朝日が記者にツイッター解禁、記者の匿名性をなくし規律もたらす、脱「記者クラブ的報道」のきっかけになる可能性も

2012年03月15日(木) 牧野 洋
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 かねて署名記事が原則のアメリカでは、日本と比べると報道機関とソーシャルメディアの親和性は高い。世界8000社以上の新聞社やテレビ局にニュースを配信している通信社APの「ソーシャルメディア・ガイドライン」の冒頭にはこう書いてある。

 〈 AP記者は全員ソーシャルメディアのアカウントを持つべきだ。ソーシャルメディアは世界で何百万人にも上る人たちの日常生活の一部になっている。AP記者にとってもニュースを集めたり、AP配信記事へのリンクを張ったりするうえで、必要不可欠な道具になっている。(中略)アカウント開設の際にはAP社員であることを必ず明示すること 〉

 日本でも、「当社の記者は全員ソーシャルメディアのアカウントを持つべきだ」と宣言する新聞社が続出するだろうか。個々の記者が匿名性を捨て去って非権力側にアピールしつつ、自らのブランドを構築するようになれば、新聞報道がウォッチドッグジャーナリズム(権力監視型報道)機能を取り戻すきっかけになるかもしれない。

(敬称略)

著者:牧野 洋
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