奈良県警香芝署は17日までに、妻をつえで殴って死亡させたとして傷害致死容疑で同県広陵町の衣料品店経営・生嶋秀雄容疑者(85)を逮捕した。容疑者は「朝食も作っていなくて腹が立った」などと供述している。
香芝署によると、生嶋容疑者は15日午前8時30分から午後1時までの間、自宅内で妻・静代さん(81)の頭部、腕、でんぶをアルミ製のつえで数回にわたって殴打し、同午後8時25分ごろに出血性ショックで死亡させた疑い。体調を崩していた静代さんが「今日は(衣料品店の手伝いを)休みたい」と訴えたところ、傷害に及んだ模様だ。
2人は半世紀にわたって連れ添った夫婦だった。昨年から、静代さんは生嶋容疑者の「熱湯かけたろか」といった暴言や、服を引っ張るなどの暴行について同署に相談。署員は容疑者に注意し、静代さんには保護施設に入るように勧めたが「主人は病気にもかかっていたし、一人ではご飯を食べるのも時間がかかるので」として断っていた。