世にたくさんの推理小説あり。しかし、あまりにたくさんありすぎて何を読んだらいいのか迷う人も多いのでは……。そこで今回はミステリ好きの筆者が、結末であっと驚けるミステリを厳選してみた!
あらすじ:「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして—。
詩的なタイトルだが、本文はそれほど詩的でもない。しかし、そのタイトルの意味が明かされたときは静かな感動がある。もちろん推理小説としての仕掛けも超一流で、最後まで読むと驚きがある。
『イニシエーション・ラブ』乾くるみ
あらすじ:僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説—と思いきや…
最後から二行目で物語が反転すると話題になった本。物語は2章からなり、普通の恋愛小説のよう。正直、最後から2行目を書くためだけに書かれたような本……。勘の良い人は途中で仕掛けに気付くかもしれない。
『夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)』麻耶雄嵩
首なし死体が発見されたのは、雪が降り積もった夏の朝だった!20年前に死んだはずの美少女、和音の影がすべてを支配する不思議な和音島。なにもかもがミステリアスな孤島で起きた惨劇の真相とは?メルカトル鮎の一言がすべてを解決する。絶海の孤島で連続殺人が起きるという本格ミステリの王道を行く小説。結構長い話で途中衒学じみた興味深い知識も披露する。推理小説としてもすごいが、最後に主人公の下した究極の選択が鬱エンドだった。
『星降り山荘の殺人』倉知淳
雪に閉ざされた山荘。ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。交通が遮断され、電 気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件…。果たして犯人は誰なのか!?あくまでもフェアに、読者に真っ向勝負を挑む本格長編推理。
こちらも吹雪の山荘という本格ミステリの王道を行く小説。間にナレーションが挟まり邪魔な気もするが、このナレーションが後々大きな意味を持つようになる。推理小説のルールに忠実は読者はすっかり騙されてしまうというすごい作品。
こちらも吹雪の山荘という本格ミステリの王道を行く小説。間にナレーションが挟まり邪魔な気もするが、このナレーションが後々大きな意味を持つようになる。推理小説のルールに忠実は読者はすっかり騙されてしまうというすごい作品。
『十角館の殺人』綾辻行人
あらすじ:半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の7人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺 人の罠。生きて残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。
ミステリの歴史に新たな1ページを刻んだ名作中の名作。ミステリにおける暗黙の了解をいとも簡単に破ってみせたそのトリックは、痛快の一言。これから推理小説を読もうと思っている人は、ここから始めるといいかもしれない。
文:カッター(マグネットプレス)