ＡＫＢグループ特別公演であっちゃん号泣

　東日本大震災発生から１年を迎えた１１日、人気アイドル集団、ＡＫＢ４８が東京・秋葉原のＡＫＢ４８劇場で震災復興支援特別公演を行った。姉妹グループを含む計４都市の劇場で同時開催され、震災発生時刻の午後２時４６分に２８２人のメンバー全員で黙とう。前田敦子（２０）は被災地に思いを馳せ、号泣。ＡＫＢメンバーで唯一被災した仙台市出身の研究生、岩田華怜（１３）は、涙ながらに「被災地の希望の光になりたい」と故郷への思いを語った。

　震災発生から１年を迎えた１１日午後２時４６分。秋葉原の劇場では、研究生を含む９０人のＡＫＢメンバーが勢ぞろいした。

　メンバーを代表して高橋みなみ（２０）が「震災では２万人近い尊い命が奪われました。復興への思いを込めて全員で黙とうをさせてください」とあいさつ。姉妹グループも別会場で、２８２人のメンバーが１分間の黙とうを捧げた。

　被災地に思いを馳せた大島優子（２３）は涙をぬぐい、前田敦子は手で口を押さえて号泣。前田は嗚咽を漏らすあまり呼吸が荒くなり、スタッフに支えられて数分退席するハプニングもあった。が、震災直後に立ち上げた支援プロジェクトの名称でもある「誰かのために」を全員で合唱する際には一緒に歌った。

　ＡＫＢグループはこれまでに約１２億５０００万円の義援金を被災地に寄付。昨年５月からは毎月数人のメンバーが被災地を訪問し、ミニライブや握手会を行うなど支援を続けた。また、この日、入場無料だった４劇場と国内外の公式ショップ９店舗に募金箱を設置し、１日で計２０４万５１５円が集まった。

　被災地を訪問したメンバーは、ステージでそれぞれに感じた思いを吐露。岩手県出身のチームＡ、仲谷明香（２０）ら東北ゆかりの２人のメンバーも思いを述べた。

　１２期研究生の岩田華怜（１３）は、ＡＫＢ仮合格後の最終セレクションを２日後に控えた震災当日、仙台市の自宅で被災。１週間の避難所暮らしでも自主レッスンに励むなど、壮絶な体験を乗り越えてＡＫＢメンバーの夢をつかんだ。

　研究生では唯一被災地を訪問した岩田は支援を続けるメンバーやファンに感謝を述べ、「私が常に噛みしめている言葉があります。『今、私たちが生きている今日は、亡くなった皆さんが生きたかった今日です』。私たちなりの方法で被災地の希望の光になりたいです」と大粒の涙をこぼしながらあいさつ。誰よりも重い言葉だった。

　今後も支援活動を続け、ＡＫＢグループ全メンバーが被災地を訪問する方針で、「支援活動の期限は決めていない。時間をかけてでもメンバー全員を被災地に訪問させたい」と運営サイド。高橋も「１人１人では微力でも力を合わせて行っていきたい」。国民的アイドルたちは、東北にいる誰かのためにこれからもエールを送り続ける。

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