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<暴走族>激減 都内ピーク80年の1/50

毎日新聞 3月17日(土)15時0分配信

<暴走族>激減 都内ピーク80年の1/50
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昨年9月11日、東京都品川区内を暴走する「城南愚連隊」のメンバー=警視庁提供
 暴走族が激減している。東京都内の場合、ピークだった1980年には5379人だったが、今年1月に警視庁が把握したのは50分の1の119人。グループ内での厳しい上下関係が若者に敬遠されるようになったことに加え、長引く不景気でオートバイの改造などにかける金が不足しているのも減少に拍車をかけたとみられる。

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 警視庁は共同危険行為が道交法で禁じられた78年から、暴走行為の摘発時などに得た情報などを基に暴走族のグループ数や人数を把握している。1月時点の都内の暴走族は16グループで、80年の148グループから大きく減少。グループの規模も小さくなった。

 全国的にも同様の傾向で、警察庁によると、全国の暴走族は82年の4万2510人から昨年は8509人に減った。グループ数もピーク時(02年)の1315から452に減少している。

 捜査関係者は「若者の上下関係の意識が希薄になったことに加え、パソコン、ゲームなど娯楽の多様化が背景にある」と分析する。共同危険行為の違反点数は81年に9点から15点に、02年には25点に引き上げられた。また、同年の改正で違反すれば2年間免許を取れなくなるなど厳罰化も影響しているとみられる。

 メンバーの外見も様変わりした。かつては、派手な刺しゅうを施した「特攻服」で改造バイクに乗るスタイルが一般的だったが、現在はほとんどが普段着。バイクも改造するのはマフラーなど一部だけで、捜査幹部は「バブル期に比べ、かけられる金が少なくなった」と推測する。

 警視庁が今年摘発した「城南愚連隊」も現代版暴走族。大田、品川両区を拠点としたメンバーは16、17歳の約20人。共同危険行為容疑で逮捕されたメンバーの1人は「厳しい上下関係は好きじゃない」と供述したといい、「暴走族というよりは友達の集まりに近い」(警視庁暴走族対策室)。週に3回集まり、バイクと原付きで深夜に暴走行為を繰り返していたという。

 警視庁幹部は「80年代の若者は、そろいの特攻服で社会に抵抗することへのあこがれもあったが、今は『格好悪い』と感じるようになった。今後も減り続けるのではないか」とみている。【伊澤拓也】


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最終更新:3月17日(土)16時57分

毎日新聞

 

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