民族教育の権利を固守 |
教育に関する権利は、人間の尊厳と直接関連する、とくに重要な基本的人権の一つである。
「世界人権宣言」第2条、第26条と「国際人権規約」A規約第13条など、一連の国際法、また、日本の「憲法」第26条、「教育基本法」第3条などにも教育にかんする権利を明確に規定している。
にもかかわらず日本当局は、在日朝鮮人子女の民族教育の権利を認めず、非友好的な政策を実施してきた。
朝鮮総聯は在日同胞とともに、同胞子女達が当然享有すべき教育権をまもるため、ねばりづよい闘争をくりひろげてきた。
その結果、近年にいたって民主主義的民族教育の権利をまもるうえで新しい前進がもたらされている。
総聯のねばりづよい働きかけによって民族教育に対する処遇改善を求め「国際人権規約委員会」や「日本弁護士協会」が日本政府にたいし、勧告書を提出した。
こうして、日本の29都道府県、169の市町村が民族教育の正当性を認め、朝鮮学校へ各種の助成金を交付するようになり、JR定期券差別も是正された。
また、高体連,中体連競技参加資格、朝鮮高級学校卒業生の日本国立大学への入学資格、朝鮮大学校卒業生の大学院への入学資格と司法試験第一次試験受験資格も認められた。
民族教育にたいする差別全廃を求める世論は日増しに高まっている。 |
学校の管理運営 |
朝鮮学校は基本的に、在日同胞が自身の力で運営している。
朝鮮学校の管理運営は、朝鮮総聯の協力のもとに、教育会が責任をもって進めている。
教育会は、中央、都道府県、学校単位で、専任、学父兄を中心に組織されている。
教育会は同胞学父兄の愛国心と熱意を呼び起こし、学校運営に必要な財政をまかない、学校の施設や設備、環境をととのえている。 |
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学校を愛する運動 |
学校運営の自立的土台をしっかりと築くため、組織と全同胞をあげて学校支援運動を推し進めている。
この運動で中心的な役割を果たしているのは、各学校ごとにつくられた「オモニ会」、「アボジ会」をはじめとする学父兄たちである。
学父兄たちは、学区を基本により多くの同胞子女を朝鮮学校に入学させるため運動、学校を財政的に支援するための活動をくりひろげている。
昨今、3世、4世の新しい世代の同胞たちが1世や4世の後をつぎ、朝鮮学校をしっかりとまもっている。
学校を愛する運動は、同胞父兄だけでなく、総聯組織と商工会、女性同盟、商青会をはじめとする、各団体、事業体をあげて展開されている。
こうした実例は世界に類例がなく、在日朝鮮公民の民族教育においてのみ見られる運動である。
学校を愛する運動をつうじて、家庭と当該地域の朝鮮総聯組織と学校が緊密な連係をもつようになり、同胞たちの民族的団結をよりつよめている。 |
同胞の熱意に支えられ |
いかなる社会においても、そうであるように在日同胞にとって子女にたいする教育問題は、もっとも大きな関心の的になっている。
子どもたちの明るい未来としあわせは、民族教育によって保障されると確信する在日同胞は、学校をまもり、より発展させるための運動に積極的に参加している。
このように、朝鮮の学校は、学父母と同胞たちの教育にたいする熱意と支援のなかで、りっぱに運営されている。 |
世代交代のなかで |
こんにち、在日同胞社会では世代交替が進み、日本で生まれ育った新しい世代が圧倒的多数を占めるようになった。
世代交替とともに、民族教育の対象も大きく変わり、民族教育の最高学府である朝鮮大学校においても在日3世の教員が4世の学生を教える現象が生まれている。
こうした事実は、近い将来、5世を対象とする民族教育がおこなわれるであろうことを示唆している。
このことは、いままでの海外僑胞史に見られない新しい現象である。
世代交代のなかで、在日同胞は民族教育の発展に大きな期待をよせている。
在日同胞は子どもたちが日本に定住しても朝鮮人としての自覚と誇りをもって生きていくことをのぞんでいる。
朝鮮総聯は子女教育にたいする在日同胞たちの要求と念願は、民族教育によってのみ、実現することができると確信している。
在日朝鮮人運動の歴史が示しているように、同胞子女たちを次代をになう立派な朝鮮人に育てるためには、民族教育をよりいっそう発展させなければならない。
総聯と在日同胞は、民族教育をしっかりとまもり、ひきつづき発展させる決意に燃えている。 |