第70期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終ラウンド、9回戦5局が2日、東京・将棋会館で一斉に指された。既に名人挑戦を決めていた羽生善治二冠(41)が勝ち、自身初のA級9戦全勝を果たした。また、久保利明二冠(36)と名人経験者の丸山忠久九段(41)は2勝7敗となり、降級が決まった。日本将棋連盟によると、タイトルを二つ持つ棋士がA級から陥落するのは初めて。
羽生二冠は昨年、名人を失ったが、4期ぶりのA級順位戦では安定した戦いぶりだった。トップクラスの棋士が集まるA級での全勝は、第31期の中原誠十段(当時)、第62期の森内俊之竜王(同)以来3回目。
丸山九段は名人2期を含め、A級に連続14期在籍。今年度は竜王戦で挑戦者となったが、順位戦では白星に恵まれなかった。久保二冠はA級に通算7期在籍。棋王と王将のタイトルを連覇中だが、順位戦では開幕から5連敗するなど星が伸びなかった。この日は勝てば残留だったが、届かなかった。
森内名人(41)と羽生二冠による七番勝負は4月10日に東京都文京区で開幕する。(村瀬信也)
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