ランニングの先頭に立ってチームを引っ張るグランパスのDF闘莉王(左から4人目)=オーストラリアのゴスフォードで(木村尚公撮影)
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【ゴスフォード(豪州)木村尚公】名古屋グランパスは19日、アジア・チャンピオンズリーグ1次リーグ第2戦のセントラルコースト戦(21日・ゴスフォード)に備えて豪州入りし、当地で練習を行った。セントラルコーストはフィジカルに優れ、特にFWに長身選手をそろえているが、DF田中マルクス闘莉王(29)は空中戦は望むところと歓迎。アウェーでの勝ち点3奪取へ燃えている。
フィールドでは屈することなき闘莉王も、長旅を終えた空港ではグッタリしていた。17日にFC東京と戦い、翌18日夜に成田を出発。約10時間のフライトにゆられた揚げ句、早朝のシドニー空港では日本からの修学旅行生の一団にのみ込まれ、入国手続きを終えるまで1時間近くもかかった。
「疲れ? それは大丈夫です。そんなことも言ってられない」。最後尾でようやくチームメートと合流を果たし、苦笑いしていた。
それでも夕方の練習ではスパッとスイッチを切り替えるのが闘莉王。今度はランニングの先頭を切ってチームメートを引っ張った。「ここのところウチの試合は内容がよくない。グランパスらしい試合をして勝つ。それだけです」と語った。
闘志をかき立てられる相手だ。セントラルコーストは豪州特有のフィジカルなサッカーを持ち味としているが、特に脅威なのは2トップが予想されるイビニ・イセイとサットンの両FWだ。イセイが身長187センチ、体重88キロならサットンは188センチ、90キロ。ナイジェリア生まれのイセイは直近の17日の試合で強力ヘッドで決勝点を挙げている。
185センチの闘莉王は「オーストラリアだからね。でも、ウチにだってケネディがいるから」と自信満々。長身選手との競り合いなら194センチのケネディ相手で慣れている。J屈指のヘディングの強さを誇る男として、制空権は絶対に譲れない。
逆転負けを食らったFC東京戦の試合後には、「だらしない」とふがいない現状を嘆いた闘莉王。その魂のプレーが、アウェーの逆風をはね返す。
◆ピクシー監督、吉村ら呼び助言
移動の疲れも考慮され、この日の練習は調整重視の40分足らずのメニューで終えた。そんな中、ストイコビッチ監督が呼び寄せてアドバイスを授けたのがDF闘莉王、田中隼、MF吉村の3人だ。
吉村は「戦術的な話。守備の確認です。前の試合と同じことを繰り返してはいけないので」と説明。17日のFC東京戦では後半に3失点して敗れただけに、しっかりと修正へ手を打ったようだ。
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