この記事では1について軽く解説した後、2について重点的に解説を行う。
概要
「荒らし」という言葉は「荒らす」という動詞の名詞系である。
荒らさず 荒らし 荒らす 荒らせ 荒そう の「さしすせそ」の活用の一つ。
「荒らす」という単語には以下のような意味などがある。
- ぐちゃぐちゃにする。乱雑にする。乱す。
- ほったらかしにする。
- 破壊する。傷を付ける。
- 盗む。妨害する。
「荒らし」は「荒らす人」または「荒らす状態」の意味でよく使わる。
「〇〇荒らし」のように別の単語と合わせて使われることも多く、場合によっては犯罪者として扱われる。(例:車上荒らし、畑荒らし)
また、「荒らし」は「インターネット上の環境を荒らす人」の意味でも使われこの記事では以下それについて解説を行う。
荒らし(インターネット用語)
インターネット上において「荒らし」とは、不特定多数が利用可能なウェブサイト(電子掲示板・ウェブチャット・ブログ等)において、他人が不快に思うような書き込み・発言をして荒らす人・荒らす行為を指す用語である。インターネット黎明期から存在し、1980年代のパソコン通信から多数の人間が利用する環境の場を乱す人間はいた。
しかし、どのような行為が荒らしに該当するかは主観によるところが大きく、行為者にその意図がなくとも荒らしと捉えられることがある。
実際に、そういった場所を荒らしている人間の目的はいろいろ考えられるが、みんなを不快にして反応を楽しむことなどが挙げられる。
類型
- 自分より優れている者・人気がある者が許せない・気に入らない(嫉妬型)
- 自分の存在感・優位性を主張する(自己主張型)
- 一時の突発的な感情を発露する(激情型)
- 他人に心酔し他の意見や主張を顧みない(盲信型・信者型)
- 挑発や煽動によって荒らしを増長しようとする(煽動型)
- 荒らしに対して過剰に反応する(反応型・便乗型)
- 自分が荒らしであると自覚していない(無自覚な荒らし)
対策
基本的に荒らしに対してはむやみに反応しないことが賢明な対応であると考えられる。
「荒らしに反応する者も荒らし」とも言われる。
荒らしの大多数は、他人の意見に耳を傾けることも、自分の行動に対して疑問を抱くこともないとされる。そうした者たちに理を唱えても聞き入れられる可能性は低いと予想され、逆に感情を逆撫でして荒らしに拍車をかけてしまう危険がある。
かといって荒らしと同じ土俵に乗って、互いに罵り合うような対応もまた論外と言える。このような対応をする者は、荒らしと同列にみなされてしまう場合がある。
荒らしに対しては、徹底的に無視を決め込むのが効率的かつ効果的な対処法であることが経験的に明らかにされている。荒らしを放置して何もなかったかのように振舞うことができれば、ほとんどの荒らしは自然と沈静化・消滅すると言われている。
問題点
主に趣味による繋がりを基本とするコミュニティにおいては、異なる価値観に基づく事柄や、偏った知識・感性に基づく不合理な内容、または誤った書き込みを延々と続ける人が飛び込んだ場合、その人が他者に対しての攻撃性を持っていなくても「書き込み内容が不愉快」、「気分が悪い」という理由で「荒らし」と認定し、排除する方向に動くものも多い。たとえ「徹底的に無視を決め込んだ方が良い」という声があがっていても、「我慢出来ずに手を出してしまう」者が、多いのである。これが前述する「荒らしに反応する者も荒らし」である。
荒らしに反応した者もまた、荒らしを懲らしめて追い出すことで沈静化を図ろうとしている、と考えているから、「自分が荒らし行為をしている」という自覚は持っていない。また見過ごせない理由は、「自分たちが嫌な思いをしているのに、相手だけが嫌な思いをしないのは不公平だ」とか、「この場に相応しくない」という価値観に基づくものであるとも言えよう。
また、一人ひとりが、各々の人生経験などにより構築されてきた個人的な価値観の違いや、モラルに対する意識の食い違い・ぶつかり合いが原因となって、ルールが明文化されていないにもかかわらず「相手はルールを破っている」という錯覚を引き起こしやすいことも、荒らしに反応する原因の一つと成りうる。
