センター再試験:またトラブル 受験1人断り一転、容認

2012年1月21日 20時47分 更新:1月21日 22時12分

度重なるトラブルについて記者会見する惣脇宏理事=東京都目黒区で2012年1月21日午後5時50分、尾籠章裕撮影
度重なるトラブルについて記者会見する惣脇宏理事=東京都目黒区で2012年1月21日午後5時50分、尾籠章裕撮影

 トラブルが多発した大学入試センター試験の再試験は21日、問題冊子の配布ミスが多発した「地理歴史」と「公民」に計212人が受験した。東京国際大(埼玉県川越市)では、会場を訪れた同県の男子受験生1人の受験をいったん断った後に一転して受験を認めるトラブルが発生。受験生は40キロ離れた大学入試センター(東京都目黒区)に移動し、予定より約4時間遅れで受けた。センターは再発防止に全力を挙げる方針で臨んだが、再びずさんな対応になった。

 センターによると、地歴と公民の再試験対象は3452人。東京国際大の対象者は136人で、同大が20日までに希望者と判断したのは10人だった。男子受験生は希望者に含まれず、21日に再試験のため、同大を訪れた。大学側は同日午前9時すぎに受験の可否をセンターに問い合わせ、センターは大学が希望者と判断していなかったため、受験を認めず、男子受験生は帰宅した。

 だが、受験生への事前の意思確認が不十分だった恐れがあり、センターの吉本高志理事長が希望を改めて確かめ、受験を認めることを決定。新宿駅まで来た男子受験生を車でセンターまで連れてきて、午後1時15分から試験を実施した。センターでの試験実施は初めて。

 大学によると、同大の担当者は18日夜に男子受験生に電話して希望の有無を問い合わせた際「今すぐに回答できない」と答えたため、19日午前11時までに返事を待ったが連絡がなかったため、希望なしと判断したという。センターによると、意思確認ができなくても会場に来れば受験できるよう指導していたが、担当者同士に趣旨が徹底されていなかった。

 センターの惣脇(そうわき)宏理事は「不適切な判断で受験生に大きな負担をお掛けし、おわび申し上げます」と謝罪した。

 21日は、地歴、公民のほか、外国語(筆記)と英語リスニングで計12人が受験したが、大きなトラブルはなかった。英語リスニングでは、ICプレーヤーの届け忘れがあった宮城県立気仙沼高校(気仙沼市)で、待機中に体調不良となった1人も受験した。この日は病気や事故を理由とした追試験も始まり、再試験と追試験は22日まで行われる。【木村健二、平川昌範】

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