◆FC東京3−2名古屋 名古屋グランパスは、前半36分にFW玉田が先制弾を決めたものの、2季ぶりJ1復帰のFC東京に2−3で逆転負け。開幕2連勝はならなかった。FC東京、仙台、川崎、神戸は2連勝。浦和、大宮、清水、磐田は初白星を挙げた。大阪ダービーマッチはC大阪が制し、G大阪は開幕2連敗。昨季J2の鳥栖と札幌はともに敗れた。
強さの裏側に思わぬ“もろさ”が潜んでいた。前半のほぼ完璧な試合運びから、後半は一転して守備が崩壊。最後は退場者まで出すドタバタ劇の末に敗れた。ストイコビッチ監督は「選手に尋ねたい。前半はわれわれが支配していた。それなのに後半はプレーをすることをやめてしまったんだ」と自嘲気味に語った。後味の悪い、フラストレーションのたまる初黒星になった。
ハーフタイムをはさみ、チームに何が起こったのか。MF吉村は「後半はチーム全体がなぜかズルズル下がってしまった」。DF阿部は「裏を狙う動きが少なくなった」と敗因を語る。強いチームゆえの余裕が落とし穴を生んだのか。受け身に回ってFC東京の猛攻を浴び、またたく間に逆転を許してしまった。
再逆転を懸けた奇策も実らなかった。後半14分に追いつかれると、直後にMF吉村に代えてDFダニエルを投入。DF闘莉王をボランチに上げて攻撃の組み立てを任せた。1−3となった後半30分にはMF田口を入れ、闘莉王を最前線近くへ再び移してパワープレーへ。攻撃センスに優れる闘莉王にDF、MF、FWの“一人三役”を任せたのだ。
GK楢崎は「パワープレーもウチの強み」と語ったが、結果的にはFW永井のゴールで1点を返すのが精いっぱい。闘莉王は「(前線に上がっても)オレにボールが来ない。自分たちがだらしないから負けた。この負けはこたえるよ」と悔しさを隠さなかった。
ストイコビッチ監督は「これは悲劇ではない。次はわれわれが3点取ればいい」と自らを鼓舞するように語った。MF藤本、小川、中村と主力に故障者が相次ぎ、次節はダニルソンも出場停止。V奪回を狙うグランパスに、序盤の正念場がやってきた。 (木村尚公)
この記事を印刷する