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東電“継続可能”明確に説明せず
3月21日 18時45分

東電“継続可能”明確に説明せず
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東京電力が企業向けの電気料金の値上げを予定していることについて、埼玉県川口市の工業団地が値上げには応じられないとして、ことし1月から1か月余りに渡って交渉しましたが、この間、東京電力が、契約を更新するまでは今の料金の継続が可能なことを明確に説明していなかったことが分かりました。

埼玉県川口市の鋳物工場など中小企業83社がある「川口新郷工業団地」では、団地の協同組合が東京電力と契約を結び、一括して電気を購入しています。
ことし1月、東京電力は、4月から15.8%の値上げを要請してきましたが、組合は一方的な値上げには応じられないとして、ことし1月末から今月初めまで、担当者を呼んで5回にわたって交渉しました。
組合によりますと、この中で、組合が値上げしないよう求めたのに対し、東京電力はできないとして、話は平行線で、今月初めに交渉はいったん打ち切られました。
1か月余りにわたる交渉の中で、組合が値上げ分を支払わなければ送電を止めるか確かめたところ、東京電力は止めないと答えましたが、契約を更新することし9月までは、今の料金の継続が可能なことについては、明確な説明がなかったということです。
川口新郷工業団地協同組合の石川義明理事長は、「東京電力は1か月以上、契約について詳しい説明をしておらず、誠実さが感じられない」と対応を批判しています。
これについて、東京電力埼玉支店の坂井田健司営業部長は、「当社の厳しい収支状況等から、現在の契約にかかわらず、来月1日付けでの値上げをお願いしている。契約期間中は双方の合意がなければ契約内容の変更はできないので、値上げに了解いただけないかぎり、一方的に値上げすることはできないが、理解いただけるよう努め、新料金での契約について誠心誠意お客様に説明していきたい」とするコメントを発表しました。

世田谷区“だまし討ちだ”

東京電力が予定している企業など向けの電気料金の値上げを巡り、来月1日以降でも契約期間が残っている場合は現在の料金が継続可能なことを、十分に説明していなかったことについて、東京・世田谷区は「だまし討ちと言ってもよく、到底納得できない」と批判しています。
世田谷区では、「脱東電」の一環として、来月1日から区の施設の半数に当たる111の施設で、PPS=特定規模電気事業者から電力の供給を受けることになっていますが、残るおよそ100施設については、東京電力との契約を継続することにしています。
これらの施設の電気料金について、東京電力から先月上旬に値上げを説明する文書が届き、「お客様が新しい電気料金にご了承いただけない場合には、誠に恐れ入りますが、本書をご確認後、3月30日までに当社までご連絡いただきますようお願い申し上げます」と書かれていたということです。
これについて、世田谷区の保坂展人区長は、「東京電力の説明の文書は、今の料金を継続できるということを理解できる書き方に全くなっていない。だまし討ちと言ってもいい説明のしかたで、到底納得できない」としています。
世田谷区では、今月16日に東京電力に対して、契約が続く施設については来月からの一斉値上げに応じないことを伝えたということです。
区によりますと、これによって、およそ1500万円の電気料金を支払わずに済むということです。

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