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大阪市:労働者らのごみ収集妨害を放置 新規業者を追放--西成・あいりん地区

 大阪市西成区・あいりん地区のごみ収集作業を受注した東淀川区の清掃会社が、地元業者に委託するよう求める労働者らの妨害で業務ができなくなり、市から一方的に契約を解除されていたことが分かった。大阪市は妨害を放置した末、契約解除後は自分たちでごみを集めているが、契約を切られた清掃会社から補償を求められる可能性もある。橋下徹市長が西成区特区構想などで地域の活性化を目指すなか、弱腰な姿勢が批判を浴びそうだ。

 市などによると、問題の作業は、通称「三角公園」を含む4公園の事業系一般ごみ収集で、昨年3月に競争入札があった。06~08年度と10年度に受注した地元業者など計16社が参加し、清掃会社が2024万円(処理量88万キロを想定)で落札した。

 清掃会社は昨年4月4~13日に計3回、三角公園などに設置された計5カ所のごみ置き場で収集しようとしたが、数十人の労働者に囲まれ妨害された。

 ごみ置き場には以前から、労働者を仕切っている地域住民団体の代表らが産業廃棄物を不法投棄。前年度まで受注していた地元業者の役員が地域のボランティア団体の会長を兼務しており、この団体が労働者に日当を払って一般ごみとの仕分けをさせていた。妨害の背景には、清掃会社がこの仕分け料の支払いを拒否したことがあるとみられる。

 清掃会社は警察に相談したが、発注元の大阪市が解決すべきだとの認識だったため、市に対応を要請。しかし、市は清掃会社、労働者との3者協議を開いただけで、積極的な事態の収拾に乗り出さなかった。

 労働者側は「日当を払わない業者なら作業を妨害する」などと強硬な姿勢を堅持。市は妨害をやめるよう指導したり被害届を出したりすることもないまま、4月14日から自らごみ収集に乗り出し、妨害行為を止められないとの理由で昨年8月、清掃会社との契約を打ち切った。

 所管する大阪市天王寺動植物公園事務所は「清掃会社から訴訟を起こされる可能性はある」との認識を示し「円滑に収集することを最優先に考えた。市が収集するので契約を解除せざるを得なかった」と釈明。地元業者の社員は毎日新聞の取材に「作業を妨害するよう労働者を扇動した事実はない」と話し、地域住民団体代表の男性は「地域に金を払わない業者は受け入れられない」と強調している。【松井聡】

毎日新聞 2012年3月17日 大阪夕刊

 

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