2012年1月21日 10時43分
【ワシントン白戸圭一】インターネット上の音楽や映像の著作権を保護するため米議会が早期成立を目指していたオンライン違法コピー(海賊行為)防止法案の採決が延期されることになった。ネット業界の反発を受け、民主・共和両党の有力議員が20日、延期を発表した。
法案は音楽や映像の違法コピー商品を販売する海外サイトの取り締まりが目的で、著作権侵害の疑われるサイトの削除や閲覧停止を可能にする条項が盛り込まれている。著作権者らの団体が支持する一方、ネット業界は「ネットの自由と公開性に深刻な打撃を与える」として反発している。百科事典サイト「ウィキペディア」を運営するウィキメディア財団が英語版サイトを一時閉鎖するなど抗議が広がっていた。
24日の採決を予定していた上院のリード院内総務(民主)は20日、「最近の出来事を考慮し、採決延期を決断した」との声明を発表、法案を所管する司法委員会に対して、ネット業界などと協議して数週間以内に妥協案を作成するよう要請した。下院司法委員会のスミス委員長(共和)も「広範な合意を得られるまで審議を延期する」との声明を出した。