このような閉鎖的で他律的な価値観を参加者に押し付けるコミュニティの形成が、まさしく「荒らし」を生み出す温床となっているにもかかわらず、「閉鎖的かつ他律的なコミュニティの方が気分良く居られる」と信じこんで、このことに気がついていない人が多いのが現状である。
留意点
荒らしと批判の違い
荒らしに対して過敏なネット利用者は、論拠・論点を明示したまっとうな批判意見さえ荒らしであると一方的に決め付けてしまう傾向がある。これは、インターネット上の発言は常に好意的に行われるべきという誤った認識に支えられた理屈である。換言すれば「和を乱すもの=荒らし」であるという論理である。
言論の自由の原則から考えると、これは褒められた風潮とは言い難い。批判意見が無条件に弾かれてしまう共同体は、イエスマンのみが集った小集団にならざるをえず、その意見・価値観は閉鎖的で先鋭的なものになりがちである。このことがかえって、荒らしを生み出す温床になることさえある。
ある意見を荒らしであるか批判であるかを判別するのは、高度な常識が要求されるため難しい側面がある。ただし論拠と論点の両方を明示して表明される意見に関しては、少なくとも単なる荒らしとは異なる対処法が必要になってくる。
- 発言に対する反応は、慎重に言葉を選んで行う
- 常に論拠と論点を明確にしながら議論を進める
- 相手を中傷・罵倒・恫喝するような発言は避ける
- 議論の本筋に関係のない煽り文句はすべて無視する
- 議論が白熱するような場合は、違う場所に議論の場を作成しそこへ誘導する
以上の手順を踏んでもまともな議論にならないような場合は、荒らし(もしくはその予備軍)とも考えられる。
荒らし(ニコニコ動画)
ニコニコ動画の荒らしは特定の動画や投稿者を貶める意図をもって行われることが多い。ニコニコ動画における代表的な荒らしは「コメント荒らし」と呼ばれるもので、動画開始0秒時点での弾幕コメントや大きく目立つ色(cyan big等)での中傷コメントなどの例がある。他にも、動画の内容と無関係なタグを付けたり、いたずらにタグを削除する「タグ荒らし」、同様の行為をニコニコ市場で行う「市場荒らし」などが存在する。
どのような行為がコメント荒らしになるかは人それぞれ異なる(たとえば弾幕やコメントアート等も荒らし行為の一種だと捉える向きもある)。
くれぐれも荒らしに反応(反論・嘲笑・議論などの書き込み)をしてはいけません。
例:「荒らしは友達いない可哀相な子、暇人ニート、かまってちゃん」などのレッテル貼り
「荒らし消えろ、うざい、死ね、」などの他のユーザーが見て不快な中傷表現
「1人NGにしたらスッキリ、NG登録余裕でした」などの無駄な報告や呼びかけ
コメント荒らしについては、NGワード設定を上手く使うことである程度回避することができる(→NG推奨ワードの一覧)。NGワード設定数には上限が定められているので、NGワード登録数が足りないと思ったらオミトロンを導入するのも有効な手段である。また、動画下の「不適切なコメントの通報」を利用することでコメントの削除とコメントしたユーザーのコメント制限ができる(通報4回目から無期限禁止)。こちらも活用すると良いだろう。
タグ荒らしに対しては、投稿者であれば登録タグをロックしてしまう方法もある。
関連動画
関連用語
関連リンク
- 妄想家(?)学毒本 こんなにヘンだよ!胡座類
(荒らしについての研究サイト。荒らしに迷惑している方はぜひご活用下さい)
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E8%8D%92%E3%82%89%E3%81%97
読み:アラシ
初版作成日: 08/05/13 19:49 ◆ 最終更新日: 12/03/07 19:09
編集内容についての説明/コメント: 一部加筆
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