民族教育の目的 |
21世紀、民族教育を通して同胞子女たちを同胞愛と民族性に基づいた、なごやかで豊かな同胞社会を築く立派な担い手に育てなくてはならない。
朝鮮学校の教育目的は、すべての同胞子女たちをチュチェの世界観と民族的素養、「知・徳・体」をかねそなえた真の朝鮮人として、自分の祖国と民族の繁栄、同胞社会の発展のために寄与し日本や国際社会でも活躍できる、有能な人材を育成するところにある。
すなわち、祖国と民族を熱烈に愛し、他国や他民族の文化を尊ぶ人間、幅ひろい知識と健全な体力をもち、時代の変化に積極的に対応することができる自主的精神と創造的能力をそなえた、優れた人材を育てることにある。
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主体性、科学性、現実性 |
朝鮮学校の教育内容は、教育の目的にしたがって、最新科学の成果と同胞学父母の要求、また日本の実状を十分に考慮して定められている。
民族教育の基本内容は、なによりも教育でチュチェをうち立て、同胞子女が祖国と民族にたいする正しい知識をもち、民族自主意識を育むところにある。
それとともに科学性を保障し、同抱子女が自然と社会にたいする正しい知識と、科学的な世界観をもつことができるよう、最新科学と現代教育の成果が全面的にとりいれられている。
また同胞子女が生活する現実を考慮して、日本で生きてゆくうえで必要な知識を十分に習得できるよう、日本語と英語、日本や世界にかんする教育にも力を注いでいる。
このように民族教育の内容は、主体性、科学性、現実性を十分に考慮して構成されており、この方向にしたがって課程案と教科書が作成されている。
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課程案と教科書 |
民族教育の現課程案(2003学年度から実施)は、民族教育の目的を立派に遂行することに基本をおきながらも各国の教育の先進的な内容、特に日本の実情を考慮し、編成されている。
朝鮮総聯の各級学絞で実施されている課程案の内容は、つぎのとおりである。
まず、日本で生まれ育った新しい世代の特性にあわせて、国語と民族科目の教育を強化し、学生たちが正しい世界観と民族的素養をもつことができるように編成されている。
自然基礎科学科目は、算数、数学教育を充実させ、物理、化学、生物は統合して、理科料目とし、国際的な水準を保障できるように内容が定められている。
また、高度に情報化された社会環境にそくして、教育を現代化するために「情報処理」科目を新設し、中級部段階から教えている。
日本語教育は、日本学校と同じレベルでおこない、英語教育では技能教育、実践教育により力をいれる方向で内容を改編し、時間数も十分に割り当てられている。
社会、歴史、地理科目は、朝鮮についての知識を中心に教え、日本や世界にかんする内容の比重を従来よりも高めている。
美術、音楽科目は、民族的な内容とともに、世界的な名作を数多くあつかい、幅ひろい芸術的素養とゆたかな情緒を身につけるように編成されている。
総聯の各級学校で使用される教科書、124点(初級51点、中級31点、高級38点、ほか4点)は、総合的な教育図書出版社である学友書房が刊行している。
学友書房では、教科書のほかにも教材、参考書、雑誌など各種教育図書を年間340点、約35万部の出版している。
各級学校の学期区分、年間登校日数(228日)、年間授業週数と授業日数(35週、167日)および週当りの授業時間などは、日本の学校と基本的に同じである。
総聯は、民族教育をより実効性のあるものにするために2003学年度から「週5日制」を導入し、土曜日に課外授業や課外活動を行う措置をとった。 |