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仙台で被災したAKB岩田が故郷元気づける…パジャマで外へ、車中で一夜

デイリースポーツ 3月11日(日)7時19分配信

仙台で被災したAKB岩田が故郷元気づける…パジャマで外へ、車中で一夜
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 「心の中には常に仙台がある。でも今はここがわたしの居場所です」。そう語った岩田華怜は力強く前を見据えた=東京・秋葉原のAKB48劇場(撮影・出月俊成)
 東日本大震災の発生から11日で1年が経過した。1万5000人以上の死者を出し、今もなお3200人以上が行方不明という未曽有の大災害となったが、被災地は少しずつ復興への道を歩んでいる。仙台市の自宅で震度6強の揺れに襲われたAKB48研究生の岩田華怜(13)が、上京した今も頭から離れない地元への思いを語った。

 とてつもない恐怖に襲われた。昨年の3月11日、当時小6の岩田は体調を崩して学校を休み、自宅マンションに1人でいた。自室で横になっていた午後2時46分、感じていた揺れがすさまじいものになった。「怖い」。12歳はパジャマ姿のまま、靴もはかずに外へ飛び出した。2日後に東京で予定されていた、AKB12期生の最終セレクションも頭から消えていた。

 何がなんだか分からないまま過ぎた1日だった。父親とは2時間後に合流できたが、母親と連絡が取れなかった。近所の小学校も人があふれていたため、父と車中で不安な一夜を過ごした。翌日に母と再会したものの、自宅は立ち入り禁止になっていた。その後は4月中旬ごろまで祖父母の家と、再稼働していなかった父の会社で生活した。

 震災の影響でセレクションは4月下旬に延期されていた。激変した生活に夢だったAKBを一度はあきらめたが、「AKBに入れば、そこの一員として故郷を元気づけられるんじゃないかな」と思い直した。母親の後押しもあり上京を決意。見事に合格した。

 研究生として多忙な日々の中、地元を忘れたことはない。200人以上いるAKBグループのメンバーで唯一、東北で被災した少女は昨年11月、前田敦子(20)らと岩手県陸前高田市を訪問した。幼い頃から海水浴に行っていた思い出の地だった。「泣かないって決めて家を出たんですけど、流されたランドセルとか見たらもうダメで…」。変わり果てた光景を思い出し、また目を潤ませた。

 復興の力になりたいと願う13歳は毎朝、家を出る際に心に誓うフレーズがある。「今、私たちが生きている今日は、亡くなった方々が生きたかった今日です」。昨年の都市対抗野球でJR東日本東北の主将が選手宣誓で発した言葉だ。きょう11日も胸に刻み、特別公演の行われる秋葉原の劇場へ向かう。忘れられない「3・11」。岩田が故郷のために、ありったけの思いを込めたパフォーマンスを届ける。

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最終更新:3月11日(日)10時23分

デイリースポーツ

 

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