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Windows Update適用後の自動再起動を抑制する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2010/04/02
対象OS
Windows Vista
Windows 7
Windows Server 2008
Windows Server 2008 R2
Windows Update(Microsoft Update)の推奨設定では、修正プログラムを自動的にダウンロードして、その後に適用するようになっている。
指定した時間にPCの電源がオフになっている場合、電源をオンにした段階で修正プログラムの適用が開始され、場合によっては再起動が実行されてしまう。
グループ・ポリシーやレジストリの設定で、再起動を抑制できる。

解説

 TIPS「Windows 7/Server 2008のWindows Updateの使い方(基本編)」で解説しているように、Windows Vistaより前のWindows OSと、Windows Vista以降では、Windows Update(Microsoft Update)の仕組みが大きく変わっている。これに伴い、特に推奨設定となっている「修正プログラムの適用まで自動実行」を選択した場合の動作が変更されている。

 具体的には、「修正プログラムの適用まで自動実行」を選択していると、適用すべき修正プログラムの検出と、マイクロソフトのサイトからのダウンロードがバックグラウンドで行われ、さらに、あらかじめ設定した頻度と時刻で適用が自動実行される。場合によっては、修正プログラムの適用後、Windows OSにより通知が表示されてカウントダウンが始まり、デフォルトでは5分で自動的に再起動が行われる。スケジュールした時刻にコンピュータがスリープしていた場合は自動的に復帰(レジューム)して適用が行われ、電源オフあるいは休止状態の場合はシステム起動時に適用が行われる。

 そのため、出勤してPCの電源を入れてしばらくすると、再起動が行われてしまったということも起こりうる。再起動を行う旨を警告するダイアログが表示されるものの、席を外していたり、PCの画面を見ていなかったりして、知らない間に再起動が実行されてしまったという経験を持つ人もいるだろう。場合によっては、保存していないデータがあるにもかかわらず再起動してしまうこともあるので注意が必要だ。

Windows Updateの再起動を警告するダイアログの画面
このような警告ダイアログが画面に表示されるが、席を外しているなどして、画面を見ていない場合は、知らない間に再起動が実行されてしまうことになる。なお、画面は一度、再起動を遅延させた場合のため、カウントダウンの時間が15分と長くなっている(デフォルトではこの時間は5分になる)。
[後で再起動]ボタンをクリックすると、再起動の遅延ができる。
後で通知する時間が「10分」「1時間」「4時間」から選択できる。

 こうした事態を防ぐには、コンピュータが自動的に再起動しないように、Windows Updateの設定を変更すればよい。ただし自動的に修正プログラムを適用する推奨設定のまま、再起動を抑制する方法の場合、Windows Updateアプレットでは行えず、グループ・ポリシーか、レジストリの操作が必要になる。ここでは、その設定方法を解説する。

操作方法

 もっとも簡単な方法は、Windows Updateの設定を[更新を自動的にダウンロードするが、インストールを行うかどうかは選択する](Windows 7/Server 2008 R2)に変更すればよい。これで、自動的に修正プログラムが適用されることがなくなるため、自動的な再起動も行われなくなる。しかしこの設定にすると、手動で修正プログラムの適用を指示する必要があるため、いつまでも修正プログラムが適用されず、セキュリティ的に危険性の高い状態が続く可能性がある。

 これを回避するには、推奨設定である[更新プログラムを自動的にインストールする]を選択しておき、以下の方法で自動的に再起動が実行されないようにするとよい。

■グループ・ポリシーを利用する方法
 Windows Vista Business/Enterprise/UltimateやWindows 7 Professional/Enterprise/Ultimateは、グループ・ポリシーにより、Windows Updateの自動更新による再起動を抑制する設定が可能だ。

 ローカル・グループ・ポリシーで設定する場合は、変更したいPC上でローカル・グループ・ポリシー・エディタ(gpedit.msc)を起動する。Active Directory環境で設定を行う場合は、適用したいActive Directoryのグループ・ポリシーを選択した上で、グループ・ポリシー管理コンソールを利用する。設定する項目はどちらも同じだ。ここでは、Windows 7のローカル・グループ・ポリシーで設定する場合を例に手順を解説する。

 まず、[スタート]ボタンをクリックし、[プログラムとファイルの検索]の検索ボックスに「gpedit.msc」と入力し、ローカル・グループ・ポリシー・エディタを起動する。

 次にローカル・グループ・ポリシーの左ペインのツリーから[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[Windowsコンポーネント]−[Windows Update]を選択し、右側のペインから[スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない]を開く。[スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない]の設定ダイアログで、[有効]を選択すれば、ログオンしているユーザーがいる状態では自動的な再起動が行われなくなる(再起動が必要なことを警告する通知は行われる)。

ローカル・グループ・ポリシー・エディタの画面
ローカル・グループ・ポリシーの左ペインのツリーから[コンピューターの構成]−[管理用テンプレート]−[Windowsコンポーネント]−[Windows Update]を選択し、右側のペインから[スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない]を開く。
[Windows Update]を選択する。
[スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない]をダブルクリックして開く。→

[スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない]ダイアログの画面
このダイアログの設定を[有効]()に変更する。これで、自動的に再起動が行われることはなくなる。

■レジストリを操作する方法
 Windows Vista Home Premiumや、Windows 7 Starter/Home Premiumではグループ・ポリシー・エディタがないため、上記の方法では再起動が抑制できない。この場合は、レジストリを操作すれば、再起動を抑制できる。

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ・エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。

 [スタート]ボタンをクリックし、[プログラムとファイルの検索]の検索ボックスに「regedit」と入力し、レジストリ・エディタを起動する。以下のレジストリの値を「1」にセットする。なお、「\WindowsUpdate\AU\」キーが存在しない場合(デフォルトでは存在しない)、まず、このキーを作成すること。次にAUキーを選択した状態で右側ペインでDWORD(32ビット)値を新規に作成し、これの名前を「NoAutoRebootWithLoggedOnUsers」とし、データに「1」をセットする。これで、ローカル・グループ・ポリシーの[スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない]を有効にした状態と同じになる。なおこの設定は、再起動後に有効になる。

項目 内容
キー HKEY_LOCAL_MACHINEのSOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate\AU\
値の名前 NoAutoRebootWithLoggedOnUsers
REG_DWORD
値の内容 1
自動更新による自動再起動を抑制するためのレジストリ値

 いずれの場合も、この方法で再起動は抑制されるようになるが、再起動を行わないと修正プログラムの適用が終了しない(つまりセキュリティ的には危険な状態が続く)ので注意が必要だ。なるべく早く手動で再起動を指示し、修正プログラムの適用を完了させた方がよい。End of Article


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