方で平野博文文部科学相は「専門家としての行動。審議会の議論に影響を与えていれば問題だが、そういう事実はない」と話した。


◎「専門家の集まり」と反論 厚労相が“生活者”強調

食品に含まれる放射性セシウムをめぐり、文部科学省の放射線審議会が、厚生労働省の新基準値案に「厳しすぎる」と意見を付けたことについて、小宮山洋子厚労相は17日の記者会見で「厳しすぎるとは思っていない。あちら(審議会)は放射線、原子力の専門家の集まり。生活者にどれだけ近いのか」と反論した。

 小宮山厚労相は「特にお子さんを持っている人には切実な問題。安全に加えて安心もしていただこうと考え設定した」と説明。「福島の生産者への影響も考慮すべきだ」との審議会の指摘には「福島県の農産物については農林水産省と十分に協議し、問題はないとなった」とした。パブリックコメント(意見公募)で「もっと厳しくしてほしい」との意見が圧倒的に多かったことにも触れた。
        (共同通信)2012/02/17 15:58


 こういう変な記事を見たら、名前が出てきた人を確認しなければなりません。今は、便利なので、すぐにわかります

中村尚司
1960 年代の大気圏核実験が世界中で盛んに行われていた頃の東京近辺で、気象庁が長年に渡って測定してきたCs-137 の空中放射能濃度は今より1 万倍も高かった
 この人が言っていたんですね。これがウソであることは、DVDでも話していますし、記事にもしています。
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 だれも調べないだろうと思って、こんな嘘をつけるとは大したものです。このくらいなければ、御用学者はとてもつとまりません。

丹羽太貫(京大名誉教授)
 この先生は、京都の花火さわぎの時にも名前が出てきました。この方の人生の目的はなんでしょうか。放射能は怖がる必要はないというのが、一生を通じて得た結論なのでしょう。私には全く持って信じられませんが。

 そもそも、福島県は放射能被害を一切認めていません。セシウムはないことになっています。いずれの作物も、全て「風評被害」で結論づけており、「放射能汚染」とは言っていません。
 ところが、「さいたさいたセシウムが咲いた」の下記ポスターがでると
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「セシウムさいた」抗議受け削除 講演タイトル、埼玉県教組
さいたま市で10日開かれる「国際女性デー埼玉集会」(事務局・埼玉県教職員組合)のチラシで、講演タイトルが「さいたさいたセシウムがさいた」とされていることに「福島県民を傷つけている」などの抗議が30件以上あり、県教組がタイトルを削除したことが8日、分かった
 なぜ、福島県民を傷つけていることになるのか、私にはさっぱりわかりません。放射能の存在は認めないないにもかかわらず、そこにあることはわかっているから、あると言えば「風評」被害と言い立てているのではないでしょうか。このポスターのビナード氏は、昨年6月に論説できちっと述べられています。

 フクシマコープ
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 いきなり度肝を抜かれるスライド・・基準が厳しくなると、プール遊びができなくなる
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(そんなに汚染されたところで、子どもにプール・・・)

食べて応援
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ボックス購入者の声
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コープからの提言
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 コープは、消費者の見方とばかり思っておりましたが、生産者をまもることが一番大事だったのですね。寡聞にして知りませんでした
 このスライドを見る限り、4月からの暫定基準値を超える農産物がかなり市場に出回っているわけですね。

 国は、水俣病で有機水銀の影響はないと説明し、サリドマイド剤では被害は出ていない、血液製剤ではAIDSが出ていないと強弁し、被害を拡大させてしまいました。放射能については、いったいいつ、気がつくことになるのでしょうか。


◆関連ブログ
セシウムは日本全国に降り注いだ2011年08月30日
本物の風評被害とは? アーサー・ビナード2011年06月06日
東大・専門家を信用するな2011年04月20日
タグ:P
posted by いんちょう at 21:11 | Comment(11) | 原子力

2012年03月08日

BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」3月1日放送から・・フィルムバッジをつける子どもたち


BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」3月1日放送から・・フィルムバッジをつける子どもたち
 先日、福島郡山市の屋外活動30分制限について、記事にしましたところ、次の情報提供がありました。

ちなみに、郡山市が独自の時間制限を設けたのは、市長が原発事故直後に「直ちに健康に影響はない」という政府の発表を垂れ流す一方で、自分の孫はいろんな理由をつけて関西にいち早く避難させたことを市民から追求されそうになったからです。

 真偽の程はわかりません。また、別の方からは次のような投書が

奇形と分かったご家庭には、保健師をはじめ次々と何人もで訪ねてくること。
妊娠中に突然、胎児の頭部が大きくなり、堕胎をすすめられた方。
口唇裂の赤ちゃんの診察のために病院に出かけた際、「ひとに見られたくない、聞か
れたくない」と
ひと目を気にする方には、病院の方から「お宅だけじゃないですよ。気にしなくても
大丈夫です」と声がかけられること。
実際、おなじ事情に苦悩する患者さんご家族どうしが、「ごろごろと」隣り合って病
院にいること…等々。


 一体本当のことはどこにあるのでしょうか。私にもわかりません。

BBCの素晴らしい放送がありましたので、ここで紹介いたします。なぜ、日本のテレビ局がこのような放送ができないのでしょうか。出てくる子どもたちは、まっすぐとカメラを見て話し、しっかり地に足がついた考えです。我々大人よりも、現状をしっかり把握していると言って良いでしょう。


消されましたので、Journeyman Picturesの申し立てらしい


BBCドキュメンタリー「津波の子供たち」_Japan's c... 投稿者 sievert311




「政府が大丈夫というけど本当に大丈夫なのか?誰も経験したことないんだものって思います」
「そんなに広がっているならすぐには消えないし、いくら除染したってそこからは無くならないものだから」
「放射線はそんなにすぐには無くならないと思う」

 なぜ、フィルバッジを持たせて、このような汚染地帯に、こんな素晴らしい子どもたちを放っておくのでしょう。政治は、なんのためにあるのでしょう。今回のガレキ拡散のキャンペーンに、環境省は9億円の宣伝費を博報堂に支払ったそうです。血税をキャンペーンのために湯水のごとく使う。そして、その広告費を嬉々として受け取るマスコミ。根本的に間違っているとしか思えません。

 この子どもたちの親の元には、次のような報告書が届きます。

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私が気になるのは、2番目の書類です。

「今回測定しているのは外部被曝線量ですので、のぞいているのは宇宙と大地からの放射線量です」

これをコントロールと言いますが、一体どこでこのコントロールを取っているのか。田村市役所に問い合わせる必要があります。もし、田村市の大地からの放射線量をのぞいているとすれば、とんでもない過小評価と言えます。

 この方の被曝線量は 0.16mSv です。これが多いか少ないか。どこをどう捜しても、私が福島第二原発に勤めていたときの被曝量手帳が見つかりませんが、私の5年間の総被曝量は、せいぜい0.3mSvのはずです。それを3ヶ月程度で被曝しているのですから、とんでもありません。子どもが被曝して良い線量では決してありません。

 ところが文科省は、放射線教育で教師に次のように教えるよう指導しています。
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 明確な証拠がないから、100mSv以下では病気が起きないと教えろと言うわけです。

この教科書に記述がないから、認めないというのは、中世のガリレオ・ガリレイが、地動説を唱えて宗教裁判にかけられたのと全くおなじ構図です。
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 この中世の宗教裁判を我々は、笑えるでしょうか。

捨てる神あれば拾う神あり。福島の皆さん、熊本は水俣病で国に健康を踏みにじられた経験があります。政府の安全宣言を決して信用していません。
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そして、肥田先生のこの言葉を

米国を「東電と政府」に変更すれば、全て今回の事態に当てはまると思います。

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posted by いんちょう at 21:20 | Comment(7) | 原子力
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