【ワシントン=中山真】アフガニスタンで子ども9人を含む16人が死亡した米兵による銃乱射事件から約1週間を経て、容疑者の米兵の経歴が明らかになりつつある。対テロ戦争の前線で頻繁な従軍を強いられる一方、国内では金融危機による経済的困難に直面。米同時テロ後の10年で米社会に刻まれた爪痕が改めて浮きぼりになっており、米国内で論議を呼んでいる。
「知りたいのは彼に一体何が起こってしまったのかだ。だれかが解き明かしてくれることを望んでいる」。米軍2等軍曹のロバート・ベイルズ容疑者(38)の高校時代からの友人は18日、CNNのインタビューで苦悩混じりに語った。
この友人によると、ベイルズ容疑者は高校時代はフットボールの有力選手として人気を集める一方、障害を持った子供たちにも気を遣う優しい青年だった。2001年の米同時テロ発生の直後に陸軍に入隊。「米同時テロが彼の人生を変えたのかもしれない」と話す。入隊後にはたびたび暴行容疑などで訴追されることもあった。
米メディアによると、ベイルズ容疑者はアフガニスタンに派遣されるまでに3度のイラク戦争への従軍を経験。その間に足の一部を失ったほか、乗車していた車両の事故で頭部に負傷する不幸にも見舞われた。軍関係者によると「心的外傷後ストレス障害を引き起こす可能性があると診断された」という。
米国では長期化した対テロ戦争の結果、兵士の多くが何度もイラクやアフガニスタンの前線に向かった。ベイルズ容疑者もその一人で、妻が昨年3月に記したブログによると3度のイラク勤務後に国内勤務ができるよう昇進を希望したが、かなわなかった。「失望し、悲しかった」と妻は訴えた。
前線派遣を断れなかった背景は経済的な困窮だったとされる。05年に購入したベイルズ容疑者夫婦の家はローンの支払いが困難になり、売りに出されたばかりだった。金融危機の影響で不動産市場は低迷し、売り出し価格は購入した金額よりも2割弱低い額だった。
16日に米カンザス州の軍収容施設に移送された容疑者は週内にも訴追される見通し。だが容疑者が事件直前に酒を飲んでいたことは確認されたものの、犯行の動機にはなお謎が残っている。
テロ
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