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大分潜水士死亡:3人とも空気タンクの残量はゼロ

潜水作業中に3人が死亡する事故があった現場海域。後方は保戸島=大分県津久見市間元沖の津久見湾で2012年3月17日午後2時3分、本社ヘリから野田武撮影
潜水作業中に3人が死亡する事故があった現場海域。後方は保戸島=大分県津久見市間元沖の津久見湾で2012年3月17日午後2時3分、本社ヘリから野田武撮影

 大分県津久見市間元(まもと)の津久見湾で17日、潜水作業中の男性潜水士3人が死亡した事故で、3人が背負っていた空気タンク内の圧縮空気の残量がゼロになっていた。大分海上保安部は、空気タンクの取り扱いや作業手順に問題がなかったか調べるとともに、遺体を司法解剖して詳しい死因を調べる。

 大分海保によると、亡くなった同県佐伯市鶴見沖松浦、塩月充(みつる)さん(45)▽宮崎県延岡市西小路、横山泰造さん(31)▽同市川島町、弓削覚(さとる)さん(37)の3人は、午前9時半ごろ、それぞれ空気タンク1本(12~14リットル)を背負って保戸島海洋牧場の音響給餌ブイ(浮標、直径約3.5メートル、重さ約16トン)の撤去工事で潜水作業を始めた。

 ブイは水深57メートルの海底に固定したコンクリートブロックにワイヤでつながれている。横山さんは海上との連絡・指示を担当。残る2人が潜り、ブロックを撤去するため、クレーン船から降ろした別のワイヤを海底のブロックに取り付ける作業をしていた。

 横山さんからこのワイヤを降ろす作業を止めるよう指示があった直後の9時50分ごろ、3人と交信が途絶え、塩月さんと弓削さんが意識がない状態で浮上。約1時間後に横山さんも海中で見つかった。

 空気タンクでの潜水は水深30~40メートルが限度とされる。大分海保は3人が急浮上して減圧障害を起こしたか、事前に定められた潜水時間や残量に応じた浮上時間の指示が徹底されていなかった可能性もあるとみて調べる。

 音響給餌ブイは、音の合図で魚に餌を与えて餌付けするシステム。95年に設置されたブイは老朽化のため、大分県が津久見市の建設会社に撤去工事を発注していた。【田中理知】

毎日新聞 2012年3月17日 20時54分(最終更新 3月17日 23時41分)

 

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