一っ風呂浴びに帰宅していた班目春樹・原子力安全委員長と突然の東京電力爆破予告/ スクープ公開! 『海江田ノート』原発事故との闘い

2012年03月16日(金) フライデー

フライデー経済の死角

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地上からの放水に活躍した「キリン」は、チェルノブイリの際、炉にコンクリートを流し込む石棺化で使用

「吉田氏は指にタバコをはさみながらぽつりぽつりと語り出しました。地震当時は所長室にいたこと、地震そのものに発電所は耐えられると思っていたこと、襲ってきた津波を見て『これはダメだ』と観念したことなどです。政府に要望があれば聞きたいと伝えると、放射線対応ができていない免震重要棟の遮蔽性や密封性を高める工事や、作業員の居住空間の改善策といった、現場の作業員の安全や生活に配慮した要望を出してきました」

ペヤングにはまった経産相

 海江田氏がノートのページを進め4月に入ると、「低濃度汚染水」の記述が増える。集中廃棄物処理建屋(集中ラド建屋)や5、6号機に溜まった1万t以上の汚染水が、海江田氏を苦しめたのだ。2号機のタービン建屋などの地下に溜まった高濃度の汚染水を海に流れないように運ぶ先は、集中ラド建屋などのいくつかの建屋とタンクにするという方針が立った。問題は、集中ラドや他の建屋に溜まった低濃度の水の放出先だった。

「低濃度汚染水を海へ放出して建屋を空にし、そこに高濃度の汚染水を運び込む。この方法しかないと私も思いました。その上で私は、放出にあたっての環境への影響を少なくするための手段と、モニタリング(測定)強化の具体的な方法を確保するよう強調しました」

 原子力安全・保安院は、東京電力に対して、「今回の(低濃度汚染水の放出)措置は人の健康に有意な影響はなく、大きな危険回避のためにやむを得ない」との判断を伝達。同時に、原子力災害現地対策本部経由で、原発の周辺自治体にFAXなどで低濃度汚染水の放出を連絡した。

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