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経済
【karoshi過労死の国・日本 第3部(1)若者に迫る危機】ワープア、ブラック企業、鬱で自殺…悪循環
昨2011年世界規模で起きた、ある重大ニュースの発信源は米ニューヨークだった。「ウォール街を占拠せよ」。格差社会に疑問を持つ若者たちによって9月に自然発生したデモが、フェイスブックやツイッターといった新しいメディアを通じ、わずか1カ月間で東京を含む1400以上の都市に波及したのだ。
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デモは、先導者がおらず統一した要求もないという異例づくしだったが、だれかが必ずこんなプラカードを掲げていた。「We are the 99%」(私たちが99%だ)。1%の富裕層が招いた金融危機を99%の貧困層が尻拭いしているという批判を込めた言葉だ。これが、日本の若者たちの間でも共感を呼び続けているという。
貧困問題に詳しい作家の雨宮処凛(36)は「デモの広がりは、非正規労働者と正社員が対立するという構図が、嘘であることを気づかせてくれた」と説明し、過労死問題について重要な指摘をしている。「非正規労働者の貧困と正社員の過労死は、表裏一体の社会問題なのだ」と。
派遣社員やパート、アルバイトといった非正規労働者の待遇が悪くなれば、正社員は明日はわが身と感じて会社にしがみつく。正社員は過労死のリスクを抱え、非正規労働者は仕事を奪われてますます貧困に陥る-。そんな悪循環が、日本の労働現場に起きつつあるというのだ。
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