第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの強制収容所の看守として、およそ2万8000人に上るユダヤ人の虐殺に関わった罪に問われていた、ジョン・デミヤニューク被告が、91歳で死去しました。
ジョン・デミヤニューク被告は、ウクライナ生まれの旧ソビエト軍兵士で、第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの協力者となり、強制収容所の看守として、およそ2万8000人に上るユダヤ人の虐殺に関わった罪に問われていました。
ドイツの警察によりますと、デミヤニューク被告は、17日、南部にあるローゼンハイム近郊の老人養護施設で、91歳で死去したということです。
デミヤニューク被告は、戦後アメリカに移住し、1988年にはイスラエルの裁判所から、別の収容所での虐殺に関与したとして死刑判決を言い渡されましたが、その後、これを覆す証拠が見つかったことから、一転、無罪となりました。
しかし、2009年3月に、およそ2万8000人に上る虐殺に関わった容疑で、ドイツの裁判所から逮捕状が出され、移住先のアメリカからドイツに移送されました。
裁判は、ナチス・ドイツに関わった最後の戦争犯罪人を裁くものとして注目され、去年5月、デミヤニューク被告は禁錮5年を言い渡されましたが、その後、無罪を主張して上訴していました。
[関連リンク] |
|