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地熱発電 条件付きで垂直掘りも3月21日 18時15分
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原発事故を受けて、地熱発電の利用を促進するため、環境省は、これまで原則開発を規制してきた国立公園や国定公園の特別地域の一部で、垂直に井戸を掘ることなどを、条件付きではあるものの認める方針を示しました。
地熱発電は地下深くにある高温の蒸気などを使って発電するものですが、熱源のおよそ8割は国立公園と国定公園の中の、保護が必要な「特別地域」にあるため、開発は厳しく規制され、進んでいないのが実情でした。
原発事故を受けて、環境省は先月、特別地域の一部については、公園の外などから地下にある熱源まで斜めに井戸を掘る方法であれば、条件付きで認める方針を示し、検討を続けてきました。
その結果、地元住民などとの合意形成が進んでいることや、自然環境などへの影響を最小限にとどめるための技術や手法が投入されるなど、環境の保全と開発の調和が十分に図られると判断された場合に限り、特別地域の一部で、垂直に井戸を掘ることや、発電施設の設置も認める方針を決めました。
検討会の委員で、地熱開発会社社長の中田晴弥さんは、「斜め堀りだけだと、コストがかかるうえ、今の技術では掘削距離にも限界があった。条件付きではあっても、特別地域で垂直に井戸が掘れることは大きな進歩だ」と話しています。
一方、国立公園協会の鹿野久男研究員は「国民の財産である国立公園は、自然の姿が守られるべきで、特別地域内での垂直掘りは認めるべきではない」と話しています。
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